トヨタ博物館、リニューアルオープンでメッサーシュミットなど19台を常設展示初披露

トヨダAA型

トヨタの文化施設であるトヨタ博物館(愛知県長久手市)では、2019年の開館30周年に向けて常設展示のリニューアルを段階的に実施しており、その一環として常設展示初披露の19台を新たに加えるなどし、本館3階を2017年1月4日よりリニューアルオープンする。

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一連の取り組みは、グローバル化の流れを受け、1989年設立時の「ガソリン自動車誕生以来の歴史を紹介する」という趣旨を現在の視点で再考し、よりいっそう車の歴史・文化に親しみ、時代の流れの中で世界と日本の自動車産業がどのように絡み合いながら進化してきたかをさらに分かりやすく、より多くの方に伝えていくことを目的としている。

2016年1月の第1弾では、19世紀末の自動車黎明期から1950年代に至る展示内容を本館2階に集約し、8つのゾーンで紹介した。

日産 シルビア
トヨタ 2000GTトヨペットクラウン

今回のリニューアルでは、日本車のみだった本館3階に欧米車を含む常設展示初披露の19台も加えて展示する。

戦後から現代に至る創造への情熱、独創的な技術やデザインの推移など、日米欧の自動車が互いに影響を受け、成長し、試練を乗り越えて発展してきた歴史を当時の時代背景とともに5つのゾーンで紹介する。

これにより、本館常設展示は19世紀末の自動車誕生から現代までの発展を一望できることになる。

また、本館常設展示リニューアル記念展として、バックヤード収蔵車展を1月4日(水)から6月25日(日)まで新館2階で開催する。

関連イベントとしては、講演会、学芸トーク、学芸スタッフによるガイドツアー、走行披露を実施。また、新たな試みとして、クルマと文化を語るイベントを企画し、第1回は「本」をテーマに珈琲を楽しみながら語り合う大人のためのイベントも行う。

展示リニューアル

キャデラック エルドラド ビアリッツ(1959・米)
ルノー5(1979・仏)

オープン:2017年1月4日(水)

場所:トヨタ博物館 本館3階

内容:車両67台を下記5ゾーンで展示(展示ゾーン1~8は本館2階)

■ゾーン9:米欧日 それぞれの再出発

大型化するアメリカ車、コンパクトな欧州車、模索する日本車

パワフルで快適なクルマを求めアメリカ車は大型化する一方、コンパクトな欧州車がアメリカで成功した。一方、日本は欧米技術の直接導入が盛んに行われたが、中には独自技術開発という苦難の道を歩むメーカーもあった。それが後の時代変化への基礎体力となっていった。

展示車両:キャデラック エルドラド ビアリッツ(1959年)、モーリス ミニ マイナー(1959年)、スバル360(1959年)他/計20台

■ゾーン10:経済成長と加速するモータリゼーション

日本での乗用車の普及/憧れのクルマ より良いクルマを求めて

豊かさの象徴としてアメリカのライフスタイルは欧州や日本にも広まり、日本では「三種の神器」(洗濯機、冷蔵庫、白黒テレビ)に次いで、「新三種の神器」(カラーテレビ、クーラー、カー)で、いよいよクルマが大衆のものになりつつあった。

展示車両:ダットサン サニー(1966)、カローラ KE10(1966)、フォード マスタング(1964)他/計26台

■ゾーン11:試練の時代。社会的課題への対応

環境・安全技術の導入を加速

急速なモータリゼーションの進展は、交通事故、公害など大きな社会的な課題を引き起こした。 さらに1973年に起きた第一次オイルショックは、世界経済に急ブレーキをかけた。アメリカから始まった厳しい排出ガス規制法に世界中のメーカーが苦労している中、日本のメーカーは、独自の技術で法基準をクリアしていった。

展示車両:ホンダ シビック CVCC(1975)、ルノー5(1979)、フォルクスワーゲン ゴルフ(1979)他/計6台

■ゾーン12:新たな車種の誕生

さまざまなニーズに対応した新たなカテゴリーの誕生

排出ガス規制を乗り越え、技術力を高めた日本車は、オイルショック以降の世界のニーズに合致し輸出が急増した。欧米での現地生産や仕向地に合わせた車両の開発など、日本車のグローバル化が一気に加速した。ライフスタイルの多様化と共に、ミニバンやクロスオーバーSUVなど、セダンに代わる車種が誕生していった。

展示車両:アウディ クワトロ(1981年)、トヨタ エスティマ(1993年)、MCC スマート クーペ(2001年)他/計10台

■ゾーン13:持続可能な未来へ

動力源の多様化ふたたび

燃料消費量を一気に半減させたハイブリッド車の誕生をきっかけに、エコノミー車というだけではなく、エコロジー(環境)に優しいことがクルマの魅力となった。ハイブリッド車の普及は、電気自動車や水素燃料電池車の開発と普及を一層加速させた。

展示車両:トヨタ プリウス(1997年)、ホンダ インサイト(2004年)、三菱 アイミーブ(2011年)他/計5台

【初めて常設展示する車両19台】

フォルクスワーゲン タイプ1/1951年/ドイツ

メッサー シュミット/1955年/ドイツ

BMW イセッタ/1959年/ドイツ

クライスラー ヴァリアント/1960年/アメリカ

フォード ファルコン/1960年/アメリカ

ジャガー マーク2/1961年/イギリス

フィアット ヌォーヴァ 500L/1972年/イタリア

ロータス エリート/1961年/イギリス

BMW 1500/1963年/ドイツ

シボレー コルベア/1960年/アメリカ

ルノー5/1979年/フランス

フォルクスワーゲン ゴルフ/1979年/ドイツ

アウディ クワトロ/1981年/ドイツ

トヨタ ハイラックス サーフ/1987年/日本

レクサス LS(LS400)/1990年/日本

トヨタ エスティマ/1993年/日本

レクサス RX(RX300)/2000年/日本

MCC スマート クーペ/2001年/ドイツ

ホンダ インサイト/2004年/日本

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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