ステップワゴンの牙城を崩したヴォクシーの快進撃がスゴかった! 新型ステップワゴンはヴォクシーを倒すことはできるのか!?

画像ギャラリーはこちら

5ナンバーサイズのミニバンは今や国民的ファミリーカーといっても過言ではないほど人気を集めている。現在はトヨタ ヴォクシー3兄弟がもっとも売れているモデルであるが、じつはこの市場を不動のモノとしたのは初代ステップワゴンであったのだ。そこで今回は5ナンバーサイズミニバンの歴史を振り返るとともに、まもなく発売予定の新型ステップワゴンについて考えてみたい。

目次[開く][閉じる]
  1. 5ナンバーサイズミニバン市場はトヨタの独占状態だが、かつては違った!?
  2. 1990年代は商用車ベースのミニバンが大半! 初代オデッセイや初代ステップワゴンで大改革を敢行
  3. 対するトヨタは商用車チックなモデルばかり! 初代ステップワゴンの牙城は崩せずにいた
  4. 打倒ステップワゴン! セレナにヴォクシーなど今売れ筋モデルが続々投入
  5. ライバル続出でステップワゴンもあの手この手で改良を実施
  6. 新型ステップワゴンは再び首位奪還なるか!?

5ナンバーサイズミニバン市場はトヨタの独占状態だが、かつては違った!?

現在日本のファミリーカーの大きな柱となっているのは5ナンバーサイズのミニバンだ。最近トヨタ エスクァイアが2021年12月上旬で生産終了というニュースはあったが、エスクァイアを含むトヨタヴォクシー三兄弟の独走状態である。

しかし、このジャンルを開拓したのは1996年登場のホンダ ステップワゴンの初代モデルであった。ここではヴォクシー三兄弟、日産 セレナ、ステップワゴンという三強による激闘が本格化する前の時代を中心に、このジャンルの戦いの過程を振り返ってみた。

>>モデル末期のヴォクシーやステップワゴンは買い時なのか!? 1年前の常識が通用しない緊急事態! 激戦Mクラスミニバンの最新購入術を伝授

1990年代は商用車ベースのミニバンが大半! 初代オデッセイや初代ステップワゴンで大改革を敢行

まずは初代ステップワゴンが登場した1996年の当時は「ワゴン車、1BOXカー」と呼ばれていた現在のミニバン業界、ホンダの状況を思い出してみよう。

当時のミニバン業界はラージクラスこそ1990年登場の初代エスティマや1994年登場の初代オデッセイと、乗用車ベースへの移行は始まっていたが、この2台以外は商用バンベースのモデルが中心だった。

ミドルクラスのミニバンは、初代エスティマを5ナンバーサイズとしたエスティマルシーダ&エミーナは存在した。

だが、トヨタはヴォクシー三兄弟の前身となるタウンエース&ライトエース、日産はセレナの前身となるバネットセレナと、それぞれフロントノーズの有無はあるにせよ、エンジンはフロントシートの下に配置されるキャブオーバーレイアウトだった。

>>エスティマ生産終了から2年! 後継車は未だ現れず 未来的な卵型フォルムはEVやFCVとなってよみがえる!?

初代オデッセイから始まったクリエイティブムーバー戦略! 初代ステップワゴンは画期的なモデルだった

当時のホンダに目を移すと、1990年代前半のバブル崩壊、その後当時の三菱自動車が得意としたRVシフトへの遅れを原因にピンチに陥っており、三菱自動車との合併という噂まであったほどだった。

そんな中登場した初代オデッセイはラージミニバンながらFFの乗用車ベースとしていた。乗用車的な雰囲気や乗り味、フロアの低さのよる広さ、価格の安さにより大ヒットした。

さらにホンダは初代オデッセイから「クリエイティブムーバー」と呼ぶRV戦略を開始し、翌1995年には乗用車ベースでライトなキャラクターであったミドルSUVの初代CR-Vも登場し、こちらも大ヒット車となった。

>>【新型オデッセイ予想】ホンダ 新型オデッセイは現行モデルより50万円程度値下げをすればアルファードにも勝てる!? 現行モデルの敗因は高すぎる価格設定にアリ

1996年登場の初代ステップワゴンも初代オデッセイや初代CR-Vと近い路線の5ナンバーBOX型ミニバンである。初代ステップワゴンも2台と似た理由で大ヒットし、ホンダはピンチから一気に勢いを取り戻した。

対するトヨタは商用車チックなモデルばかり! 初代ステップワゴンの牙城は崩せずにいた

その頃トヨタはというと、初代ステップワゴンと同じ1996年にタウンエースノア&ライトエースノアを出すのだが、この2台は商用バンと関連のあるフロントノーズにエンジンがあるFRレイアウトの5ナンバーBOX型ミニバンで、初代ステップワゴンほどは乗用車的なモデルではなかった。

ただ、タウンエースノア&ライトエースノアはトヨタが1995年登場のコンパクトカーの5代目スターレットから衝突安全ボディGOA、ABS、デュアルエアバッグといった安全装備の標準装備化を進め始めた時期のモデルでもあった。その面では初代ステップワゴンを上回っていたのも事実である。

タウンエースノア&ライトエースノアは当時のRVブームもあり、十分売れたのだが、販売台数は2台を合計して初代ステップワゴンと同等程度。この結果はトヨタの販売力を考えたら初代ステップワゴン優勢というのが結論だろう。

>>ホンダ 新型ステップワゴンは2022年初頭に発売!? 価格は280万円〜か!?

打倒ステップワゴン! セレナにヴォクシーなど今売れ筋モデルが続々投入

初代ステップワゴンに続いてこのクラスのミニバンを乗用車ベースのFF車としたのは1999年登場の2代目セレナだ。この代からバネットの名が取れ、セレナとして独立した初のモデルでもある。2代目セレナは当時ルノーとの資本提携が結ばれるなど瀕死の状態だった日産の中ではよく売れたモデルだった。

そして、2001年にステップワゴンは2代目モデル、タウンエースノアは初代ノア、ライトエースノアは初代ヴォクシーにフルモデルチェンジされる。

このとき2代目ステップワゴンは左側スライドドアに対して、初代ノア&ヴォクシーは両側スライドドアを採用していた点が別れ道だったのか、ステップワゴンとノア&ヴォクシーの形勢が逆転し始め、現在も続くノア&ヴォクシーの快進撃が始まる。

ライバル続出でステップワゴンもあの手この手で改良を実施

ステップワゴンは2005年登場の3代目モデルでは両側スライドドアを初採用。フローリングフロアを持ち、若干全高を下げた低床低重心パッケージによりピタッとよく走るミニバンだったのだ。

2009年登場の4代目モデルは比較的オーソドックスなスタイルであった。2015年登場の現行モデルではフィーリングのいい1.5リッターとワクワクゲートの採用と、どれもいいクルマなのになぜかヴォクシー三兄弟には勝ち切れない状況が続いている。

新型ステップワゴンは再び首位奪還なるか!?

現行ステップワゴンは5ナンバーBOX型ミニバン三強において実力はナンバー1なだけに、販売が実力に追いついていないのは残念を通り越して気の毒である。

それだけに2022年にも登場と言われている新型ステップワゴンでは、このジャンルの先駆車として今までのうっぷんを晴らすようなモデルになって欲しい!

【筆者:永田 恵一】

トヨタ/ヴォクシー
トヨタ ヴォクシーカタログを見る
新車価格:
309万円396万円
中古価格:
19.8万円592万円

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

検索ワード

永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

トヨタ ヴォクシーの最新自動車ニュース/記事

トヨタのカタログ情報 トヨタ ヴォクシーのカタログ情報 トヨタの中古車検索 トヨタ ヴォクシーの中古車検索 トヨタの記事一覧 トヨタ ヴォクシーの記事一覧 トヨタのニュース一覧 トヨタ ヴォクシーのニュース一覧

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる