日産 セレナe-POWER燃費レポート│待望のフルハイブリッドを搭載したセレナの実燃費を徹底検証(4/7)

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日産 セレナe-POWER実燃費レポート|高速道路編

日産セレナe-POWER 高速道路の実燃費

ノーマルモード:18.0km/L│エコモード:18.8km/L

日産 セレナe-POWER|高速道路編
車種名実燃費パワートレイン

日産 セレナe-POWER

2WD(FF)

18.0km/L

18.8km/L(エコモード)

1.2L/ガソリン

日産 セレナハイウェイスターVセレクション

2018年2月計測・2WD(FF)

16.4km/L

2Lガソリン+マイルドハイブリッド

トヨタ ヴォクシーハイブリッドZS

2017年7月計測・2WD(FF)

19.2km/L

1.8L/ハイブリッド

ホンダ ステップワゴンスパーダ

G・EX Honda SENSING

2017年10月計測・2WD(FF)

19.6km/L

2L/ハイブリッド

セレナe-POWERの燃費は、高速道路でもハイブリッドのミドルハイトミニバンとしては及第点といったところだった。ただ、セレナe-POWERのシリーズハイブリッドというシステムは、同等のシステムを持つステップワゴンハイブリッドに対して高速道路のペースのような巡航で燃費に有利なエンジン直接駆動モードを持たないため、ペースが速い、上り坂や向かい風、人や荷物が重いといった負荷が大きい走行シーンになると、燃費の低下は大きいかもしれない。

またエコモードを使った際の燃費に関しては走行シーンによって異なるが、おおよそ5~10%の向上が確認できた。アクセル操作だけで停止までスピードの調整ができるe-POWERドライブの便利さ、面白さも含め、やはり基本的にはオンにすることを勧めたい。

セレナe-POWERのアクセルを深く踏んだ際の絶対的な動力性能は、1人乗りであればステップワゴンハイブリッドには及ばないものの、ヴォクシー三兄弟のハイブリッドに勝る「結構速いなあ」と感じるもので、レインボーブリッジのような上り坂でもスルスルとスピードが乗る。

アクセルを深く踏むと当然ながら走行のための電力を発電するべくエンジンもフル稼働となるが、エンジン音はフル稼働でも耳障りでない活発かつ元気な音質のため好感が持てる。

高速道路で普通に巡航している際の静粛性に関しては、エンジン音は市街地と同様に静かなのだが、風切音やロードノイズは大きめだ(風切音やロードノイズが大きい分、エンジン音が静かに感じる面もあるのかもしれない)。

プロパイロットは装着を推奨したい

運転支援システム「プロパイロット」は市街地編で書いたのと同様に、高速道路でもレスポンスに優れる電動車であるのもプラスに働いていると思われるスムースな加減速に加え、操舵(ハンドル操作)の支援も直進中は車線の中央をかなりキープし、首都高速の緩いコーナーでも介入するなど、積極的に稼働している点でも、従来のセレナS-hybridに対して大きな進化を確認できた。

ただ、プロパイロットの完成度の高さに対し、土台となる車(セレナ)が追いついておらず、高速道路で横風が強いときなどはフラフラすることがあるのは少し残念ではある。それでもプロパイロットはセレナの大きなセールスポイントに進化している。アラウンドビューモニターモニターなどとセットで24万3000円(この中に進路変更の際などの事故防止に絶大な効果を持つ斜め後方の監視デバイスが含まれていればよかったのだが、設定もない)という価格はちょっと考えてしまうところだが、セレナを購入する際にはぜひ装着を勧めたい。

また、エコモードでのテスト中は激しい雨風にも見舞われたのだが、その中でもプロパイロットは問題なく稼働しており、悪天候に対する対応力が高そうなことも評価できる。

最後にSモード(Sはスポーツではなくスマートの略)は、エコモードと同様にアクセルを戻した際の強めの回生制動に加え、アクセル操作に対するレスポンスが鋭くなり、乗車人数が多いなど車が重い時には便利に使えそうだ。

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

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