日産 セレナe-POWER燃費レポート│待望のフルハイブリッドを搭載したセレナの実燃費を徹底検証(2/7)

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日産 セレナe-POWER実燃費レポート|市街地編

日産セレナe-POWER 市街地での実燃費

ノーマルモード:15.7km/L│エコモード:17.6km/L

日産 セレナe-POWER|市街地・街乗り編
車種名実燃費パワートレイン

日産 セレナe-POWER

2WD(FF)

15.7km/L

17.6km/L(エコモード)

1.2L/ガソリン

日産 セレナハイウェイスターVセレクション

2018年2月計測・2WD(FF)

11.8km/L

2Lガソリン+マイルドハイブリッド

トヨタ ヴォクシーハイブリッドZS

2017年7月計測・2WD(FF)

16.6km/L

1.8L/ハイブリッド

ホンダ ステップワゴンスパーダ

G・EX Honda SENSING

2017年10月計測・2WD(FF)

19.2km/L

2L/ハイブリッド

市街地でセレナe-POWERは、エコモード使用であれば、表の通りステップワゴンハイブリッドには及ばなかったもののヴォクシーハイブリッドには勝る、最新のハイブリッドミドルハイトミニバンとしては及第点といえる燃費を記録した。実燃費を計測した感覚では、雪が降りそうな寒さの中ではエンジンの熱効率(燃焼した燃料を効率よく使える度合い)がいい副作用で余分な熱が出ないという象徴でもあるのだが、暖気に時間が掛かり、走行中もヒーターの熱源となる冷却水が冷えてしまい、ヒーターのためにエンジンが掛かりがちという場面があった。また夏場もキャビンの広いミニバンなので、エアコン(クーラー)のためにエンジンが稼働し、燃費が低下することも予想される。

セレナe-POWERのシリーズハイブリッドは

【1】モーターで発進

【2】エンジンはバッテリー残量によって発電のためだけに稼働し、バッテリー残量が多ければエンジンは停止しEV走行を行う

【3】減速時は回生制動でバッテリーに電力を戻す

という動きで走行する。そのため運転している感覚はスムースな電気自動車に非常に近く、とても楽、快適だ。また、走行シーンを問わず普通に乗っていると発電のためにエンジンが掛かってもエンジン音は「静かにブーンと回っている」といった印象で大変静か。エンジンが掛かったかモニターを見てないと分からないこともあるほどで、特に街乗りはセレナe-POWERの魅力が最も際立つ走行シーンと断言できる。

走行モードはエコモードがオススメ

エコモードで走行すると同社のノートe-POWERや電気自動車リーフと同様に、アクセル操作に対する車の動きは車が重くなったようにマイルドになる(すぐ慣れる範囲)。そこからアクセルを戻した時に回生制動が強く掛かり、ブレーキペダルを使わずアクセルを戻すだけで停止まで減速できるe-POWERドライブがオンとなる。

エコモードでe-POWERドライブを使うと、ほどほどに強い回生制動となるため初めは停止したいポイントの距離感に慣れがいるが、それもすぐに慣れる範囲だ。慣れてしまえば、運転中気を抜くとアクセルを戻した際に強い回生制動が掛かってしまうこともあるが(強い回生制動が掛かってもノートe-POWERやリーフに比べればそれもマイルドだ)、やはりブレーキペダルをほとんど使わずにアクセル操作だけで停止までスピードの調整ができるのは便利かつ面白い。基本的にはエコモードをオンして走ることを勧めたい。

プロパイロットの完成度が向上した

市街地で運転支援システム「プロパイロット」を使ってみると、e-POWER化や改良による劇的な進歩を確認できた。というのも、初搭載となった実質ガソリン車となるSハイブリッドのセレナのプロパイロットは、走行シーンを問わず先行車への追従が追い付かない、市街地では減速するタイミングが遅いなど、特に市街地で使うのは「怖い」と感じるくらいのレベルだった。※メーカーでは市街地でのプロパイロット使用は推奨していない。

しかし、プロパイロットも第2弾のマイナーチェンジされたエクストレイルや、第3弾のフルモデルチェンジされたリーフでは完成度を大幅に高めており、筆者はセレナe-POWERにも期待していた。市街地で使ってみると、期待通りにセレナe-POWERもエクストレイルやリーフと同様に市街地でも加減速はスムースになっており、前後左右の監視と運転の構えをしながら市街地でも有難い運転支援システムとして使えるようになっていた。

その他市街地編で使い勝手の面で気づいたこととしては

◆ハイブリッド化で1列目シート中央の通路にはトレイが置かれるようになったのだが、このトレイは普段持ち歩く鞄などを置くのに便利

◆セレナe-POWERには冬場の寒さ対策としてオプションとなるが、シートヒートやステアリングヒーターが用意されるのはいいのだが、シートヒーターのスイッチは下の方にあり、非常に分かりにくかった

といったことが挙げられる。

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

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