マツダ 新型アテンザ クリーンディーゼル(XD・6速MT搭載モデル) 燃費レポート(5/5)
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:永田恵一
マツダ 新型アテンザ クリーンディーゼル(XD・6速MT搭載モデル) 燃費レポート【総評】
マツダ アテンザ クリーンディーゼル(XD・6速MT搭載モデル)総合燃費/18.8km/L
アテンザディーゼルのMTは「運転を楽しめてこれだけ燃費がいい」というだけで、非常に魅力的な存在と言える。さらに燃料コストを軽油140円、レギュラーガソリン160円の想定で考えると、軽油とレギュラーガソリンには約15%の価格差があり、アテンザディーゼルのMTの燃費はリッター22km走るガソリン車(ハイブリッドも含む)と同等ということになり、過去のテストデータで比べれば気候や道路状況の違いはあるが、なんと総合燃費が21.0km/Lだったアコードハイブリッドより安く付くことになる。
おまけにアテンザディーゼルはATも含め、直接的なライバルとなるアコードハイブリッドやカムリより装備を揃えても車両価格まで安いのだから、このクラスのベストチョイスといえるだろう。
また、アテンザディーゼルのMTに関しては「燃費の良さには自分の運転も含まれている」と考えられることに、魅力を感じる人も少なくないだろう。
アテンザディーゼル(MT)の難点を挙げれば、乗り心地に若干粗さを感じることだけだ。
アテンザディーゼル(MT)の乗り心地は発売当初から及第点には達しており、最近のテスト車は走行距離を重ね慣らしが進んだせいなのか、生産が進み何らかの部品も変わり、それがテスト車にも装着されたせいなのか不明ながら、乗り心地もいい方向にはなっているのだが、それでも大きなギャップや路面のうねりでは「ガツン」という硬さを感じることがある。
この症状はアテンザディーゼルのATの標準仕様となる17インチタイヤなら気にならないのだが、ディーゼルのMTは当初「月に5台売れれば」と設定したこと自体が信じられないようなグレードだったこともあり(実際には10%程度売れている)、現状ではマツダ車でよく見るインチダウンのオプションもなく、乗り心地自体を改善するか17インチタイヤの設定を望みたい。
それにしてもアテンザディーゼルのMTは、ハイブリッドカーに対するアンチテーゼとして見事な商品力を持つクルマだ。こうなるとアテンザより小型軽量な分さらに燃費もいい方向になると考えられる上に、よりサイズも扱いやすく、価格も買いやすい方向と思われる、近々発売されるアクセラのディーゼルには自ずと大きな期待を持ってしまう。
マツダのスカイアクティブ戦略からは当分目が離せないだろう。
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