三菱 新型 アウトランダー 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
三菱のハンドリング思想に大きな進化を実感
新型アウトランダーのプラットフォームを先代型と比べると、部分的に設計が異なるものの、基本的には共通だ。ボディ剛性にもさほど変わりはないが、運転感覚はかなり違う。先代型は機敏に車両の向きが変わる半面、後輪の接地性が削がれやすかったからだ。
ちなみに先代アウトランダーが発売されたのは2005年だが、この時期の三菱車には回頭性を重視したセッティングが多い。現行型の2代目「eKワゴン」、生産を終えた「コルト」なども同様だ。現行ランサー エボリューション Xも、ビルシュタイン製のショックアブソーバーを備えたタイプを除いたノーマルサスペンション仕様は、かなり曲がる方向に振られている。中でも驚いたのが「ランサー」で、2000年に「ランサー セディア」として登場した時は、車両の動きが緩慢。曲がりにくい性格で結果的にバランスは取れていたが、2003年のマイナーチェンジで「ランサー」になった時、機敏な性格に一変した。走行安定性を損なっている。
このハンドリング思想については、以前から疑問に思っていたので開発者に尋ねると、2000年代の前半から中盤は、三菱車のクルマ造りを見直した時期に当たるという。走りの良さという特徴を打ち出すべく、スポーティな方向に発展したらしい。ただし、先代型アウトランダーを含めて行き過ぎた面があり、モデルチェンジで修正を図っているとのことだ。
また別の開発者によれば、愛知県・岡崎市にある三菱のテストコースのハンドリング路は、比較的急なコーナーが多い。どうしても曲がりやすさを重視する傾向があったという。
いずれにしろ、先代アウトランダーの特性を把握した上で、サスペンションをバランスの良い設定に見直したとの返答であった。
先進安全技術「e-Assist」の効果を試してみる!
エンジンは直列4気筒の2.4リッター。吸気バルブのリフト量を連続的に変化させるMIVECを採用し、最高出力は169馬力(6000回転)、最大トルクは22.4kg-m(4200回転)になる。
3000回転以上ではザワザワしたノイズが気になるが、動力性能は十分。加速力は発進直後から余裕を感じさせ、4000回転を超えた領域では吹け上がりも活発だ。車両重量にピッタリのエンジン性能を備える。
CVT(無段変速式AT)の制御も優れ、深くアクセルを踏み込まない限り、エンジン回転と速度の上昇に大きなズレが生じることはない。
試乗車がナビパッケージでレーダークルーズコントロールを採用していたので、高速道路に乗り入れて作動の仕方を試した。時速40~100km/hの範囲内でスイッチを入れると、レーダーによって一定の車間距離を保ち、アクセルとブレーキの操作を自動的に行いながら先行車に追従できる。車間距離は3段階から選ぶことが可能だ。
追従走行の機能に違和感はほとんどない。設定速度より低いスピードで走行中、先行車がいなくなれば速度を高めるが、この時の反応も時間差が生じることなく良好。素早く加速に移れる。
また、レーダークルーズコントロールを含めた「e-Assist」には、衝突被害軽減ブレーキと車線逸脱警報システムも装着される。方向指示機を作動させずに車線からはずれそうになると、即座に警報が行われて注意を促す。
衝突被害軽減ブレーキは、衝突の危険が生じると注意を促し、自動的にブレーキも作動させる。専用のスペースで試したが、警報に続いてボディが少し前側に傾く程度のブレーキングが行われ、その後もドライバーが回避操作を行わないと強い制動に移る。2段階にブレーキを働かせることが特徴だ。
「e-Assist」の価格は9.5万円。ミリ波レーダーとカメラを併用しながら、スバルのアイサイトよりも1万円安い。安全装備であると同時に快適性を高めるレーダークルーズコントロールも装着されるから、機能に対する価格はきわめて安い。
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