【試乗】三菱 アウトランダーPHEV・デリカD:5・パジェロ オフロード試乗レポート/永田恵一(1/3)
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:和田 清志/三菱自動車工業株式会社
三菱 アウトランダーPHEV/デリカD:5/パジェロのオフロード性能を探る!
SUVでオフロードコースを走るというのは、スポーツモデルに乗っている人がサーキットでこのクルマの性能をフルに使ってみるのと似ている思う。スポーツカーもSUVも「普段使わないような性能は無駄」という考えも分からなくはないが、「イザという時にはこんなこともできる」ということはクルマにとって重要な要素だ。
三菱自動車はこの度クローズドされたオフロードコースにアウトランダーPHEV、デリカD:5、パジェロのクリーンディーゼルを持ち込みオフロード試乗会を開催した。今回はこの3台のオフロード性能のポテンシャルを、4WDシステムの解説なども交えながらお伝えしよう。
アウトランダーPHEVは、オフロードで三菱らしい頼もしさを発揮
エンジンで発電した電力で走行する、電力での走行だと効率が悪い速度域ではエンジン直接駆動で走行するハイブリッドカーであるのに加え、12kWhという大容量バッテリーを搭載し200Vでの充電や急速充電といった外部からの充電にも対応するという多用途性でも人気となっているアウトランダーPHEV。今年4月にエクステリアのちょっとした変更などが主な内容の一部改良を受けている。
◎関連記事:三菱、「アウトランダーPHEV」を一部改良(2014年4月28日)
アウトランダーPHEVの4WDシステムは前後のモーターで4つのタイヤを駆動するツインモーター4WDと呼ばれるものだ。4WDのモードはスタートから常時リアにも数%駆動力を掛けクルマが不安定になりやすいエンジンブレーキの状態でも高い走行安定性を確保し、前後駆動力配分は状況に応じてクルマの方で最適なものを選んでくれるノーマルモードと、前後駆動力配分が50:50になるロックモードの2つだ。さらにランサーエボリューション譲りの前後駆動力配分システムAYCも備え、優れた旋回性能も有する。
アウトランダーPHEVでオフロードコースを走ると、低い速度域ではモーターで走行するだけに、アクセル操作に瞬時に反応するレスポンスの良さが印象的であった。
また、4WDシステムをノーマルモードにしたままでもホイールスピンすることなくオフロードの急坂を登っていく高いトラクション性能や、乗用車ベースのSUVというそれほど高いオフロード性能を要求されないカテゴリーでありながらクローズドオフロードコースでも下側を打つことのない最低地上高を確保していることにも感心した。
といったこと感じながら試乗を終えクルマを眺めていると、「よく考えたらアウトランダーPHEVってタイヤはオフロードをそれほど想定していないエコタイヤだし、そもそもSUVとはいえオフロードを走るのはNGに近いハイブリッドカーだった」ということを思い出した。そういったクルマでもいろいろな意味での”三菱基準”に合致していることに、アウトランダーPHEVには三菱のSUVらしい頼もしさを実感した。
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