三菱 新型eK スペース/eK クロス スペースに試乗|実際にテストしてわかったターボとノーマルの違い

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:森山 良雄・MOTA編集部・三菱自動車工業
画像ギャラリーはこちら

今最も売れている軽スーパーハイトワゴンのカテゴリーに、三菱から新たなモデルが投入した。その名は新型「eKスペース/eK X(クロス)スペース」。ホンダ N-BOXやダイハツ タントなどの強力なライバルを前に、三菱ならではの魅力とは。カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎氏が、実際にeKスペースシリーズに試乗して得た印象を踏まえ徹底解説する。

>>三菱 新型eKスペース/eKクロス スペースを画像で見る

目次[開く][閉じる]
  1. 日本の乗用車で最も売れているスーパーハイト軽カテゴリーに、三菱から新たなモデルが登場
  2. 660ccのエンジンはノーマルとターボの2種類|ベースのeKスペースでもターボが選択可能
  3. 登坂路ではややパワー不足だが、街中などでは扱いやすいノンターボエンジン
  4. 街中から郊外路、そして高速道まで全域で扱いやすい660ccターボエンジン
  5. 全高1700mmを超える軽スーパーハイトワゴンとしては走行安定性も良好
  6. 後席に大切な家族を乗せるから・・・気になる乗り心地は!?

日本の乗用車で最も売れているスーパーハイト軽カテゴリーに、三菱から新たなモデルが登場

クルマにはさまざまなカテゴリーがあるが、今最も好調に売れているのは、全高が1700mmを超える背の高い軽自動車だ。最近では「軽スーパーハイトワゴン」などと呼ばれている。

車内が広く4名乗車も快適で、後席を畳めば自転車なども積める広い荷室になる。後席左右のドアはスライド式だから、乗り降りもしやすい。

そこで2019年1~12月、2020年1~3月の国内販売ランキングを見ると、1位はホンダ N-BOX、2位はダイハツ タントであった。両車とも全高が1700mmを超える軽自動車だ。

2020年3月には、このカテゴリーに属する三菱 新型eKスペース/eK X(クロス)スペース、そして姉妹車の日産 ルークスが一斉にフルモデルチェンジを受けて販売を開始した。

車両の概要は「三菱 新型eKスペース/eKクロス スペース 新型車解説」に掲載したので、今回は実際に試乗して分かった運転感覚などを中心にお伝えしたい。

660ccのエンジンはノーマルとターボの2種類|ベースのeKスペースでもターボが選択可能

三菱 新型eKスペース/eKクロススペースに搭載されるエンジンのラインナップからご紹介していこう。

eKスペースとeKクロススペースの両方に、ノーマルタイプ(ノンターボ)とターボエンジン車をそれぞれ用意した。

ちなみに姉妹車の日産 ルークスでターボを選べるのは、上級グレードの「ハイウェイスターG ターボプロパイロットエディション」のみだが、eKでは標準ボディのeKスペースにもターボエンジンを搭載する「T」を設定した。運転支援機能のマイパイロット(日産では「プロパイロット」)を含めて、eKスペースは、エンジンや装備の選択肢がルークスよりも豊富だ。

今回試乗出来たのは、ノーマル(ノンターボ)エンジンを搭載する「eKスペース G」(154万2200円・FF)と、ターボエンジン搭載の「eKクロススペース T」(185万9000円・FF)であった。

登坂路ではややパワー不足だが、街中などでは扱いやすいノンターボエンジン

eKスペース Gに載るノーマルの660ccエンジンは、幅広い回転域にわたり動力性能が不足気味だ。

車両重量が950kgに達するので、登坂路などではパワー不足を感じやすい。それでも軽自動車のノーマルエンジンとしては、実用回転域の駆動力に余裕がある。

最大トルクは6.1kg-mにとどまるが、頻繁に使われる3600回転で発生するから、意外に運転しやすい。ノイズと振動も抑えられ、パワーは不足気味でも上質な走りを楽しめる。

街中から郊外路、そして高速道まで全域で扱いやすい660ccターボエンジン

一方ターボのeKクロススペース Tでは、動力性能が大幅に向上する。

最大トルクは10.2kg-mだから、ノーマルエンジンの1.7倍で、街中から郊外路、そして高速道での領域をカバーする2400~4000回転で幅広く発生するから加速に余裕がある。

高回転になるほど加速が活発化するターボのクセを少し感じるが、高速道路や峠道を頻繁に走るユーザーに適する。

全高1700mmを超える軽スーパーハイトワゴンとしては走行安定性も良好

背の高い三菱 新型eKスペース/eKクロススペースで特に気になる走行安定性についてはどうだろうか。

実際に試乗してみたところ、全高が1700mmを上まわり、車両重量も900kgを超える背の高い軽自動車としては良好な部類に属する。

カーブを曲がる時には操舵感が少し鈍く感じるが、後輪の接地性は高い。下り坂のカーブを曲がる時も不安を感じにくく、直進安定性が高いから高速道路も走りやすい。

>>三菱 新型eKスペース/eKクロス スペースの広大なインテリアを拡大画像で見比べてみる

後席に大切な家族を乗せるから・・・気になる乗り心地は!?

後席に大切な家族を乗せることも多いクルマだから、乗り心地もしっかり確認したい。

その印象は、装着されるタイヤによって異なる。14インチタイヤ(155/65R14)を装着したeKスペース Gは、路上のデコボコを拾いやすいものの、硬さをあまり意識させない。

15インチタイヤ(165/55R15)のeKクロススペース Tは、eKスペース Gに比べて操舵感が少し機敏になるが、乗り心地に硬さが目立つ。

段差を通過した時には突き上げ感も伴い、もう少し穏やかに仕上げて欲しい。

このように、背の高い軽自動車に求められる走行安定性と乗り心地のバランスは、14インチの方が良さそうだ。

ちなみに指定空気圧は、転がり抵抗を抑えるために前後輪とも240kPaと高めの設定とした点も、乗り心地の硬さに影響を与えている。

[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:森山 良雄・MOTA編集部・三菱自動車工業]

新型eK スペース/eK クロス スペース試乗レポートVol.2は4月22日水曜日公開予定!

次回は、実際に新型eK スペース/eK クロス スペースへ乗り込んでみてわかった使い勝手や質感、そしてスーパーハイトワゴン軽ならではの室内の広さなどを、徹底解説する!

三菱 新型eK スペース/eK クロス スペース試乗 Vol.2の公開は4月22日水曜日の予定! お楽しみに…

>>三菱 新型eKスペース/eKクロス スペースの上質な室内空間・インパネを拡大画像で見比べてみる

三菱 eKスペース G[FF] / eKクロススペース T[4WD] 主要スペック比較

車種名

eKスペース

eKクロススペース

グレード名

660 G[FF]

660 T[4WD]

価格(消費税込み)

154万円

199万円

全長×全幅×全高

3395mm×1475mm×1780mm

3395mm×1475mm×1800mm

ホイールベース

2495mm

2495mm

駆動方式

FF

4WD

車両重量

950kg

1030kg

乗車定員

4名

4名

エンジン種類

直列 3気筒 DOHC

直列 3気筒 DOHC

総排気量

659cc

659cc

エンジン最高出力

38kW(52PS)/6400rpm

47kW(64PS)/5600rpm

エンジン最大トルク

60Nm(6.1kg・m)/3600rpm

100Nm(10.2kg・m)/2400rpm

トランスミッション

CVT

CVT

使用燃料

レギュラー

レギュラー

燃料消費率(JC08モード燃費)

27.2km/L

21.2km/L

燃料消費率(WLTCモード燃費)

20.8km/L

16.4km/L

燃料消費率
(WLTC:市街地/郊外/高速道路モード)

18.5km/L/22.3km/L/21.0km/L

15.2km/L/17.2km/L/16.5km/L

タイヤサイズ

155/65R14

165/55R15

三菱/eKスペース
三菱 eKスペースカタログを見る
新車価格:
154.8万円179.3万円
中古価格:
19万円218.2万円
三菱/eKクロススペース
三菱 eKクロススペースカタログを見る
新車価格:
165.6万円220万円
中古価格:
102.8万円218万円

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

検索ワード

渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

三菱 eKスペースの最新自動車ニュース/記事

三菱のカタログ情報 三菱 eKスペースのカタログ情報 三菱の中古車検索 三菱 eKスペースの中古車検索 三菱の記事一覧 三菱 eKスペースの記事一覧 三菱のニュース一覧 三菱 eKスペースのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる