三菱 デリカ D:5 新旧比較│唯一無二のオフローダーミニバン、12年分の進化を検証(3/5)
- 筆者: 小鮒 康一
- カメラマン:茂呂 幸正・和田 清志
三菱 デリカ D:5│動力性能比較
搭載されるディーゼルエンジンに関しては、エンジンの型式こそ4N14型と不変だが、AdBlueを使用した尿素SCRシステムを採用し、排気ガスを常時安定して高効率で浄化できるように改良。
さらにエンジン内部のフリクションの大幅低減や燃焼室の変更、次世代燃料インジェクターの搭載などの大幅な改良によって、従来型よりも最大トルクを20N・mも向上させている。
さらに組み合わされるトランスミッションも従来の6速ATから一気に多段化された8速ATを採用。
1速を8%ローギヤード化し、低速域での悪路走破性を向上させながらも、トップギヤを18%ハイギヤード化することで高速巡行時の燃費を改善。8速としたことで、ギヤ比はトータル27%のワイド化に成功しており、低速域から高速域まで気持ちの良い走りができる、まさにオールラウンドミニバンとしての実力をアップさせた形となった。
●進化度数:8点(大幅に進化した)
三菱 デリカ D:5│走行安定性比較
扱い的にはマイナーチェンジとなる新型デリカD:5だが、フロント周りに関しては外観の変更だけにとどまらず、実は内部骨格も大幅に改良がなされている。
歩行者保護性能の向上のため、サイドメンバー前部を20mm後退させたほか、フロントエンドの構造合理化によりボディの骨格変形を抑制し、カウルトップには新たに補強を追加したことでボディ剛性を向上させている。
さらにステアリングにはデュアルピニオンEPSを新採用。低速時の操舵力を30%低減させながらも、タイヤに近い部分にモーターを配置することでステアリングを切り始めるときの剛性感の向上にも貢献している。
また、三菱のお家芸とも言える電子制御4WDシステムには、新たにヨーレイトフィードバック制御を追加。ヨーレイトセンサーから車両の旋回運動を的確に判断し、電子制御カップリングを制御。アンダーステアを低減し、ドライバーの思い通りのハンドリングを実現している。この採用によって、オフロード志向の強かったデリカD:5が、舗装路でも気持ちよく走れる快走ミニバンへと変貌を遂げているのだ。
●進化度数:6点(順当に進化した)
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