2021年度最も売れた輸入車はMINI! SクラスやGクラスなどの高級車も好調の理由とは
- 筆者: 篠田 英里夏(MOTA編集部)
- カメラマン:堤 晋一/BMW/フォルクスワーゲン/メルセデス・ベンツ
日本自動車輸入組合は2022年4月6日、2021年度(2021年4月~2022年3月)の輸入車新規登録台数を発表した。前年度比2.0%減の25万343台で3年連続のマイナスとなった。
ブランド別ではメルセデス・ベンツが7年連続のトップ
ブランド別ではメルセデス・ベンツが同9.1%減の5万551台と販売台数を落としたものの、7年連続でトップ。フォルクスワーゲン(VW)は同8.7%増の3万5011台で2位に浮上した。
3位のBMWは同7.6%減の3万3610台と4年連続のマイナスだった。
モデル別ではミニやゴルフなど豊富なボディタイプを取り揃える車種が上位!
上位10ブランドのうち、前年度の販売実績を上回ったのはVWのほか、ボルボ、ルノー、フィアット。11年連続プラスだったジープや6年連続プラスだったプジョーもマイナスとなってしまった。
また2021年度の外国メーカー車モデル別新規登録台数順位は以下のとおり。
1位:BMW MINI(ミニ) 1万7849台
2位:VW ゴルフ 8947台
3位:BMW 3シリーズ 7849台
4位:ボルボ 60シリーズ 7413台
5位:VW T-Roc 7240台
6位:VW T-Cross 7160台
7位:VW ポロ 6981台
8位:ボルボ 40シリーズ 6319台
9位:ジープ ラングラー 5313台
10位:メルセデス・ベンツ Gクラス 5238台
BMWのミニが前年同期比14.3%減の1万7849台で6年連続の首位となった。この数値は3ドア、5ドア、コンバーチブル、クラブマン、クロスオーバーの合算値となる。
また、2021年6月に全面改良したVW ゴルフが同28.1%増の8947台で前年6位から2位に浮上した。ゴルフも通常のモデルに加えてワゴンのゴルフヴァリアント、ディーゼルモデルのゴルフTDIやスポーツモデル、ゴルフGTIなどラインアップが拡充したものに寄るだろう。
この辺りは国産車にも見られるもので、トヨタ ヤリスやトヨタ カローラなどいくつかのボディタイプが用意されるモデルについては合算となっている。
台数こそ多くはないものの、意外にもメルセデス・ベンツの伸びが大きかった
また上位20車種のうち前年実績を上回ったのは8車種。そのうち最も伸びが大きかったのはメルセデス・ベンツ Sクラスだ。同96.4%増の5078台で6年ぶりに20位以内に入った。同じくゲレンデとも呼ばれるメルセデス・ベンツ Gクラスも同14.9%増の5238台で初のトップ10入りを果たした。
2021年は1年を通じて新型コロナウイルスの影響を受けており、世界的に不安定な状況にある中で、海外旅行などができないといった事情などから、輸入高級車が伸びたといえそうだ。
特に2021年1月に日本発売された7代目となる新型Sクラスは、8年ぶりに全面改修が施された注目のモデル。AR技術を採用したヘッドアップディスプレイや、大型のメインディスプレイなどの先進装備を搭載し、よりプレミアムな一台に仕上がっている。
また、Gクラスも人気の高いモデルで5年落ちの中古車でもなかなか値が下がらないのが特徴。現在の新車の納期は3〜4年程度と長期化しているが、待ってでも新車を買う価値のあるモデルと言えそうだ。
SクラスやGクラスなどには明確にライバルと呼べるモデルが少ないというのも伸びた理由の一つではないだろうか。ユーザーにとって、他には変えられない唯一無二の存在となることがプレミアムカーとして安定して伸びていくための必須条件なのだろう。
今後は電動モデルも多く登場するはず。これからの輸入車事情にも着目していきたい。
【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)】
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