メルセデス・ベンツ E320 CDI ステーションワゴン アヴァンギャルド 試乗レポート(3/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:原田 淳
静寂性は太鼓判を押す仕上がり
その一部改良型の320CDIにあらためて乗った。踏み始めから即座に過給がかかり、シートに身体が押しつけられるような加速Gを感じさせる。レッドゾーンの4,600回転まで、沸きあがる太いトルクを発生し、グイグイと2トン近い車体を引っぱる。なんら気難しさはなく、そして「速い!」と直感させる。
ただし、踏み込んだ際のピックアップとか、回して吹け上がりを楽しむタイプのエンジンとは対極的な味である。それでも、多くの人にとっては、ガソリンエンジンよりもこちらのほうが運転しやすいと感じられるはずだ。いたずらにスロットルのゲインを高めるなど制御を加えて、飛び出し感や違和感を伴う昨今のガソリンエンジンよりも、出力調整をするためのスロットルを持たないディーゼルは、むしろリニアな側面もある。なによりも相当にトルクが太い。だから乗りやすい。
ノイズや振動については、アイドリング状態で車外にいると、さすがに高圧ポンプの音や、爆発力の大きいディーゼル特有の音が出ているが、車内では始動時を除き、運転中はディーゼル車だと聞かされていなければわからないほど。ほとんど気にならないレベルに抑えられている。日本仕様は専用に騒音対策を施したとのことで、それも一役買っているのだろう。静粛性についても太鼓判を押せる仕上がりだ。
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