メルセデス・ベンツ CLクラス 試乗レポート/清水草一(1/2)

メルセデス・ベンツ CLクラス 試乗レポート/清水草一
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お金持ちグルマCLクラスがマイチェンだ!

望みうる最高のラグジュアリー――。メルセデス・ベンツ公式サイトには、CLについてそんな胸キュンなコピーが踊っている。ああ金持ちっていいな……。

確かにCLはスバラシイ。猛烈にスバラシイ。現在のメルセデスは車種が多くなりすぎて、個人的には「これ、ぜんぜんいらないや」みたいなモデルも増えているが、このCLは何もかもが完璧です!

まずデザイン。位置づけとしてはSクラスのスポーツクーペだけど、Sクラスとはまるでカタチが違う。大胆かつシンプルで伸びやかなこのフォルムは、小細工無用の金持ちケンカせず。これだけデカいクルマにドアを2枚だけつける、そのことがまず最高のゼイタクだよね!

中国人はどんな金持ちも4ドアにしか乗らないが、それはやっぱり新興成金だから。真のゼイタクとは、ある種のムダや不便さにある。ちなみにCLは、ボディはウルトラ十分デカいので(全長5メートル以上!!)、リヤシートの広さはまったく十分。大人4人はキッチリ乗れる。

なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?っていう本があったが、それは4ドアじゃないと経費で落とせないから。経費で落とせないCLこそ、貴族趣味なのである。

現行CLが登場したのは約3年前だけど、このたびベースモデルのCL550とCL63AMGがマイナーチェンジを受け、エンジンが変更されました。

CL550は従来の5.5リッターから4.7リッターにダウンサイジングし、いまやメルセデスの得意技となった直噴ツインターボで武装、エコとパワーの両立を目指している。

このエンジン、AMGほどじゃないけど、それでも435馬力/700Nmという、7リッタークラス並みのパワーとトルクを持ちつつ、燃費は従来型に比べて3割向上し、10・15モード燃費8.0km/Lを誇る(誇ってないか)。

一方CL63AMGは、最高級セダンであるS63AMGロングと同様、新開発の5.5リッター直噴ターボを長いノーズの下に積む。544馬力/800Nmと、こっちは8リッター級のパワーで、しかもアイドリングストップ付き(笑)。そのせいもあって、10・15モード燃費はこちらの方が少し上回っておりまして、なんと8.6km/L!!お値段の差が645万円ほどありますので、実質ミジンコ以下の違いですが。本日はゼイタク三昧にも、この2台を比較してみようじゃありませんか。

まずベースモデルの550ブルーエフィシェンシーから。

うひ~~~~っ、発進して3メートルで体がトロけそうになった。これはイイ!何がいいって乗り心地が最高!樹齢1000年のオーク材の上に最高級羽毛ふとんを敷いたような……とでも言おうか。ひたひたと当たりはソフトでありながら、それが超絶な剛性感に裏付けされている感触だ。

少し速度を上げると、乗り心地の良さも加速度的に上昇し、「はあ~~~~っ、いいよ~~~~っ、吸いついてるよ~~!」と、気味の悪いうめきがもれる。もらしそうなほどの良さ。

なんせこのクルマ、電子制御アクティブサスペンションに、横風補正機能まで付いている。横風が吹くとそれを感知して車体を常にフラットに保つとな!ヘッドライトをハイビームにしておくと、対向車を自動的に検知してロービームに戻したり……。この至れり尽くせりぶり、呆れるっきゃない!

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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