マツダ 新型CX-80の価格は394万3500円〜! サイズや内装も合わせて解説
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:木村 博道/小林 岳夫/堤 晋一/茂呂 幸正
2024年4月に欧州で初公開されたマツダ 新型CX-80は、3列シート仕様のフラッグシップSUVです。
この記事では、販売店より入手した新型CX-80の日本仕様の価格をご紹介。あわせて、サイズ、内装などを、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが解説します。
マツダ 新型CX-80とは?
マツダ 新型CX-80は、CX-60をさらに上回るLサイズで、3列シートを標準装備したマツダの最上級SUVです。以前販売されていたCX-8の後継車種という位置づけです。
新型CX-80はCX-60と共通の後輪駆動のプラットフォームを採用し、エンジンを縦置きで搭載。後輪駆動をベースとして2WDと4WDが選択可能です。
新型CX-80のボディサイズ
車種 | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース |
---|---|---|---|---|
CX-80 | 4,990mm | 1,890mm | 1,710mm | 3,120mm |
CX-60 | 4,740mm | 1,890mm | 1,685mm | 2,870mm |
新型CX-80のボディサイズは、全長4,990mm、全幅1,890mm、全高1,710mm(ルーフレールを含む)、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)3,120mmです。
同じプラットフォームを使う2列シートのCX-60と大きさを比較してみましょう。新型CX-80はCX-60に比べ250mm長く、全高は25mm高く、ホイールベースは250mm長くなります。全幅は同じ数値です。
新型CX-80のホイールベースの数値は、北米で販売されている共通のプラットフォームを使ったCX-90と等しく、日本車の中では長めなホイールベースです。
CX-60を起点に考えると、全長とホイールベースを250mm拡大して、荷室に3列目シートを組み込んだ車種が新型CX-80ということになります。
CX-8との違い
車種 | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース |
---|---|---|---|---|
CX-80 | 4,990mm | 1,890mm | 1,710mm | 3,120mm |
CX-8 | 4,900mm | 1,840mm | 1,730mm | 2,930mm |
続いてCX-80の前身となるCX-8とボディサイズを比較してみましょう。
CX-8のボディサイズは全長が4900mm、全幅は1840mm、全高は1730mm、ホイールベースは2930mmでした。
CX-80は全長が90mm、ホイールベースは190mm伸びており、大きくなった印象を受けますが、車内の広さに大差はありません。
開発者は「CX-80の場合、(後輪駆動の採用により)ボンネットの部分がCX-8よりも約100mm長い」と述べており、全長の拡大分はボンネットに費やされています。
新型CX-80の価格
新型CX-80の価格は394万3500円〜712万2500円です。こちらはマツダの販売店に独自調査を行ったものです。
グレード別の価格は以下の通りです。
XD(直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボ)の価格
グレード(乗車定員) | 2WD | 4WD |
---|---|---|
XD(7人) | 394万3500円 | 418万円 |
XD Sパッケージ(7人) | 438万3500円 | 462万円 |
XD Lパッケージ(6人) | 477万9500円 | 501万6000円 |
XD エクスクルーシブモード(7人) | 507万1000円 | 530万7500円 |
XD エクスクルーシブモード(6人) | 521万4000円 | 545万500円 |
XDハイブリッド(直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボ+マイルドハイブリッド)の価格
グレード(乗車定員) | 4WD |
---|---|
エクスクルーシブスポーツ(7人) | 582万4500円 |
エクスクルーシブスポーツ(6人) | 596万7500円 |
エクスクルーシブモダン(6人) | 596万7500円 |
プレミアムスポーツ(6人) | 632万5000円 |
プレミアムモダン(6人) | 632万5000円 |
直列4気筒2.5L PHEV(プラグインハイブリッド)の価格
グレード(乗車定員) | 4WD |
---|---|
Lパッケージ(6人) | 639万1000円 |
プレミアムスポーツ(6人) | 712万2500円 |
プレミアムモダン(6人) | 712万2500円 |
新型CX-80の発表日
新型CX-80の発表日は、2024年10月10日(木)です。販売店では以下のように説明されています。
「CX-80の正式発表日に先立ち、9月5日(木)からはクローズド予約(正式発表前の非公式な予約受注)を行っています。」とのことです。
10月1日(火)になると販売店にCX-80が届くため、実車を確認することができます。10月10日の発表後は、試乗車が置かれるようになるため、試乗も可能です。
新型CX-80の外観(エクステリア)
新型CX-80とCX-60の外観の違いはほとんどなく、フロントグリルやインパネなどの形状は基本的に共通です。
相違点はフロントグリルの向かって右側に装着された装飾(3本の爪)です。
新型CX-80の外観は、後輪駆動らしくボンネットが長くなって伸びやかな印象です。特に横方向からの見栄えは美しいです。
新型CX-80の内装(インテリア)
インパネ
新型CX-80の内装を見ると、インパネの基本デザインはCX-60と同じです。
CX-60とデザインは近いですが、新型CX-80のインパネでは水平基調によってワイド感が強調され、インパネの中央から助手席の前側にかけて、横長の装飾パネルも備わります。
ATレバーの収まるセンターコンソールも幅が広く、後輪駆動らしく位置が高いです。
上級グレードのインパネには、CX-60と同様、ステッチに掛け縫いの手法も使われ、上質な印象となっています。
新型CX-80のシート
新型CX-80で最も注目される機能は居住性です。
2列目のシートは、7人乗りのベンチタイプと6人乗りのセパレートタイプに大別されます。
上級グレードの2列目シートはセパレートタイプで、中央にはセンターコンソールボックスも備わり、上級ミニバンのような豪華な仕上がりです。
新型CX-80に身長170cmの大人6名が乗車した場合の余裕も十分です。
2列目に座る乗員の膝先空間を握りこぶし1つ半分に調節した場合、3列目の膝先にも握りこぶし1つ少々分の余裕ができます。この足元空間に広さはCX-8と同程度です。
新型CX-80では、3列目シートの着座位置がCX-8よりも少し下がりました。これによって若干ではありますが、2列目の下側に足が収まりやすくなりました。
実際に座ってみましたが、新型CX-80はCX-8と同じく国産SUVの3列目シートでは最も快適だと感じます。CX-8のユーザーが新型CX-80に乗り換えても、窮屈に感じる心配はないでしょう。
くわえて、シートの座り心地は、1〜3列目のすべてにわたり新型CX-80になって向上しています。
ミニバンとのシート比較
3列目シートの居住性をミニバンに当てはめると、コンパクトサイズのホンダ フリードやトヨタ シエンタよりも少し窮屈です。
新型CX-80はSUVなので、多人数乗車を目的に開発されたミニバンには負けますが、片道1時間程度の距離であれば、多人数乗車でも快適に移動できるでしょう。
新型CX-80の3列目を使わない時は、2列目を後端までスライドさせると、足元空間が大幅に広がって一層快適に座れます。この時には、前述の測り方で、2列目に座る乗員の膝先空間は握りこぶし3つ分に達します。
新型CX-80のパワーユニット
.
パワーユニット | 駆動方式 |
---|---|
直列4気筒2.5L ガソリン PHEV | 4WD |
直列6気筒3.3L クリーンディーゼルターボ | 2WD・4WD |
直列6気筒3.3L クリーンディーゼルターボ マイルドハイブリッド | 4WD |
新型CX-80のパワーユニットは、CX-60と基本的に共通で、直列6気筒3.3Lのクリーンディーゼルターボ、ディーゼルのマイルドハイブリッド搭載車、直列4気筒2.5Lガソリンエンジンを使ったPHEV(プラグインハイブリッド)の3つです。
CX-60にはベーシックな2.5Lノーマルガソリンエンジン車も用意されていますが、新型CX-80には設定されません。
新型CX-80の駆動方式は、ベーシックなディーゼルには後輪駆動の2WDと4WDが設定されています。マイルドハイブリッドとPHEVは、CX-60と同様に4WDのみです。
新型CX-80のグレード構成
新型CX-80のグレードはディーゼルとマイルドハイブリッドが各4種類、PHEVは3種類です。
装備とグレードの傾向は、ディーゼルはベーシックと中級で、マイルドハイブリッドとPHEVは、中級から上級グレードを中心に設定されています。
新型CX-80のグレードと2列目シートの組み合わせは複雑です。
XDのシートの組み合わせ
グレード(乗車定員) |
---|
XD(7人) |
XD Sパッケージ(7人) |
XD Lパッケージ(6人) |
XD エクスクルーシブモード(7人/6人) |
例えばXDグレード(ディーゼル)の場合、XDとXD Sパッケージの2列目は7人乗りのベンチシートだけですが、XD Lパッケージは6人乗りのセパレートシートのみです。
それが上級のXD エクスクルーシブモードになると、7人乗りが復活して、6人乗りと7人乗りの選択が可能になります。
XDハイブリッド・PHEVのシートの組み合わせ
XDハイブリッド(直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボ+マイルドハイブリッド)
グレード(乗車定員) |
---|
エクスクルーシブスポーツ(7人/6人) |
エクスクルーシブモダン(6人) |
プレミアムスポーツ(6人) |
プレミアムモダン(6人) |
直列4気筒2.5L PHEV(プラグインハイブリッド)
グレード(乗車定員) |
---|
Lパッケージ(6人) |
プレミアムスポーツ(6人) |
プレミアムモダン(6人) |
XDハイブリッド(ディーゼルのマイルドハイブリッド)では、XDハイブリッド エクスクルーシブスポーツは7人乗りと6人乗りを選べますが、XDハイブリッド エクスクルーシブモダンは6人乗りだけです。
これ以上のグレードは6人乗り専用となります。
6人乗りのシート仕様
そしてXDエクスクルーシブモード、マイルドハイブリッドとPHEVの6人乗りは、センターコンソールボックスを中央に設置した豪華な仕様です。シートの調節も電動式になります。
新型CX-80の選び方、買い得グレード
新型CX-80の装備と内装、グレードの組み合わせはCX-60に準じます。
CX-60と比べた時の新型CX-80の価格アップは概算で約55万円です。
この金額で、新型CX-80では全長とホイールベースが拡大され、3列目シートが加わると考えれば良いでしょう。以前のCX-5とCX-8の実質的な価格差も約53万円でした。
また従来型のCX-8 XD Lパッケージ(438万2400円/2WD)と新型CX-80の同グレードを比べると、CX-80は約40万円値上げされています。
ベストグレードはXD Lパッケージ
新型CX-80は上級SUVですから、2列目シートもセパレートタイプになるXD Lパッケージ(477万9500円/6人乗り/2WD)が買い得ベストグレードです。
このグレードの金額はトヨタの人気SUVであるハリアーであればハイブリッドZ(462万8000円)に相当します。
つまり新型CX-80の買い得グレードは、ハリアーの上級グレードと同等です。CX-80の価格は全般的に高めで、XD Lパッケージでも、国産SUVの上級価格帯に相当します。
豪華で充実した装備を求める場合はXD エクスクルーシブモードがおすすめ
そしてXD エクスクルーシブモード(521万4000円/6人乗り/2WD)になると、装備がさらに充実して、2列目の中央にはセンターコンソールボックスも装着されます。豪華さを味わいたいユーザーには、XD エクスクルーシブモードもおすすめできます。
XDの安価なグレードはおすすめできない
新型CX-80を選ぶ際におすすめできないのは、XD(394万3500円/7人乗り/2WD)とXD Sパッケージ(438万3500円/7人乗り/2WD)です。
価格は安いですが、せっかく新型CX-80という最上級モデルを選ぶならば、インパネの素材などもコストを抑えた仕上がりとなるため推奨できません。
XDハイブリッドやPHEVは他社モデルと比べると割高
マイルドハイブリッドとPHEVは、4WD専用になることもあり、価格がさらに高くなります。
XDハイブリッド エクスクルーシブスポーツ&モダン(596万7500円/6人乗り/4WD)は、XD エクスクルーシブモードの6人乗り/2WDに比べると、マイルドハイブリッド+4WD+充実装備によって75万3500円の上乗せです。
CX-60でも、マイルドハイブリッドの正味価格は39万6000円に設定されています。
トヨタのフルハイブリッドが、安価な車種では35万円の上乗せで搭載されることを考えると割高です。
PHEVも同様に価格が高いため、おすすめできません。
マツダ 新型CX-80のレビュー、良い点、気になる点
外観 | 5.0 | ★★★★★ |
---|---|---|
内装・居住性 | 4.0 | ★★★★☆ |
走行性能 | 4.0 | ★★★★☆ |
運転のしやすさ | 2.0 | ★★☆☆☆ |
乗り心地 | 4.0 | ★★★★☆ |
燃費 | 3.0 | ★★★☆☆ |
価格の割安度 | 2.0 | ★★☆☆☆ |
良い点、気になる点まとめ
〇新型CX-80の良い点
・国産SUVの中では3列目のシートは最も広くて快適
・ホイールベースの拡大により、直進安定性と乗り心地が良好
・内外装が上質で、プレミアム感覚が味わえる
×新型CX-80の気になる点
・全長が約5mと大きいため、街中や駐車場で気を使う
・新型CX-80はボンネットが長く、空間効率ではCX-8よりも不利
・価格帯が500~800万円と高額
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【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:木村 博道/小林 岳夫/堤 晋一/茂呂 幸正/マツダ】
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