マツダ CX-5 新型車解説 ~フルスカイアクティブとクリーンディーゼルで新境地を切り開く~(2/2)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:島村栄二/オートックワン編集部
強大なトルクを発生するクリーンディーゼル
搭載エンジンは直列4気筒でガソリンが2.0L、ディーゼルが2.2Lとされる。ガソリンエンジンはアクセラに搭載されたのと同じ直噴仕様で、114kW/196N・mのパワー&トルクを発生する。
注目されるのはクリーンディーゼルは2.2L 直噴ターボ仕様で129kW/420N・mのパワー&トルクを発生し、V型8気筒エンジン並みの強大なトルクを発生。しかも世界一厳しいとされる日本のポスト新長期規制にも対応するというスグレモノ。
このエンジンを搭載した2WD車のXDは、ガソリンと同様にアイドリングストップ機構を装着することなどによって、JC08モードで18.6km/L、10・15モードでは20.0km/Lという全SUVの中で最も優れた低燃費を実現している。
圧縮比をディーゼルとしては極めて低い14.0とすることで効率的な燃焼を実現し、高価な触媒を使った後処理をすることなく優れた環境性能を実現したのも注目点で、これまでのディーゼルのイメージを変えるような存在といえる。
トランスミッションは全車にSKYACTIV-DRIVEの電子制御6速ATが組み合わされる。ほとんど全域でのロックアップを実現した伝達効率に優れたATだ。
ディーゼル車の価格はやや高めの印象も
グレード構成はガソリン車が20Cと20Sの2グレード。20CはFF車のみの設定で、20SにはFFと4WDの両方が設定されている。ディーゼル車はXDとXDLパッケージの2グレードで、それぞれにFFと4WDの両方がある。合計7タイプのバリエーションとなる。
ガソリン車の20Cは205万円と価格は安いものの装備も貧弱でお勧めしにくいグレード。ガソリン車を買う場合には20Sを選ぶことになる。20Sには本革巻きステアリングホイール&シフトノブ、分割可倒式リアシート、アドバンスドキーレスエントリーシステムなどが装備されるほか、安全装備のスマート・シティ・ブレーキ・サポートやリア・ビークル・モニタリング・システム、アダプティブ・フロント・ライティング・システムなどをオプション装着することができる。
ディーゼル車のXDとXFLパッケージの違いは、スマートシティ・ブレーキ・サポート、リア・ビークル・モニタリング・システム、クルーズ・コントロール、ディスチャージヘッドライト、レインセンサーワイパー、BOSEサウンドシステムなど。これらの装備がXDではオプション設定で、Lパッケージには標準となる。
価格は20SのFF車が220万円で、4WD車は241万円の設定。2.0Lエンジンを搭載したSUVとしてはまずまずの価格設定といえる。
ディーゼル車はXDの2WD車が258万円で4WD車が279万円だから、ガソリン車に対して38万円高の設定。ちょっと価格差が大きすぎる感もあるが、コモンレール方式の直噴インタークーラー付きターボなので、この価格差は止むを得ないのかも知れない。
豪華装備のLパッケージはXDに対して40万円高の298万円(FF)と319万円(4WD)の設定。前述の安全装備などが追加されるためだが、価格帯が高くなりすぎている感もある。
なぜなら、カーナビが装備されていないので、さらに追加してオプション装着せねばならず、さらに予算が膨らむからだ。賢くCX-5を買うなら、XDをベースにディスチャージパッケージやセーフティクルーズパッケージなど、必要に応じてオプションを選択するのが良いだろう。
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