新車を買って後悔しないために行いたい! ディーラーでできるチェックポイント6つ【試乗車編】

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:雪岡直樹/島村栄二/和田清志/日産/SUBARU/MOTA編集部
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クルマを購入するというイベントは人生にとっても大きな選択のひとつ。新型車をディーラーで試乗する方法として、駐車している状態で確認できる内容は、展示車を使うと合理的だ。その内容は前編で述べたので、今回は試乗車を使った運転感覚、走行性能、乗り心地のチェック方法をガイドしたい。

目次[開く][閉じる]
  1. 最初に運転した時の違和感が大事
  2. チェック項目1:販売店から出るところから乗り心地が確認できる
  3. チェック項目2:アクセルを踏んだ時の応答性をチェック
  4. チェック項目3:ハイブリッドや電気自動車の場合はとくにブレーキ性能に違和感を感じることも
  5. チェック項目4:操舵感や走行安定性はバイパスなどでよくわかる
  6. チェック項目5:エンジンの騒音など走行時に車内で聞こえる音を確認する
  7. チェック項目6:縦列駐車や車庫入れではバックモニターや視認性も確認したい

最初に運転した時の違和感が大事

ディーラーの試乗は、セールスマンが同乗して行う。販売店の周囲を15分ほど走るだけだが、得られる情報は多い。

試乗に先立って、任意保険の加入をセールスマンに尋ねておく。大半の試乗車が車両保険にも加入しているが、念のために確認したい。

試乗を開始したら、特に最初の5分間は運転に集中する。クルマに慣れたドライバーは、時間が経過すると運転の仕方を無意識で車両に合わせてしまうから、運転開始直後に生じた違和感を見逃さないようにしたい。

チェック項目1:販売店から出るところから乗り心地が確認できる

短時間の試乗だから、気を抜かず常にクルマをチェックする。まず乗り心地は、販売店の敷地から一般道路に出る時の段差で分かる。前後輪が道路に接地した瞬間、不快な突き上げ感が生じないかを確認する。

車道に出て試乗を開始したら、路上の細かなデコボコをどのように伝えるかをチェックする。マンホールの蓋を乗り越えた時も、乗り心地の優劣が分かる。

チェック項目2:アクセルを踏んだ時の応答性をチェック

試乗を開始したら、周囲の交通の流れに合わせて加速する。この時にはアクセルペダルの踏み方と、速度の高まり方をチェックする。アクセルペダルを踏んだ時に、それに見合う加速が行われているか。加速が鈍く感じたり、アクセルペダルを踏み増した時、わずかな時間差を経てから加速が始まることがないかを確かめる。

後者の場合、アクセルペダルを踏み増した後で速度が予想外に高まり、ペダルを戻す操作をする車種もある。このようなクルマは運転しにくい。

交通量が少ない2車線道路などでは、時速50kmあるいは60kmで、定速走行すると良い。アクセルペダルの踏み方が一定なのに、速度が微妙に増減して一定の速度を保てない車種は、小排気量のCVT(無段変速AT)車やターボ車に多い。運転がしにくいので注意する。

可能であれば、日常的に使っている登り坂も試す。アクセルペダルを深く踏み増すことなく登れるか、速度を一定に保ちながら、平坦路から登坂路に差し掛かった時の挙動もチェックする。

チェック項目3:ハイブリッドや電気自動車の場合はとくにブレーキ性能に違和感を感じることも

下り坂では、アクセルペダルを戻したり、フットブレーキを使った時の制動感覚を確認する。特にノーマルエンジン車のユーザーがハイブリッド車や電気自動車を運転する場合、エコモードなどを使って走ると、アクセルペダルを戻した時の制動力が強く感じることがある。

ブレーキペダルの操作に違和感が生じる場合もあるから注意したい。

ノーマルエンジン車でも、ブレーキの確認は大切だ。交差点の手前でブレーキを作動させた時、ねらい通りの位置に停車できるか、ペダルを踏み始めた時の制動力が予想以上に高かったり、逆に低すぎたりしないかを確認する。

チェック項目4:操舵感や走行安定性はバイパスなどでよくわかる

操舵感は交差点の右左折でも確認できる。ステアリングホイールを回した時、ドライバーの操舵に忠実に車両が向きを変えるか確かめる。操舵に対する反応やタイミングが鈍かったり、逆に機敏過ぎて神経質に感じられるクルマもある。操舵に対する反応は、疲労にも影響を与える大切な運転感覚だ。

走行安定性も、交差点の右左折で何となく分かるが、バイパスや高速道路に乗り入れるとさらに正確に把握できる。直進している時の安定性に加えて、車線変更などを行い、操舵した時の安心感も確認する。特にバイパスや高速道路の本線に合流するまでのランプウェイでは、走行安定性の優劣が分かりやすい。

チェック項目5:エンジンの騒音など走行時に車内で聞こえる音を確認する

試乗している時は、乗り心地、動力性能、走行安定性などと併せて、騒音も同時に確認する。

エンジン音は、登坂路などに差し掛かると大きくなりやすい。3気筒エンジンは、4気筒に比べて粗さも目立ちやすい。ハイブリッド車では、モーター駆動のみで発進した時は静かでも、その後にエンジンが始動して騒音が一気に高まることがある。タイヤが路上を転がる時に発する騒音も快適性を左右する。

電気自動車やハイブリッド車は、概して騒音が小さいが、そのために耳障りに感じることも多い。例えば就寝している時、昼間は気付かなかった時計の音が、妙に耳障りに感じることがあるだろう。これと同じで、静かな電気自動車やハイブリッド車では、エンジンを積んだクルマでは気付かなかった音が目立ってしまう。つまり静かというより、静かに感じさせるクルマ造りが大切だ。そこもディーラー試乗で確認したい。

チェック項目6:縦列駐車や車庫入れではバックモニターや視認性も確認したい

ディーラー試乗で見落としやすいのが、縦列駐車や車庫入れだ。路上のコインパーキングや販売店の駐車場を使って確認したい。

縦列駐車や車庫入れを行うと、小回りの利き、徐行のしやすさ、前編のチェック項目:3で述べた側方や後方の視界も確認できる。

この時にはバックモニターなどの視認性や使い勝手もチェックできるが、モニター画面だけを見て後退すると、左右方向から近付く歩行者や障害物を見落としやすい。ドライバーの視覚で、側方や後方を直接確認することも大切だ。

試乗においても男女で感じ方が異なるケースがある

展示車や試乗車のチェックを終えたら、その印象を必ずメモしておく。そして目当ての車種と併せて、同じカテゴリーに属するライバル車も乗り比べると、メリットとデメリットが一層良く分かる。週末などを利用して、ライバル車同士を集中して乗り比べたい。

ファミリーカーを購入する時は、家族全員で試乗する。妻と夫では、同じ車種を運転しても感じ方が異なるからだ。自分が運転する時は、後席の乗り心地を家族に確認してもらう方法もある。

そして試乗と併せて見積書も入手して、家族全員で購入するクルマを決めたい。可能であれば、欲しい車種と同様のレンタカーを借り出して、ドライブに出かけるとさらに入念な試乗が行える。

このように慎重に選んだ愛車なら、長く大切に使えるだろう。それが愛車にも、環境にも優しいクルマの使い方だ。試乗する時から、クルマを大いに楽しんでほしい。

【筆者:渡辺 陽一郎】

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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