“軽スポーツカー”ホンダ S660の魅力とは!?│新米編集部員がMT車に乗ってみた!
- 筆者: 磯田 薫
- カメラマン:オートックワン 編集部・ホンダ
新米編集部員、MTのホンダ S660でドライブに出発!
「Iくん、いまMTのS660を借りているんだけど、乗ってみない?」
オートックワンに在籍する私、新米編集部員Iがそんな誘いを受けたのは、暮れも押し迫ったとある日の夕方。声の主は先輩のM副編集長でした。これまでホンダ S660に乗ったことはなかったので、なかなかどうして魅力的なお誘いです。
しかし、自動車メディアの片隅で働く立場でありながら、MT車を運転した経験が少ない私。S660をしっかり乗りこなせるでしょうか。
「Iくんも編集部員としてS660を知っておかなきゃ! 何事も経験、経験!」という言葉を背中に受けながら、私は駐車場へ向かうエレベーターに乗り込んだのでした。
ホンダ S660とは
2015年に発売したホンダの軽自動車オープンカーです。ミッドシップエンジンの採用・2人乗りという特徴から分かるように、軽自動車でありながらスポーツ性・趣味性の高い1台となっています。
往年の名車「ビート」を連想する人も多いのでは?
新米編集部員的S660の特徴1:シフトレバーやサイドブレーキが腰より高い
実際にS660を見ると、背の低いぺったんこなボディがやはり印象的。シートへ座るとき、着座位置が低いこの車は脚さばきのテクニックまでドライバーに要求します。
これにカッコよく乗れればモテるだろうな、いや、モテる男はそもそもカッコよく乗り込める資質があるのか…と考えていると“鶏と卵”が頭をグルグルし始めました。それらが脳内で加熱され妄想親子丼ができ始めたそのとき、私はS660の内装で“只者ではない”ポイントを見つけてしまったのです。
それは、シフトレバーやサイドブレーキの位置が“高い”こと。着座位置が低いので相対的に高く見える、というだけなのですが、シフトノブを触る時は腕を下ろすというイメージだったので、反対に腕を上げて操作するというアクションに驚いてしまいました。
それもあってか、発進時に3回もエンストさせてしまった私。原因はサイドブレーキをかけながら発進しようとしていたから、でした。焦り過ぎでしょ…。
新米編集部員的S660の特徴2:カップホルダーが1個しかない
副編集長M氏を助手席に乗せ、いざ出発…と行きたかったところですが、出発前にちょっとしたトラブルが。ふたりとも缶ジュースを持っていたにも関わらず、ドリンクホルダーが1個しか無いのです。確かにタイトな室内ですが、人数分のドリンクホルダーさえ無い尖った室内には少し驚いてしまいました。
これ、親しい間柄でない2人が乗った場合、どうすればいいのでしょうか。いや、あるいはカップルのような関係性の2人なら、ドリンクホルダーは1つで十分でしょ、というメーカーからのメッセージでしょうか。
※M副編集長「違います」
とはいえ、置けないものは仕方ありません。片方の缶を空にして、私の試乗はやっと始まったのです。
新米編集部員的S660の特徴3:とにかく楽しい
市街地を抜け、信号の少ない道を流していると“スポーツカーの運転は楽しい”という当たり前の感想を抱きました。視線の低さから、体感スピードが速く感じられます。ハンドルのしっかり感も申し分ありません。クラッチもそれほど重くなかったので、ギアチェンジも楽しくできました。
窓越しに大きなトラックを見上げるのは、小人になった気分で少しワクワク。オープンの状態にしてもよかったかも、なんて思いながらずっとニヤニヤが止まりません。
走りながら感じたのは、この車がいかに“楽しさ”へ特化した作りになっているかということでした。荷物スペースもほぼ無いのですが、それだけ割り切って作られたということ。何でもできる車に仕上げられていたら、もはやS660ではなくなってしまうのかもしれませんね。
カップホルダーが1個しか無いということは、この車は1人乗りが基本なのかも。その場合助手席は「荷室」になるので、これなら辻褄があいますね。
この車なら1人でも楽しいですし、本気で楽しみたいなら、むしろ“ぼっち”推奨なのかもしれません。
2人の距離を縮めるS660!?
ここまで“S660は1人乗りが基本説”を綴った私ですが、「この車は実はデート向けなのでは?」という疑念も捨てきれていません。
それは、シフトチェンジをする度に手が助手席に座るM副編集長の膝に当たること。M副編集長はご自分の荷物と、私の荷物(重くてスミマセン! )を抱えていたので、当たってしまうのも仕方ありません。とはいえ、“これが異性”だったら? なんて考えてしまうのも正直なところ。
カップホルダーに置いた1つのジュースを2人で飲んでもいいんじゃないですか!? それが出来る人ならね!? …と悶々とした思いを抱えながら、帰路へ着くのでした。
[筆者:磯田 薫(オートックワン編集部) / 撮影:オートックワン編集部・ホンダ]
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