ホンダ 新型プレリュードで「大人の週末旅行」は快適? 専門家が気になる実用性14項目を徹底チェック

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:森山 良雄/茂呂 幸正/MOTA編集部
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ホンダから新型ハイブリッドクーペとして復活した「新型プレリュード」。流麗なデザインに惹かれつつも、「実際の使い勝手」を気にしている方も多いでしょう。

例えば、「子育てが一段落し、夫婦でゆっくり週末旅行を楽しみたい」といったシチュエーションでは、長距離運転の快適性や荷室の広さ、旅先での取り回しが重要です。

この記事では、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが、まさにそうした「大人の週末旅行」という視点で実用性を試乗チェック。7段階評価で「良い点・悪い点」を辛口レビューします。

目次[開く][閉じる]
  1. ホンダ プレリュードとは?
  2. 街中での運転のしやすさ
  3. 峠道の走りやすさ
  4. 高速道路における運転感覚
  5. 車庫入れする時の扱いやすさ
  6. メーターの見やすさ
  7. ATシフト操作やスイッチの操作性
  8. ペダルの操作性
  9. 前席の居住性
  10. 前席の運転姿勢の調節機能
  11. 前席の乗降性
  12. 後席の居住性
  13. 後席の乗降性
  14. 収納設備の使い勝手
  15. 荷室の広さと使い勝手
  16. 専門家による採点と評価まとめ
  17. 総合評価

ホンダ プレリュードとは?

ホンダ 新型プレリュードは、2025年9月に発売された3ドアクーペです。

1978年から2001年にかけて、ホンダは同じ車名のクーペを販売しており、車種の復活と捉えることもできます。

新型プレリュードのボディサイズは、全長が4520mm、全幅は1880mmと少しワイドで、全高は1355mmです。狭いながらも後席が備わり乗車定員は4名です。

パワーユニットやプラットフォームは、基本的に5ドアハッチバックのホンダ シビックと共通です。

直列4気筒2.0Lエンジンが主に発電を行い、モーターが中心に駆動するハイブリッドのe:HEVを搭載しています。WLTCモード燃費は23.6km/Lです。

駆動方式は前輪駆動で、グレードは1種類のみになり、価格は617万9800円です。

今回はそんな新型プレリュードを試乗してわかった運転感覚、実用性を中心にチェックしましょう。

それぞれの項目別の評価は「かなり優れている/優れている/少し優れている/普通/少し不満/不満/かなり不満」の7段階で示しています。

街中での運転のしやすさ

評価:少し不満

クルマの運転で、実用面で最も大切なのは市街地走行です。新型プレリュードの全長は4520mmなので、特に長くないですが、全幅は1880mmに達しているため、トヨタの大型ミニバンであるアルファード&ヴェルファイアよりも30mmワイドです。狭い路地の通行にも気を使います。

新型プレリュードの最小回転半径は5.7mなので、アルファードの5.9mには達しませんが、ミドルサイズのSUVであるトヨタ ハリアーのような全長が4700mmを超える車種と同等です。路地の右左折は不得意です。

新型プレリュードの視界は、前方は見やすいですが、サイドウィンドウの下端が高めで側方は見にくく感じます。

また新型プレリュードの乗り心地は、ショックアブソーバーの減衰力が下がるコンフォートモードにしても、街中では少し硬く感じます。

これらのポイントが気になる方は、販売店の試乗車で狭路を走って右左折の確認や、路面の荒れた街中を時速40km前後での走行時の乗り心地を確認しましょう。

峠道の走りやすさ

評価:かなり優れている

峠道では、新型プレリュードは旋回軌跡を拡大させにくく、適度に良く曲がって走りやすいです。下り坂のカーブで危険を避ける操作をしても、後輪の接地性が高く、挙動を乱しにくいです。峠道の走りは得意です。

高速道路における運転感覚

評価:かなり優れている

シビックと共通化された新型プレリュードのボディは、剛性が高く、足まわりは高性能なシビックタイプRに準じた造りです。しかも全幅が1880mmとワイドで、全高は1355mmと低いため、重心も下がって直進安定性が優れています。

例えば高速道路のトンネルの出口などで横風にあおられた時も、新型プレリュードは進路を乱されにくいです。また走行速度が高まると、乗り心地の硬さも気になりません。

ステアリングやペダル操作を軽減する運転支援機能も採用され、高速道路の巡航も快適です。

車庫入れする時の扱いやすさ

評価:かなり不満

新型プレリュードはボディ後端のピラー(柱)が寝かされているので、斜め後方や真後ろの視界は良くありません。車庫入れや縦列駐車では、死角を補うモニターに頼ることになります。

ただしモニターの可視範囲は、ドライバーが後方を振り返った時に得られる肉眼の視野よりも狭いです。

後退時には、モニターに頼らず後方を振り返って肉眼で見ることが大切ですが、新型プレリュードでは後方がピラーに遮られてほとんど見えません。今はこのような後退時に危険を伴うクルマは新型プレリュードに限らず増えています。

また新型プレリュードは、前述の通り最小回転半径が5.7mで、小回りの利きも良くはありません。購入時には縦列駐車や車庫入れを行って、不満がないか確認しましょう。

メーターの見やすさ

評価:かなり優れている

新型プレリュードに採用される10.2インチのデジタルグラフィックメーターは、解像度も高く、クッキリと見やすいです。コンフォートやスポーツといったドライブモードに応じて、表示される内容やデザインも変わります。

新鮮な見栄えを追求しながら、それが行き過ぎて違和感を生じさせることはありません。適度な抑制も利かせて、実用性とのバランスが優れています。

ATシフト操作やスイッチの操作性

評価:少し優れている

新型プレリュードでのシフト操作は、ホンダのハイブリッドや電気自動車に多いタイプです。ドライブモードやパーキングレンジをプッシュボタンで操作しますが、慣れないと戸惑います。

また使用頻度の高いエアコンのスイッチは、タッチパネル式ではなく、物理スイッチと呼ばれる従来からの操作方法が採用されています。

タッチパネルは振動や揺れが生じている運転中は操作しにくいですが、物理スイッチなら適切に扱えます。

シフトの操作性はいま一歩ですが、そのほかのスイッチは、手応えなども含めて使い勝手が優れています。

ペダルの操作性

評価:かなり優れている

エンジンを横置きに搭載した前輪駆動車は、構造的に、ペダルと前輪が収まるホイールハウスが近付きます。

新型プレリュードも、真横から撮影した外観写真を見ると、同じクーペスタイルの日産 フェアレディZなどに比べてフロントウィンドウと前輪が近いです。そうなると、ペダルと前輪が収まるホイールハウスも近付きやすくなります。

この時に問題になるのがペダル配置です。日本車は右ハンドルなので、ホイールハウスを避けて、ペダル配置が左側へ寄りやすいです。

しかし新型プレリュードは、エンジンを横向きに搭載する前輪駆動車でありながら、ペダル配置は自然な印象です。左に寄っている違和感はありません。

前席の居住性

評価:かなり優れている

運転を楽しむクルマにとって前席は大切です。

新型プレリュードの運転席は、腰から大腿部をしっかりと支えて、長距離を移動する時も快適です。背もたれと座面がドライバーを確実にホールドするため、峠道などを走る時も着座姿勢が乱れにくいです。

前席の運転姿勢の調節機能

評価:かなり不満

新型プレリュードの価格は600万円を超えますが、運転席を含めて調節機能は手動式です。新型プレリュードは走行性能だけを追求したスポーツカーではなく、快適性も兼ね備えた高価なスペシャルティクーペなので、助手席も含めて電動調節機能は不可欠と考える方もいるのではないでしょうか。

ちなみに開発者は「車両重量の増加を抑えるために、電動調節機能ではなく手動式を採用しました」と返答しています。

しかし新型プレリュードのようなスペシャルティクーペは、重量の軽減ではなく快適性の向上を重視すべきと考えます。今後の改良に期待したいです。

前席の乗降性

評価:普通

新型プレリュードの着座位置の高さは、シビックと基本的に共通です。そのために乗降時の腰の移動量が少ないです。

新型プレリュードの全高は1355mmなので、シビックに比べて60mm低いですが、同じクーペスタイルのトヨタ GR86よりは45mm高いです。クーペの中では乗降性が優れ、すべてのカテゴリーで捉えても悪くはありません。

後席の居住性

評価:不満

新型プレリュードの後席の居住性は良いとは言えません。

身長170cmの大人4名が乗車すると、頭部がリアウィンドウに触れて、膝先空間もほとんど確保されません。床と座面の間隔が乏しいために、膝は大きく持ち上がります。

それでも2ドアクーペでは広い部類です。同乗者が小柄なら、著しく窮屈にはならないでしょう。一般的に後席に同乗者が座るクルマではありませんが、緊急時の使用は可能です。

後席の乗降性

評価:かなり不満

新型プレリュードには後席側のドアが装着されないため、乗降性は悪いです。しかも前述の通り、プレリュードの前席には、電動調節機能が採用されません。

そのために前席の背もたれに付けられたスイッチを押して、背もたれを自動的に前側へ倒し、さらに前方へスライドさせる機能も備わりません。

したがって後席に座った乗員が降車する時は、前席の乗員が前側へ手動でスライドさせる必要があります。これはかなり面倒です。後席の乗員が、1人で降車するのは困難です。

収納設備の使い勝手

評価:普通

新型プレリュードの収納設備は多くないですが、グローブボックスに加えて、ルームミラーの手前にはサングラスボックスも装着されています。

センターアームレストの内部にもボックスが備わり、カップホルダーや運転席背面のポケットなどもあります。

収納設備について、実用面での不満は生じないでしょう。また通常の使用では、後席が手荷物の収納場所として機能します。

荷室の広さと使い勝手

評価:普通

新型プレリュードはクーペなので天井が低く、リアゲートは寝かされて、荷室の底は浅いです。そのために荷室高が乏しく、背の高い荷物は収納しにくいです。

その代わりリアゲートが寝ているため、開閉ヒンジが前寄りに備わり、ミニバンなどと違って開閉時に後方へ大きく張り出しません。縦列駐車をしている時でも、リアゲートを開閉できます。

またリアゲートの開口部が広いため、荷物をボディの脇から出し入れすることも可能です。クーペは荷物を積むためのカテゴリーではありませんが、新型プレリュードには、ミニバンなどと違った便利な収納性が備わっています。

そしてディーラーオプションでは、荷室に置いたバッグなどを車外から見えなくするパーセルカバー、汚れを落としやすいラゲッジトレーなども用意されています。

専門家による採点と評価まとめ

専門家として新型プレリュードを採点し、長所と短所をまとめました。購入を検討する際の参考にしてください。

外観

4.0

★★★★☆

内装・居住性

3.0

★★★☆☆

走行性能

5.0

★★★★★

運転のしやすさ

2.0

★★☆☆☆

乗り心地

3.0

★★★☆☆

燃費

4.0

★★★★☆

価格の割安度

2.0

★★☆☆☆

新型プレリュードの良い点

・峠道から高速道路まで走行安定性が優れている

・内外装が上質で装備も充実しており、満足度は高い

・ハイブリッドシステムの搭載で燃費性能が優れている

×新型プレリュードの気になる点

・前方視界は良いが、後方視界と小回りの利きは悪い

・乗り心地は速度が上昇すると悪くないが、低速で走る街中では不満が出ることも

・600万円を超える価格は、機能や装備に対して割高

総合評価

新型プレリュードは全長が4600mm以下のミドルサイズクーペですが、全幅はワイドで小回りの利きも不満を感じる場合があります。後方視界も悪いため、車庫入れや縦列駐車には慣れが必要でしょう。

その代わり前方視界が優れ、後席も最小限度の実用性を備えています。外観をカッコ良く仕上げながら、荷物の出し入れもしやすいです。

ただし、運転席と助手席の電動調節機能が必要と感じる方は、今後の改良を待ってからでも良いでしょう。電動調節機能が追加されれば、使い勝手の優れた実用性も満足できるクーペになります。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:森山 良雄/茂呂 幸正/MOTA編集部】

ホンダ/プレリュード
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新車価格:
618万円648万円
中古価格:
135.4万円709.9万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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