ホンダ オデッセイがまさかの年内廃止へ! サイズ拡大が予想される後継モデルよりも、日本にジャストサイズな現行型こそ“買い”だ
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:和田 清志・森山 良雄・Honda
2021年6月、ホンダから衝撃のニュースが発信された。25年以上の歴史を有する老舗ミニバンブランド「オデッセイ」を2021年中に廃止するというのだ。少し間を置いて、別のモデルが後継車になるとも噂されている。
しかし現行型オデッセイは2021年11月に大規模なマイナーチェンジを実施したばかり。それもかなり渾身の作で、いまだに推奨出来るモデルである。
当初は北米をターゲットに生まれたものの、2代目以降は「日本のオデッセイ」として開発された
ホンダ オデッセイは、1994年に初代が誕生した。当初、ミニバン人気の高かった北米市場をターゲットに開発されたモデルだ。しかし米国ではボディサイズが随分と小さかったようで、2代目以降は日本向けと北米向けでは大きさの異なる全く別の「オデッセイ」が販売されるようになった。
以来、国内仕様のオデッセイは、一貫して低い全高が特徴。日本の走行環境にマッチした程よいサイズ感の中に十分な室内空間を有したジャストサイズのミニバンとして、長く人気を博してきた。
現行型オデッセイは、2013年にフルモデルチェンジした5代目で、日本向けオデッセイとしては初となる後席両側スライドドアを採用。全高はややアップさせたが、同時に床面も低くしたことで、低い車高のまま広い室内空間を確保している点が新しい。
デビュー7年目で異例のマイナーチェンジ! 2020年11月に一新したばかりの現行型オデッセイ
そんな5代目オデッセイは、なんとデビューから7年が経過した2020年11月、大規模なマイナーチェンジを実施した。ボディ前後のデザインを大幅に変更し、押し出しの強さや高級感を強調。軽快でスポーティな印象の強かったマイナーチェンジ前からは、大きく印象を変えることに成功した。
内装も、大型スクリーンのセンターモニターを中心とした新デザインとするなど、こちらもリニューアルを実施。低床設計による操縦安定性や、2モーター式ハイブリッド「e:HEV」の静かな走りはそのままに、もはや別のクルマとして生まれ変わったのだった。
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中国市場の旺盛な需要が支える現行オデッセイ、次期型は中国をターゲットにボディがグンと大型化される可能性も!?
初代オデッセイの発端は、アメリカ市場の旺盛な需要を見込んだものだったが、近年は急成長した中国市場が支えている。5代目モデルは中国のホンダ現地法人でも生産され、好評を博している。
実は2020年のマイナーチェンジで導入された新技術「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」は、先行して中国向けオデッセイで先行搭載されているものだった。デビュー7年にして大規模なマイナーチェンジを実施できたのも、中国での需要が理由の一つであるのは間違いない。
そして今回のホンダの発表で突然明らかになった、現行オデッセイの廃止の知らせ。日本で製造を担当してきたホンダ狭山工場が廃止されることに伴う施策というから、なんとも複雑な思いだ。マイナーチェンジ後わずか1年で消滅するのは実にもったいない。
まだ見ぬオデッセイ後継モデルは中国市場をメインターゲットにしサイズを拡大か
しかしそのいっぽうで、新型のオデッセイ、あるいは別の後継モデルの開発が進められているという噂もある。ただ、それも手放しで喜べないと感じるのは筆者だけだろうか。
なぜなら、現在の状況を考えると次期型オデッセイ(もしくは後継モデル)は、中国市場を重視する可能性が高いからだ。デザインなど表面的なことばかりではなく、広大な中国の道路にマッチしたボディサイズへと拡大されることも見込まれる。
2代目オデッセイの頃とは異なり、月販1000台クラスの現状では、日本向けオデッセイが登場する見込みはかなり薄い。ならば、マイナーチェンジ間もない現行型を手に入れたほうが、日本の道で使うには満足度が高いのではないだろうか。現段階では明言出来ないものの、そんな気がしてならないのだ。
日本にジャストサイズなオデッセイは、現行型の5代目オデッセイが最後になる!?
おそらく今後、次期型(6代目オデッセイもしくは別の後継モデル)の噂も具体的に聞こえてくるだろう。もし“サイズ拡大”の予感が的中しそうだと感じたら、その時にはジャストサイズの現行型を改めて検討して欲しい。
現行型オデッセイは、マイナーチェンジからわずか1年で消えてしまうにはもったいない、完成度の高いモデルなのだから。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:和田 清志・森山 良雄・Honda]
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