ホンダ 新型N-BOXは軽を超えた軽自動車!公道試乗レポート(3/3)

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広さを有意義に使える室内への進化

さて、新型N-BOXは室内空間も劇的に進化している。

まず広さでは、室内幅・高さは初代同等ながら、室内長が60mm拡大して2240mmに。これはタント2200mm、デイズルークス2235mm、スペーシア2215mmを一気に抜き去ってクラストップだ。そこに、前席を独立タイプとしてセンターウォークスルーを可能とし、さらに570mmものロングスライド機能を助手席に持たせた「助手席スーパースライドシート」を新採用。

従来通りベンチシートとなるグレードも用意されているが、グレード名に「EX」と付くモデルにはスーパースライド機能が備わる。

この助手席ロングスライド、センターウォークスルーという機能は、とくに子どもを乗せて運転するママや、ファミリーでの使い勝手を格段にアップしてくれる神機能だ。 例えば後席のチャイルドシートに子どもを乗せる時に、ママも一緒に後席に乗り込み、そのまま車外へ降りることなく前席へ移動できる。出先で子どものお世話をする時や、荷物を取り出したい時なども同様で、猛暑や雨・雪の日などはとくに助かるし、危険な車道側に降りなくて済むという利点もある。

そしてパパが運転のときには、助手席を前席と後席の中間にスライドしてママが座れば、パパとの会話も子どものお世話もしやすいし、出先ではいちばん前にスライドすると、子どもの着替えなどをラクにする広いスペースが生まれる。 もちろん、初代に途中から追加された後席スライド機能、座面をはねあげるチップアップ機能も健在。室内での移動と、より自由な空間の活用を叶えた新型N-BOXは、広さを有意義に使える室内へと進化していると言える。

使う人のライフスタイルに合わせてさらに理想的な室内空間にしていける

また、荷室のフロア長は25mm、高さは25~55mm拡大し、フロア地上高が75mm低くなったのも見逃せない。子育て期には、駅まで子どもが乗って行った自転車を、雨が降ったり夜遅くなったりで、帰りにはクルマで迎えに行って自転車も積んで帰宅しなければならないことも多いと聞く。

そんな時に、非力なママでも荷室に自転車が積みやすい、低いフロアは何よりありがたい機能だ。今回、初代のN-BOX+に設定されていた荷室のスロープ機能は、少し遅れてバリエーションのひとつとして追加される予定とのこと。アウトドアスポーツなどでN-BOXを使いたい人には、そちらの登場も楽しみなところだ。

細かな点では、このクラスには付いているのが当たり前になりつつあった、シートバックテーブルの設定がないのは残念。でもロールサンシェードはベースグレード以外に標準装備だし、助手席の大型インパネトレイには2.5Aの急速充電対応タイプのUSBジャックが備わるなど、確実に役立つ装備が充実している。収納はフロントのドアまわりに小さなポケットが多く設置され、一緒に取材した男性陣は「いったい何を入れるのだろう?」と不思議がっていたが、女性としては乾燥しがちな車内で頻繁に塗るリップクリームや、運転する時にヘッドレストに当たってジャマなヘアクリップ、子どもの食べこぼしをサッと拭けるように用意しておくガーゼハンカチなど、いくらでも置きたい小物が浮かぶ。

また純正アクセサリーにも、高い天井を活かしてボックスティッシュの取り出し口がついた収納スペースにできる大型ルーフコンソールや、後席でタブレット端末を見るためのホルダーなど、便利さをアップする装備が豊富。

使う人のライフスタイルに合わせて、それらをプラスしてさらに理想的な室内空間にしていけるのが新型N-BOXだ。

日頃のうっかりミスもカバーしてくれる先進機能搭載

そして最後に、現時点で軽トップクラスに躍り出たのが手厚い安全技術の数々。

ボディそのものに、J-NCAP5ツ星獲得の衝突対応技術、歩行者傷害軽減対策を盛り込んだのはもちろん、先進の安全運転支援技術「Honda SENSING」を全車に標準装備としたのは大英断。全車速対応ではなく約30km/h以上からの作動ではあるが、前走車との車間距離を一定に保つ追従機能、「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」や、車線の中央を走れるようステアリング操作をアシストする「LKAS」が搭載される軽自動車は現時点でほかにない。

そのぶん、価格設定が高めになってしまうのを嫌うユーザーもいるかもしれないが、一部グレードでレスオプションも可能な中、受注状況では90%以上が「Honda SENSING」を装着しているというから、多くのユーザーがその価値を認めていることになる。

万一のときだけでなく、前方・後方ともに作動する誤発進抑制機能や標識認識機能など、日頃のうっかりミスもカバーしてくれる10の先進機能は、この先5年、10年と長く乗る上でもユーザーに大きな安心を約束してくれるはずだ。

こうして一般道で改めてチェックしてきた新型N-BOX。細部まで丁寧につくりこんだエクステリア、インテリア、そして1トーン/2トーンと豊富に揃うボディカラーも含めて、あらゆる面で満足感の高い1台になっていると再確認できた。

[レポート:まるも亜希子/Photo:島村栄二]

ホンダ/N-BOX
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新車価格:
164.9万円236.3万円
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19.8万円304万円
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まるも 亜希子
筆者まるも 亜希子

大学卒業後、編集プロダクション株式会社エディトリアル・クリッパーに就職、自動車雑誌「ティーポ(Tipo )」の編集者として6年間勤務。2003年にフリーランスとして独立。現在は雑誌やウェブサイトの自動車関連記事に出演・寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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