ホンダ N-BOXに新しく追加された「スロープ仕様」は“第3のN-BOX”だ!【バリアフリー2018展】(1/2)
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:茂呂 幸正
絶好調のホンダ 新型N-BOX
2017年9月1日から発売を開始した2代目N−BOX。ホンダの軽スーパーハイトワゴンだ。「軽の常識」を変えるNシリーズに共通する広さ・走りのクオリティ・質感や装備をさらに磨き上げ、「Honda SENSING」をはじめとした先進の安全装備を備えての登場となった新型N−BOX。発売開始以来の登録台数が18万台を突破し、スーパーハイトワゴン市場でも35%のシェアを獲得。2017年通年の軽四輪販売台数No.1になるなど販売は絶好調である。
新型N−BOXは先代からの継続ユーザーのみならず他社の軽自動車各モデル、さらには5/3ナンバーサイズの普通車ミニバンからの買い替えも増えているという。昨今の軽自動車は価格が昔より高くなった、という声も聞かれるが、ユーザーは車格に関係なく、価値があると認めたものは購入する。使い勝手の良さや室内の広さ、充実した装備が軽自動車の枠を超えるN−BOXが売れていることがそれを証明していると思う。
N−BOXに3つ目の新しい室内レイアウト「スロープ仕様」を追加!
新型N−BOXでは室内レイアウトに「フロントベンチシート仕様」と「助手席スーパースライド仕様」の2種が用意されていた。後者では助手席が前後に57cmも移動するために後席に設置したチャイルドシートの子供の世話が出来たり、スライド式のリアドアから乗り込んで運転席に移動するなど様々なシーンに合わせた便利な使い方が可能である。
そんなN−BOXに、3つ目の室内レイアウトが追加された。それが「スロープ仕様」で、4月19日(木)〜4月21日(土)にインテックス大阪(大阪府大阪市住之江区)で開催された総合福祉展「第24回バリアフリー2018」で発表された。4月20日(金)より発売が開始されている。
ホンダでは、すでにN-BOX+(プラス)に軽モデルのスロープ仕様を用意していた。新たに開発された新型N-BOXのスロープ仕様では、さらにその機能を改良・進化させている。順を追ってそのポイントを見てみよう。
スロープ操作手順を11から5工程と半分以下に!
まずスロープ仕様のカナメとなるスロープは大きく改良された。2段ヒンジを採用した「スーパーフレックススロープ」は手前に引き出すだけで突出長1365ミリ、幅640ミリ、斜度13度のスロープをあっという間に完成させる。スロープ単体で従来比2.5kg、ロック機構などを含めて全体で4.5kgの軽量化を実現して操作も軽々だ。
さらにN−BOX+のスロープ仕様では、下記の改良が施されている
■マルチボードの廃止
前スロープ仕様では、畳んだスロープは傾斜状態で床に倒されて収納され、その上にマルチボードと呼ばれる仕切り板を置いて荷物室の床にしていた。今回はスロープ自体が荷室の床になるためにマルチボードを廃止。なおマルチボードの収納場所は無かった
■車いす用手すりの設置を簡単に。
袋にしまって使用するときだけ取り付け(ネジで固定)していた車いす用の手すりもあらかじめ設置されていて、ノブを引いてロックを解除、そして回転させて簡単に使用状態に展開が可能に。
これらの改良によってスロープを引き出して車いすを乗せるまでの手順が11工程から5工程までに減少。後席を倒して車いすの前輪を格納する場所を作るための「フロントシート背面樹脂ボード」もこれまでコインで留め具を外していたものが、クリップを指でつまんで回すだけになり、電動ウインチも制御が改善されてベルトの巻き取りすぎによる噛み込みの防止が図られ、リモコンも握りやすいサイズのカバーに収納、車いすのグリップに設置できるよう固定ベルトを備えるなど数多くの細やかな改善が行われている。
また、先代スロープ仕様に比べて新型N−BOXのスロープ仕様は、これらの改良に合わせて先代比で前席と後席足元空間は+100ミリ、荷室床面長さも+20ミリ拡大、床面地上高さはさらに90ミリも低くなった。後席もリクライニングが可能、前席下に収納されている車いすを引き上げるウインチも前方に移動して後席着座時の足の置き場を改善、車いす乗員用のドリンクホルダーを設けるなど居住性・快適性も大きく向上している。「スロープ仕様」は後から追加された室内レイアウトだが、同仕様は新型N−BOXの開発当初から設計が行われていたとのことで、スロープやそれに関する装備が後付けではないことも使い勝手が大幅に向上している理由の一つだ。
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