欧州プレミアムBセグメント 徹底比較(2/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
小さくてもアウディらしさ満点
弧を描くルーフアーチを持つワンモーションシルエットのボディの中に、シングルフレームグリルやLEDを駆使したウイングデザインのヘッドランプなど、アウディらしいアイコンが散りばめられている。
ボディサイズは3970mm×1740mm×1440mmと、全長は4mにも満たないが、全幅が1.7mを超えるため3ナンバーとなる。ボディカラーは全10色と豊富に選べ、さらに全5色から選べる「コントラストルーフフィルム」を設定するなどユニークな試みも見られる。よりスポーティなルックスやドライブフィールを楽しむことにできるパッケージオプションも用意されている。
パワートレインは、VWゴルフのコンフォートラインに積まれるものとスペック(最高出力90kW[122ps]、最大トルク200Nm)も共通の1.4リッターの直噴ターボエンジンに、乾式クラッチ採用の7速のSトロニックという組み合わせ。アウディ初となるアイドリングストップ機構も付く。
サスペンション形式はフロントがストラット、リアがトーションビーム式で、基本骨格はVWポロとの共通性が高いが、ワイドトレッドとし、サスペンションの取り付け剛性を高めるなど各部に手が入れられている。
タイヤサイズは標準が205/55R15で、オプションで215/45R16や215/40R17も選べる。今回の撮影車は標準サス仕様で、コンパクトカーらしからぬドッシリとした安定感と、14.8というクイックなレシオのステアリングによるキビキビとしたフットワークが共存していて好印象だった。
また、VWのXDSと同様に、コーナリング時に内輪のグリップが低下すると自動的に軽くブレーキをかけてアンダーステアを抑える電子制御式LSD機能を持つ。さらに、全体的に静粛性はA1が今回の中でもっとも上であり、上級モデルに通じる趣がある。
ツインチャージエンジンを積む、まさにホットハッチ
ポロの標準モデルに対し、GTIシリーズ伝統の上下に赤いラインが入ったハニカムフロントグリルや、専用デザインのバンパー、ブラックのサイドスカート、リアスポイラーやクロームデュアルエキゾーストパイプなどが与えられており、今回の中でももっとも明快にスポーティ色をアピールしている。
215/40R17サイズのタイヤとGTI専用デザインのアルミホイールを履き、赤く塗装されたブレーキキャリパーを装着するなど、足元もスポーティ。ブレーキ自体のキャパシティも標準のポロに対よりも増している。
ボディサイズは3995mm×1685mm×1460mmで、ボディカラーはフラッシュレッド、写真のキャンディホワイト、ディープブラックパールエフェクト、リフレックスシルバーメタリックの4色から選べる。
スーパーチャージャーとターボの両方を備えたツインチャージ仕様の1.4リッター直噴エンジンは、最高出力が132kW[179ps]で、250Nm[25.5kgm]の最大トルクを2000~4500rpmという幅広い回転域で発生する。
0-100km/hの加速は6.9秒、最高速度は225km/hに達するというから、まさしくホットハッチであり、実際、今回の中ではもっともパワフルに感じられた。
A1にはないパドルシフトが付き、小気味よくシフトチェンジできるところもポイントだ。ちなみに現状ではアイドルストップ機能は与えられていない。
専用のスポーツシャシーは、ポロらしいサイズを超えた重厚感に加えて、「GTI」に相応しい、やや固めの引き締まった乗り味をもたらしている。
また、コーナリング時に駆動輪内側のトラクション不足を検知すると軽くブレーキをかけてアンダーステアを低減する「XDS」と呼ぶ電子制御式LSDを装備する。
高性能エンジンをHパターンのMTを駆使して楽しむ
ボディサイズは、3745mm×1685mm×1430mmと、上記2モデルよりかなり短め。しかし、2465mmというホイールベースは同等で、バランス的にロングホイールベース、ショートオーバーハング、ワイドトレッドとなっており、ボディの四隅にホイールが配置されている。
2010年5月にエンジンなど中身が大きく変わったばかりだが、その半年後の10月に今度は見た目が変わり、フロントバンパーやサイドスカットル、ホイールがスポーティなデザインとしたほか、リアコンビンランプにLEDを採用するなどした。
ルーフやストライプを含む外観や内装の仕様を非常に多彩な組み合わせの中からに選んで好みの1台を作ることができるのはMINIならでは。さらに同改良時に新色3色がボディカラーに追加されるなどし、よりチョイスの幅が広がった。
もっともスポーティなクーパーSには、バルブトロニックによる可変バルブタイミング機構を採用したツインスクロールターボ仕様の直噴エンジンを搭載。135kW[184ps]のピークパワーと240Nmの最大トルクを発生するという、なかなかの高性能ぶり。6速ATだけでなく、いまや貴重なHパターンの6速MTが選べるところもポイントで、MT車にはアイドリングストップ機構も付く。
踏み込めばフロントタイヤが簡単にトラクションを失いトルクステアも顔を出すほどパワフルで、さらに上のパワーを望むのであれば、「ジョンクーパーワークス」仕様も用意されている。
スポーツサスペンションの標準装備されるクーパーSでは、切り始めの反応が素早い「カート感覚」と評されるクイックな操縦性をより楽しむことができる。
リアがマルチリンク式の独立懸架となっているのも特徴で、懐の深いグリップを得ることができる。
デザイン・スペックの総評
3台のデザインテイストはまったく異質で、キャビンの形状も、直立気味のMINI、ワンモーションのA1、その中間的なポロとまったく異なり、それは室内の居心地や使い勝手の違いに直結する。車両重量は、いずれも1200kg程度ながら、動力性能については上記のような差があり、10・15モード燃費については、A1が19.4km/L、ポロGTIが16.6km/L、MINIクーパーSが19.2km/L(ATは15.6km/L)となっている。A1とMINIには、すでにアイドリングストップ機構を採用している。フットワークについては、全体を通してどれも洗練されていて、コンパクトカーらしからぬ成熟した乗り味を持っており、その中で各ブランドのカラーが表現されているのが印象的である。
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