【ハイブリッドエントリーモデル比較】ファーストカーならホンダ ヴェゼル、リアシートを使わないならトヨタ ヤリスクロスがオススメ!

  • 筆者: 永田 恵一
  • カメラマン:茂呂幸正/和田清志/トヨタ自動車
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それぞれモデルの新しいコンパクトSUVとなるトヨタ ヤリスクロスとホンダ ヴェゼルは、どちらも長い納期となっている人気車である。

それゆえにこの2台で悩んでいる人も多いだろうが、ここではそれぞれのハイブリッドのベーシックグレードとなるヤリスクロスハイブリッドX(FF車で228万4000円)とヴェゼルe:HEV X(FF車で265万8700円) に焦点を当て、2台を比較してみた。

目次[開く][閉じる]
  1. ヤリスクロスはヤリス、ヴェゼルはフィットをベースに作られたコンパクトSUVだ
  2. 【ドライブフィール】静かで全体的なまとまりの良さを感じるのはヴェゼル!
  3. 【燃費】ヤリスクロスの方が低燃費だが、どちらも十分な燃費性能といえる
  4. 【リアシート】広さは常時4人乗りが可能な広さを持つヴェゼルが圧勝!
  5. 【ラゲッジスペース】ヴェゼルは大きさも高さもヤリスクロスを圧倒!
  6. 【装備】エントリーグレード同士ではヴェゼルの方が上手だがヤリスクロスの方が選択肢は多い

ヤリスクロスはヤリス、ヴェゼルはフィットをベースに作られたコンパクトSUVだ

まずは2台の概要から紹介しよう。

トヨタ ヤリスクロス

2020年8月に登場したトヨタ ヤリスクロスはトヨタ新世代のTNGA-Bプラットホームを使うなど、ヤリスをベースにしたコンパクトSUVである。ボディサイズは全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mmと、ヤリスがコンパクトカーとして求められるサイズであるのと同様、コンパクトSUVとして適したサイズだ。

パワートレーンは1.5リッター3気筒ガソリンNAと1.5リッター3気筒ハイブリッドそれぞれにFFと4WDが設定され、価格(税込)は1.5ガソリンX Bパッケージ FFの179万8000円からハイブリッドZ 4WDの281万5000円だ。

ホンダ ヴェゼル

2021年4月に2代目モデルにフルモデルチェンジされたホンダ ヴェゼルは、初代モデル同様のフィットベースのコンパクトSUVである。ボディサイズは全長4330mm×全幅1790mm×全高1580mmと、コンパクトSUVとしては大きなボディサイズとクーペルックとなる流麗なエクステリアを持つなど、コンパクトSUVではスペシャリティな華のあるキャラクターが特徴だ。

パワートレーンは1.5リッター4気筒ガソリンNAと1.5リッター4気筒ハイブリッドそれぞれにFFと4WDが設定され、価格は1.5ガソリンG FFの227万9200円からFFのみとなるe:HEV PLaYの329万8900円だ。

【ドライブフィール】静かで全体的なまとまりの良さを感じるのはヴェゼル!

ハイブリッドのフィーリングはモーターの使い方の違いでアクセル操作に対するレスポンスよく活発なヤリスクロスハイブリッド、エンジンが3気筒と4気筒という違いで静かなのはヴェゼルといったところだ。

ハンドリングや乗り心地は、抽象的な表現ながら乗ると「オッ!」と感じる部分もあるヤリスから期待すると、ヤリスクロスハイブリッドはクルマとの一体感の薄さなどが原因なのか全体的に普通という印象で、乗り心地も4WDは問題ないが、FF車は突き上げ感があり、人によっては不満を感じるレベルだ。ヴェゼルは乗って強く感じる点こそないが、ヤリスクロスハイブリッドより全体的によくまとまっており、大きな不満や問題はない。

【燃費】ヤリスクロスの方が低燃費だが、どちらも十分な燃費性能といえる

それぞれのカタログに載るWLTCモード燃費は総合、市街地、郊外、高速の順にヤリスクロスハイブリッドX/30.8、31.4、33.5、29.0、ヴェゼルe:HEV X/25.0、24.7、27.1、23.9とヤリスクロスハイブリッドの圧勝で、実用燃費でも同じ傾向だ。

いずれにしても20km/Lの実用燃費が期待できるので、どちらも燃費は十分にいい。

【リアシート】広さは常時4人乗りが可能な広さを持つヴェゼルが圧勝!

ヤリスクロスは4人乗りが多い人だと、狭さを感じるだろう。ヴェゼルは常時4人乗りもOKといえる広さを備えており、この差はベースとなるヤリスとフィット、ボディサイズ通りだ。

【ラゲッジスペース】ヴェゼルは大きさも高さもヤリスクロスを圧倒!

ヤリスクロスのラゲッジスペースもコンパクトSUVとしては十分広いが、ヴェゼルはラゲッジスペース開口部までの低さ、リアサスペンションの張り出しの少なさ、前後方向の長さなどでヤリスクロスを圧勝する。

また、ヴェゼルはフィット同様にリアシート座面を跳ね上げて高さのあるものを運ぶことも可能だ。

【装備】エントリーグレード同士ではヴェゼルの方が上手だがヤリスクロスの方が選択肢は多い

ヤリスクロスハイブリッドX、ヴェゼルe:HEV Xともに自動ブレーキ&運転支援システムのパッケージとなるトヨタセーフティセンス、ホンダセンシングが標準装備されるなど、一般的なフル装備が揃う。装備内容としてはヤリスクロスハイブリッドXに対しヴェゼルe:HEV Xの方がLEDヘッドライトや16インチアルミホイールが標準装備となるなど、充実している。

しかし、2台の装備の違いは約37万5000円という価格差ほどではなく、ヤリスクロスハイブリッドならXにLEDヘッドライトや16インチアルミホイールをメーカーオプション装着する、1つ上のハイブリッドG(FF車で239万4000円)を選ぶ手もある。

また、PLaY以外のグレードではカーナビ&モニター関係がオプションのヴェゼルに対し、ヤリスクロスはDA(ディスプレイオーディオ、スマートフォンとも連動できるモニター)が標準装備。カーナビ機能はスマートフォンと連動する、ディーラーオプションで加えるという選択ができ、この点でもヤリスクロスとヴェゼルの実質的な価格差はさらに広がる。

ポイントは価格と広さ! 後席の使用頻度や使用目的で選ぶべきクルマは変わる

この2台を選ぶ際の大きなポイントは「価格と広さの折り合い」だろう。

具体的には「リアシートを使うことが少ない、2台目の車など」という使い方ならヤリスクロス、「リアシートを使うことが多い、ファーストカーとして使うならヴェゼル」といったところだ。

いずれにしてもこの2台で迷っているなら入念に実車確認やディーラー試乗をして、自分に合った方を選んで欲しい。

【筆者:永田 恵一】

ホンダ/ヴェゼル
ホンダ ヴェゼルカタログを見る
新車価格:
264.9万円377.6万円
中古価格:
76.8万円405万円
トヨタ/ヤリスクロス
トヨタ ヤリスクロスカタログを見る
新車価格:
190.7万円315.6万円
中古価格:
177.3万円395万円

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

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