似て非なる2台「ジムニー」と「ハスラー」購入時に迷う人も!? 納期待ちと聞きむしろ決意を固める人も
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:島村 栄二・森山 良雄・茂呂 幸正・SUZUKI
スズキの軽四輪駆動車「ジムニー」は、悪路走破性が高くタフな構造を有することから、道の狭い山間部での業務などに欠かせない実用モデルだ。2018年のフルモデルチェンジで、機能性を重視したシンプルなデザインに生まれ変わったことで、従来型よりも遥かに多くの注文を集めた。デビューから3年が経過したが、いまだ納期1年待ち以上だという。
そんなジムニーのデザインとも共通性を持つスズキの軽「ハスラー」。購入の際、2台を比較する人などいないだろうと思ったら、それが違うという。
ちょっとレトロなヨンクテイストで大ヒットした「スズキ ハスラー」
スズキの軽「ハスラー」は、2013年の東京モーターショーに初めて参考出品。大反響ののちに市販化されたモデルだ。
スクエアなフォルムに丸いヘッドライト、最低地上高もアップさせたことで、80年代以前の“四輪駆動車”を想わせるレトロなテイストが特徴である。
量販ハイトワゴン「ワゴンR」の基本コンポーネントを用いることでコスト高を最小限に留めたこともあり、販売も大成功。スズキの軽販売の一翼を担うまでに発展を遂げている。
現行型ハスラーは2020年にデビューした2代目。初代のレトロテイストを継承したキープコンセプトながら、初代の“ヨンク”っぽさをさらに加速させ、四輪駆動車が持つ機能性や力強さを強調したデザインとした。昨今のアウトドアブームも追い風となり、新型ハスラーも安定した売れ行きを維持している。
機能性を重視したシンプルデザインがどこか懐かしい「スズキ ジムニー」
前述の通り、2018年に登場した現行型ジムニーは、四輪駆動車の機能性を重視したシンプルなデザインが与えられた。スクエアなフォルムに丸いヘッドライトの組み合わせは、ハスラーとも共通項を感じさせるものだ。
もちろん、ワゴンR同様のFFレイアウトを持つハスラーとは違い、ジムニーは悪路走破性の高いハシゴ型フレームと縦置きエンジンという、昨今では「トヨタ ランドクルーザー」など本格的四輪駆動車にしか採用されていない特殊なレイアウトを持っている。
見た目こそ似たテイストのハスラーと乗り比べれば、その差は一目瞭然。特殊なレイアウトがもたらす高い床や硬めの乗り心地、ゴツいタイヤからのロードノイズ、クイックではないハンドル、あまり広くない室内…何から何まで、ジムニー独特の乗り味であることがわかる。
今どき珍しい、ジムニーのヨンクっぽい乗り味! あまりにも違い過ぎる2台だからこそ迷う人も
さて、外観上は共通するデザインテイストを持つスズキ ハスラーとジムニーだが、当たり前ながら乗った印象は全く異なる。
クセなく誰にでも乗りやすいハスラーに対し、ジムニーはかなり個性が強い。誤解を恐れず言うとすれば「ちょっと荒々しい」印象すら受ける。
これでも従来型よりは随分洗練されたのだが、初めて乗る人はちょっと驚くだろう。ただしその乗り味が、ジムニーの「昔ながらのヨンクっぽい見た目」とマッチしているから、不思議と違和感はないのだった。
意外といるハスラーとジムニーの購入を迷う層! 納期の長さにむしろ決意を固めるケースも
ここまで別の乗り物となると、2台を迷う人はいなそうだが、意外なことにそうではない。
『ハスラーとジムニー、どっちにしようか迷う層は一定数いる』のだという。
首都圏のとあるスズキアリーナ店営業スタッフは『とりあえずハスラーとジムニーの見積りを同時に取られる方は案外多いです』と話す。
もちろん、具体的な検討に入ればどちらか一方に絞られるのがほとんどだというが、最後まで迷うケースもあるという。レアケースではあるが、あまりにも違い過ぎる2台をそれぞれ気に入ったため、迷ってしまったのだ。
そしてジムニーの商談では『納期が1年以上になるかもしれない』と聞きあきらめるケースも多いいっぽうで、決断の背中押しにもなるというから、何が幸いするかわからないものだ。
ハスラーの場合さほど納期もかからないことから、2台の見積もりを取った多くの人も結局ハスラーで決まる、とは前出の営業スタッフの話。
販売店で得られる情報は思いのほか多い! まずは見積もりを取ってみることをオススメする!
納期もかかるというし、迷っている状態で見積もりをもらうのはちょっとためらうところだ。しかし実際に「とりあえず」ジムニーとハスラーで見積もりを取る人は案外多い。
タイミング次第では、納期の早いクルマやキャンセル待ちの情報も得られることもある。まずは気軽に販売店へ問い合わせてみることを強くお勧めする。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:島村 栄二・森山 良雄・茂呂 幸正・SUZUKI]
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