新型アクアとヤリス ハイブリッド、一体何が違う!? 新型アクアは「ヤリスのちょい上級版」というポジションに移っていた

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「トヨタ アクア」がフルモデルチェンジを実施した。2011年に登場した初代アクアは、プリウスに次いで登場したハイブリッド専用車だった。5ナンバーのコンパクトサイズで価格も安く、デビュー早々に絶大な支持を集めている。それから10年。現在では同じコンパクトカークラスのヤリスにもハイブリッドモデルが登場したことで、新型アクアのポジションも変化したようだ。

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目次[開く][閉じる]
  1. 初代アクア誕生から10年、コンパクトハイブリッドの世界も様変わりしていた
  2. 初代アクアの特色であった「低価格ハイブリッド」「低燃費TOP」の座はヤリスハイブリッドに受け渡した
  3. アクアに搭載される新開発のバッテリーは高出力な次世代型!

初代アクア誕生から10年、コンパクトハイブリッドの世界も様変わりしていた

先日、およそ10年ぶりのフルモデルチェンジを果たしたトヨタ アクア。5ナンバーサイズのハイブリッド専用車として、一般ユーザーから企業の社用車まで幅広い用途に愛されてきたモデルだけに、新型の注目度も高いと言える。

しかしよくよく考えてみると、トヨタにはすでに5ナンバーサイズのコンパクトハイブリッドカーが存在しているではないか。それが2020年2月に登場したヤリスである。

ヤリスはガソリン車も用意されているため純然たるハイブリッド専用車ではないが、共にトヨタの新型プラットフォームTNGAを採用し、全く同じエンジンとモーターを搭載しているのだ。

ひと昔前であればトヨタは複数の販売チャネルを持っていたため、マークII3兄弟やノア3兄弟のように、各販売店向けに兄弟車を仕立てるということも珍しくなかったが、2020年5月からは、東京都を除く全国で全車種を併売するようになっているから、その線はないハズ。

では、両車にはどのような違いが存在しているのかチェックしていきたい。

初代アクアの特色であった「低価格ハイブリッド」「低燃費TOP」の座はヤリスハイブリッドに受け渡した

まず最も分かりやすいのが価格だろう。

上から「Z」、「G」、「X」という3グレードは両車共通している呼称だが、同一グレードで比較するとアクアの方が7万6000円~10万円ほど高額となる(ヤリス ハイブリッド Xよりも安価なアクア Bというグレードもあるが、これはビジネスユース向けだ)。

そしてハイブリッドカーとしては気になる燃費性能では、ヤリスハイブリッドの最も燃費の良いグレードで36.0km/Lなのに対し、アクアでは35.8km/L(共にWLTCモード燃費)と、わずかではあるがヤリスハイブリッドに軍配が上がるのだ。

つまり、ユーザーの多くが気にするであろう車両価格と燃費性能、どちらも後発のアクアの方がヤリスハイブリッドに劣っているということになってしまう。これではアクアの存在意義が薄れてしまうではないか。

しかし、数値だけで判断するのは時期尚早。アクアはハイブリッド専売車ならではの先進的な部分が多く存在しているのである。

アクアに搭載される新開発のバッテリーは高出力な次世代型!

まず、ハイブリッド車のキモともいえるバッテリー。ヤリスハイブリッドは一般的なリチウムイオン電池を搭載しているが、アクアには市販車の駆動用バッテリーとしては世界初搭載となる「バイポーラ型ニッケル水素電池」を搭載しているのだ(Bグレードを除く)。

このバイポーラ型ニッケル水素電池は、従来の電池に比べてコンパクトかつ高出力という特徴を持っており、まさに次世代の駆動用バッテリーと呼べるもの。

これを搭載したことでアクセル操作への応答性が向上し、リニアでスムースな加速が可能となりドライバビリティが大きく向上。さらにアクセルペダル操作の強弱で車速をコントロールできる「快感ペダル」をトヨタ車として初採用し、新世代のハイブリッドカーであることを強くアピールしているのだ。

万が一の災害時に役立つ「非常時給電システム」も全車標準

また、トヨタのハイブリッド車の装備としてすっかりおなじみとなったAC100V・1500Wのアクセサリーコンセントを全車標準装備としたほか、有事の際に車両から家庭への給電を可能とする「非常時給電システム」も全車標準装備。

ガソリンが満タンの状態でエアコンなどの負荷がない場合、一般家庭のおよそ5日分の電力をアクアから供給することが可能というもので、自然災害の多い日本では心強い装備と言えるだろう(使うことがないのがベストではあるのだが)。

トヨタのコンパクトカーで初となる先進機能を多数装備

他にもハンドル操作、ブレーキ、アクセル、シフトチェンジなど、駐車時における全操作を車両が支援するトヨタチームメイト アドバンストパーク、従来の前後進行方向に加え新たに側方の静止物を検知対象とし、警報とブレーキ制御で接触回避を支援するパーキングサポートブレーキといった、トヨタコンパクト車初の技術を採用しており、最先端のハイブリッド専用車と言わんばかりなのだ。

ちなみにアクア全車へ標準装備される全車速追従機能アダプティブクルーズコントロールは、2020年2月の登場時にはヤリスハイブリッドに備わっていなかったが、2021年5月の一部改良で車両停止状態まで対応する全車速型にバージョンアップされている。

同じコンパクトカークラスではあるが、異なるアプローチで誕生したアクアとヤリス

まとめると、ガソリンモデルも用意して幅広い層に親しみやすいキャラクターを持ったヤリスに対し、現時点で搭載できる先進的な装備や技術をありったけ詰め込んだアクアという図式とも言え、たまたまボディサイズと価格が近いだけで全く異なるアプローチで誕生した2台ということが言えるのではないだろうか。

[筆者:小鮒 康一]

トヨタ/アクア
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新車価格:
214.6万円283.7万円
中古価格:
28.3万円328万円

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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

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