フラッグシップサルーン 徹底比較(3/4)

フラッグシップサルーン 徹底比較
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ドライバー主体のレイアウト

インパネフロントシート

先代E65/66型では、初めてiDriveを採用しただけでなく、ATのフロアセレクターを廃するなど、あまりに斬新なインターフェイスを構築したが、現行モデルでは意外なほど「普通」な印象のインテリアとなった。

先代のテイストを受け継ぎつつ、丸みを与えてモダンなイメージを加味するとともに、高級素材をふんだんに用いて高いクオリティ感を演出している。センターパネルをドライバー側に傾けるなど、ドライバー主体としているあたりもBMWの文法に則った部分である。情報と操作を分けてレイアウトされているあたりも直感的にわかりやすく使いやすい。

iDriveのロジックも進化し、より使いやすくなったこともありがたい。

さらに、新開発のブラックパネル技術を駆使したメーターや、ヘッドアップディスプレイ、サイドビューカメラ、ナイトビジョンなどを装備したことも現行7シリーズの特徴だ。

使い勝手とデザイン性の両立を図ったような、パネルを浮かせたような形状となったインナードアパネルの取っ手など、新しい試みも見られる。また、ドアにダンパーが付き、Sクラスのように任意の角度で留められるようになった点もよい。

後席の居住空間は十分な広さがあり、140mm延長されたロングボディ仕様では、さらに広い室内空間となる。ただし、大きな問題ではないが、右ハンドル仕様はセンタートンネルの張り出しが大きく、左足のスネに当たる点や、後席は座点が高く、頭周りをやや狭く感じる点などは挙げられる。

最上級グレードとなる750Liには、4ゾーンオートエアコンやベンチレーションシートなどが標準装備されている。さらにはマッサージ機能やリヤエンターテインメントシステムまでもオプションで選ぶことができる点は、レクサスLSを意識してのことだろうか。

リアシートメーターセンターパネルシフトドアライニング

高い質感とデザイン性

インパネフロントシート

ウォールナットパネルやレザーを用い、エアコン吹き出しなど要所要所に金属パーツを組み合わせるなどして、直感的に非常に高いクオリティを感じさせるインテリアの仕上がり。

全面を液晶としたメーターパネルも非常に視認性に優れる。これはオプションのナイトビューアシストのティスプレイも兼ねるが、まるでこちらの画面を見ながら運転できてしまいそうなほど精細な画像を提供する。

コンソール上のダイヤル式コマンドコントローラーで操る「COMANDシステム」も使いやすく、従来やや不評だったカーナビの操作ロジックもずいぶん改善されている。

ちなみに、意外なことに、シフトパドルが備わるのは、Sクラスのみである。

2008年11月には、一部グレードを除いて、これまでも海外仕様にはあったアダプティブブレーキランプやキーレスゴーが、ようやく日本仕様にも設定されたことを歓迎したい。

Sクラスというと、ショーファードリブンのイメージもあるところだが、意外や後席の設定のバリエーションはあっさりとしており、カタログモデルにセパレート仕様はない。とはいえ、リアシートの居住性は標準ボディでも必要十分。ルーフを丸く絞り込んでいるが、居住空間を犠牲にすることはなく、狭さをまったく感じさせない。

安全性に関しても、パフォーマンス・プレ・パッシブ・ポストの4つの安全システムを統合して制御する「プロセーフ」という先進の概念を採り入れている点は、さすがはメルセデスである。

リアシートメーターモニターセンターコンソールドアライニング

最新テレマティックスサービスが強み

インパネフロントシート

インテリアは、ドイツの2台とも異なり、クラウンやマジェスタなど、日本を主体とした高級セダンとも違う、独特の雰囲気がある。

Iパッケージでは、セミアニリン本革シートやアルカンターラルーフなどが設定されており、7シリーズやSクラスと比べても、同等かもしくは上回ると思えるほどの上質感を身に着けている。世に高く評価されてきた静粛性についても、さすがのものがある。

直感する高級感や装備の充実ぶりなど、この価格帯で得られるバリューを考えると、ドイツ製の2台に比して、むしろ割安感すら覚えるほど。レクサスらしく専用設計のマークレビンソン製高性能オーディオも用意されている。

このサイズで比較的ウインドウを立てた形状ゆえ、後席も含め標準ボディでも居住空間は十二分に確保されている。着座感がソフトで、ソファに腰掛けるような居心地のよさはあるが、欲をいうと、もう少し身体の収まりがよいほうが好ましく思う。

トラクションコントロールやブレーキ、ステアリング、横滑り防止装置などを総合制御するVDIMをはじめ、統合して衝突安全に対応するプリクラッシュセーフティシステムなどが採用。2008年8月の改良では、プリクラッシュセーフティシステムを一部グレードに標準装備とされた。

また、「Gリンク」「Gセキュリティ」など、最先端のテレマティックスサービスを用意している点は、レクサスならではの絶大なアドバンテージである。

リアシートタイヤセンターパネルシフトドアライニング

内装・装備の総評

乗車定員は全車5名だが、LSのみ4名のロングボディ&後席セパレートシート仕様も選ぶことができる。

後席の居住空間は、標準ボディでもいずれも十分。ただし、乗り心地も含め、居心地には、各車で考え方の違いが見られる。これは良し悪しではなく、感じ方や好みの問題だと思うので、それについては上の文章を参考に。

快適/安全装備については、さすがはこのクラスのクルマだけに、いずれも非常に充実している。カーナビのロジックやiDriveの階層など、7シリーズは、先代ではやや使いにくい印象もあったが、現行モデルでは改善されている。使いやすさの点では、メイド・イン・ジャパンの強さが出るLSのが他2台をしのぐだろう。

もっとわかりやすく違いが見られたのはラゲッジルームで、Sクラスの広さは特筆できる。メルセデスは早くから日本市場の声を吸い上げていることもあり、ゴルフバッグの積載性にも配慮してか、こうなっているようだ。次いでLSはさらに、ラゲッジ開口形状を広くすることにも配慮している。横幅はかなり大きく、深さもあるが、奥行きはやや小さい。7シリーズは、リアサスペンションで機構的に必要となるスペースの確保を優先したせいか、奥行きはもっとも大きいが、横幅の狭い部分が多くを占め、ゴルフバッグの積載あまり得意ではない。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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