RX/GLE/X5を徹底比較 ~存在感抜群のLサイズラグジュアリーSUV~(2/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正・和田清志
スポーティーな雰囲気を備えたレクサスのLサイズモデル
トヨタの上級車ブランド「レクサス」に設定されるLサイズSUV。以前は国内で販売されるトヨタ ハリアーとレクサス RXが基本的には同じクルマだったが、2005年に国内でもレクサスが開業され、今ではRXとハリアーは別の車種になった。
現行RXが発売されたのは2015年10月だから、国産SUVの中では設計が新しい部類に入る。
RXの外観は、今日のレクサスを象徴する仕上がりだ。フロントマスクには鋭角的なスピンドルグリル(糸巻状のデザイン)が備わり、フェンダーやドアパネルにも複数のキャラクターラインが入る。
ボディサイドに刻まれたラインは複雑で、装飾が過剰な印象も受けるが、ワイドでスポーティーな雰囲気は演出されている。
ボディサイズは全長が4890mm、全幅は1895mm、全高は1710mmで、全幅はLサイズセダンのレクサス LSなどを上まわる。RXより大きいレクサス LXの全幅が約2mに達するとはいえ、RXも国産車では最大級の数値だ。
ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2790mmで、最小回転半径は5.9mとなり、日本車では大回りな部類に入る。
エンジンは直列4気筒2リッターのターボと、V型6気筒3.5リッターのハイブリッドを用意した。現行モデルにはV型6気筒3.5リッターのノーマルエンジンは用意されていない。
2リッターターボの動力性能は、最高出力が238馬力(4800~5600回転)、最大トルクは35.7kg-m(1650~4000回転)。ノーマルタイプのガソリンエンジンであれば3.5リッタークラスだ。ハイブリッドはエンジンとモーター駆動を合計したシステム最高出力が313馬力に達し、幅広い回転域で高い動力性能を発揮する。
駆動方式は前輪駆動の2WDと4WDを設定。ハイブリッドの4WDは、後輪をモーターで駆動する方式になる。
大柄なボディに駆動力の高いクリーンディーゼルターボを搭載
今のメルセデス・ベンツはSUVを豊富にそろえており、AクラスをベースにしたコンパクトなGLA、ミドルサイズのGLK、全長が5mを超える大柄なGL、さらに発売されてから30年以上を経過したGクラスもある。
今回取り上げるGLEは、かつてラインナップされていたMクラスの後継車種だ。標準ボディのサイズは、全長が4825mm、全幅が1935mm、全高は1795mmになる。
レクサス RXに比べるとそれぞれ65mm短く、40mm広く、85mm高いが、それでも同程度の大きさと考えて良いだろう。
ホイールベースは以前のMクラスと同じ2915mmだ。RXに比べると125mm長いが、最小回転半径は5.5mに収まる。GLEは後輪駆動をベースにしたSUVとあって、ホイールベースが長い割に小回り性能が良い。
外観はドイツ車らしく、表現の仕方がストレートだ。全幅が1900mmを超えるのでフェンダーの張り出しは大きいが、ボディの側面はRXに比べてシンプルに仕上げた。
GLEの発売は2015年10月なので、現時点では新型車と呼んで良いだろう。そのために今のところエンジンの選択肢は2種類にとどまる。
主力の350d 4マチックには、V型6気筒3リッターのクリーンディーゼルターボを搭載する。最高出力は258馬力(3400回転)、最大トルクは63.2kg-m(1600~2400回転)となり、輸入SUVの中でも動力性能は高い部類に入る。特に最大トルクは60kg-mを超えるので、ノーマルタイプのガソリンエンジンに当てはめれば6リッタークラスだ。
さらにAMG GLE 63 S 4マチックも用意され、この仕様はスポーティーなAMGとあってV型8気筒5.5リッターのガソリンターボを搭載する。最高出力は585馬力(5500回転)、最大トルクは77.5kg-m(1750~5250回転)と強力だ。
日本仕様の駆動方式はすべて4WDだが、海外には後輪駆動の2WDも用意される。
日本仕様はすべて4WDだが外観にはBMWの後輪駆動らしさを感じる
BMWの初代X5は2000年に発売され、メルセデス・ベンツ Mクラスと並んで、欧州メーカーの都市型SUVでは先駆け的な存在であった。現行モデルは3代目として2013年に登場している。
X3の上級に位置する車種とあってボディは大柄。全長は4910mm、全幅は1940mm、全高は1760mmになる。
今回取り上げた3車種の中で見ても、寸法的に大差はないが最も大きい。RXに比べると20mm長く、45mmワイドで、50mm高い。
ホイールベースは最も長い2935mmでRXを145mm上まわる。ただし最小回転半径は5.9mだから、RXと同じ数値だ。ホイールベースが長い割に最小回転半径の拡大を抑えた。
日本で販売されるX5は4WDのみだが、海外市場には2WDも用意され、メルセデス・ベンツ GLEと同様に後輪駆動がベースになる。なので小回りの利きも良い。
外観を眺めると、BMWのセダンほどではないが、後輪駆動をベースにしたSUVらしくボンネットの長さが強調されている。
フロントマスクはグリルが左右に分割されたBMWらしい顔立ちで、ドアパネルなどの形状は比較的シンプルだ。メルセデス・ベンツ GLEと同じく、ボディ全体の塊感で見せる欧州車らしいデザイン。レクサスのような細部に凝る造形ではない。
主力グレードはxドライブ35dで、直列6気筒3リッターのクリーンディーゼルターボを搭載する。最高出力は258馬力(4000回転)、最大トルクは57.1kg-m(1500~3000回転)とされ、ガソリンエンジンに当てはめれば5.5リッタークラスだ。
このほかにもガソリンエンジンが豊富に用意され、直列6気筒3リッターのターボ、V型8気筒4.4リッターのターボ、さらに直列4気筒2リッターのターボに充電可能なプラグインハイブリッド機能を組み合わせたxドライブ40eもある。
デザイン・スペックの総評
今回取り上げたのは北米などをターゲットにしたLサイズSUVだからボディが大柄だ。特に全幅がワイドで、レクサス RXでも1895mm、ほかの2車種は1900mmを超える。最小回転半径はメルセデス・ベンツ GLEが5.5m、ほかの2車種は5.9mだから大回りになる。
ボディスタイルは、GLEとX5は水平基調だが、RXはサイドウインドーの下端を後ろに向けて大きく持ち上げた。そのために斜め後方の視界を損なっている。
またライバル2車も、ボディ後端のピラー(柱)は太く、視線の位置が高いために左側面の死角も大きい。購入するなら縦列駐車や後退しながらの車庫入れは試した方が良いだろう。
ボンネットは3車種とも視界に入り、特にX5はボディの先端に近い部分まで見えるから、運転中の目安になる。
最低地上高は、RXとGLEが200mm、X5は210mmとしており、SUVらしく路上のデコボコも乗り越えやすい。
JC08モード燃費は、4WDで見るとRXの2リッターターボを搭載した「200t」が11.4km/L、ハイブリッドの「450h」が18.8km/L。「GLE 350d 4マチック」が12.9km/L、「X5 xドライブ35d」が14km/Lだ。
RXは両エンジンとも使用燃料がプレミアムガソリンだから、軽油を使うライバル2車に比べると、燃料代の単価が大雑把にいって1L当たり30円ほど高い。軽油が1リッター当たり110円なら、プレミアムガソリンは140円という具合だ。
この補正を行うと、X5 xドライブ35dの燃料代は、 RX450hとほぼ同じになる。クリーンディーゼルターボは、駆動力が高い割に燃料代が安い。
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