N BOX vs タント どっちが便利!?徹底比較(1/2)

N BOX vs タント どっちが便利!?徹底比較
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ホンダの新生「N BOX」とダイハツの超人気軽「タント」2台をガチンコ比較!

ホンダ N BOX

ホンダは1967年にN360を投入、軽自動車で4輪車業界に乗り出した。ところが最近のホンダは、その軽自動車の売れ行きが振るわない。

2011年にダイハツは54.5万台、スズキは47.6万台の軽自動車を販売したが、ホンダは12.5万台にとどまった。OEM車だけの日産ですら14.5万台だから、老舗としては辛いところだ。

しかも国内では、小さなクルマに代替えするユーザーが増えている。ミニバンは目新しさで売れる時期が過ぎて、3列シートや広い荷室を求めるユーザーしか買わず、売れ行きは下降気味だ。

となれば、今後の国内市場は従来以上に軽自動車とコンパクトカーに傾く。特に軽自動車は、現時点で新車販売されるクルマの実に36~38%を占めており、将来的には50%に近づく可能性も高い。

そこでホンダは、円高への対応を含めた内需拡大の必要性も踏まえ、軽自動車の販売を2倍に増やす計画を打ち出した。この新たな需要を開拓する精鋭が「N BOX」だ。

ホンダ N BOXホンダ N BOXホンダ N BOXホンダ N BOXホンダ N BOX

N BOXは、相当に力の入った開発によって作り上げられている。全高が1,700mmを超えるボディは、軽自動車の中でも特に背が高い。ホイールベースも2,520mmに達し、前輪駆動車ではダイハツの2,490mmを超えて最長だ。

フィットより20mm長く、エンジンを後部に搭載して後輪を駆動するiの2,550mmに迫る。両側にスライドドアも装着した。プラットフォームは新開発。フィットと同様、フロントシートの下に燃料タンクを設置し、床を低く抑えた。渾身の開発で空間効率は抜群に高く、ライバル車を一蹴できる内容だ。

そこで、室内空間の広さで人気を誇る軽自動車「ダイハツ タント」と、一騎打ちの比較をしてみよう。

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同じトール軽ながら、方向性の異なる使い勝手の良さ

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まず、インパネなど内装の質感はタントの方が若干優位だ。シルバーのパネルを備えるなど見栄えに気を使った。収納設備の数も、タントが助手席の前側に上下2段のボックスを配置するなど充実している。

助手席のバックレストを前に倒すと、背面をテーブルとして使うことも可能だ。

フロントシートの居住性は互角。両車ともシートのサイズは十分に確保し、頭上の空間も広い。座り心地は軽自動車では柔軟に仕上げた。

リアシートはN BOXが勝る。座面の奥行が少し短く感じるが、座り心地に不満はない。タントは小さく畳む機能を優先させ、座り心地が平板だ。

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頭上や足元の空間は両車とも十分。身長170cmの大人4名が乗車した時、リアシートに座る同乗者の膝先空間はN BOX、タントとも握りコブシ4つ分。

VIPセダンのセンチュリーでも3つ分だから、足をゆったりと組めるほど広い。

シートアレンジは指向性が違う。

両車とも床面へ落とし込むように畳めて広い荷室に変更できるが、タントにはリアシートのスライド機能が備わり、N BOXには用意されない。その代わり、N BOXでは座面を持ち上げて背の高い荷物を積める。

スライドドアの使い勝手はどうか。タントは左側のみに装着され、中央のピラー(柱)をドアに埋め込んだ。

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前後ともに開けば左右方向の開口寸法は1,480mmとワイドだが、リア側のみを開いた時は580mmにとどまる。

N BOXはピラーをドアに埋め込んだ構造ではないが、スライドドアを両側に装着。左右方向の開口部は640mmになり、乗り降りがしやすい。

荷物の積み降ろしでもN BOXが優位。路面からリアゲート開口部の下端までの寸法はタントが595mm、N BOXは480mmに抑えた。リアシートを畳んで自転車を積む時、N BOXなら前輪を大きく持ち上げずに済む。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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