クライスラー 300Cツーリング 試乗レポート

クライスラー 300Cツーリング 試乗レポート
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モダンレトロなスタイリングをもった高級ステーションワゴン

アメリカの自動車メーカー、クライスラーの最近のヒット車といえば、300Cだ。クライスラーがPTクルーザーやクロスファイアで実施しているモダンレトロなスタイリングを採り入れた4ドアセダンは、存在感のあるフロントグリルと小さめのウィンドが個性的。日本市場でも05年1月の導入以来、着実に売り上げ台数を伸ばしている。

その300Cに新しいモデルが加わった。ツーリングと呼ばれるステーションワゴンだ。

セダンをベースにしたワゴンは、V6の3.5LとV8の5.7Lエンジンを選択できる。ミッションはマニュアルシフトモード付の5速AT。駆動方式は後輪駆動になる。

最新のテクノロジーも多く採り入れられている。例えばV8エンジンは可変シリンダーシステム(MDS)を実用化している。パワーを必要としないときは8気筒から4気筒を休止させ、燃費を節約できるシステムだ。

7月8日から販売を開始している。

実用性の高いカーゴスペース

スタイリングはフロントグリルからリアドアにかけてはセダンと同じだが、そこからうしろは独自のデザイン。後方に絞りこまれたルーフライン、そのルーフの一部から大きく開くリアゲートが、他のワゴンとの違いを強調している。

ボディサイズはセダンとは若干異なっている。全長はセダンより20mm短かく5.0m。全幅はセダンより5mmだけ広い。全高はセダンと同じ。ルーフレールを装備しないのがアメリカ流のワゴンなのだ。

ボディカラーはブラック、シルバー、ホワイトの3色から選ぶことができる。

インテリアのデザインは基本的にセダンと同じ。リアシートは6対4の割合で背もたれが前倒しできる。これでほぼフラットな荷室になる。ラゲッジスペースはリアシートを使える状態でも奥行は約1.1m、左右幅も1.5m近くある。さらに床下にサブトランクもあり、オプションでさらに実用的なショッピングボードも用意される。

実用性の高いカーゴスペースだ。

HEMIエンジンはトルクの太い"アメリカ車”テイスト

V6、3.5Lエンジンは249馬力、34.7kg-mの性能で、1.8トンの車体を動かす。シフトレバーをDレンジに入れて、アクセルオン。

スタートはやや重め。トルクは2000回転あたりから盛り上がりはじめ、3000回転からはアクセルレスポンスもよくなる。そのままアクセルを踏み続けると6500回転まで上昇して、シフトアップする。0→100km/h加速は10秒台。このクラスのワゴンとしては、もう少し、速いタイムを期待したい。ただし、試乗車はまだ走行距離が1300kmという新車だったので、回転の上昇はやや重めだった。

ハンドリングはコーナーでのロールも大きくはないが、シートのホールドがイマイチ。スポーティドライビング向きではない。

V8、5.7Lモデルは2000回転から一気に5500回転まで上昇する。0→100km/h加速も7秒台と、かなり速い。100km/h巡航はDレンジ1800回転と低く、いかにもトルクの太いアメリカ車という感じ。ブレーキは重めだった。

アメリカではセダンよりも高級なファミリーカー

最近ではSUVやミニバンがファミリーカーの主流になってしまったアメリカ市場だが、この300Cツーリングの登場で、ステーションワゴン人気もちょっとだけ復活の兆しが見えてきた。

アメリカではセダンよりも高級なファミリーカーとして認知されていたが、この300Cツーリングはその雰囲気を残している。リアシートとラゲッジスペースの使い勝手がよいのが魅力だが、このテのステーションワゴンはそのスタイリングを気に入って、購入するのが王道といえる。リアのスペースはせいぜい休日のスーパーへの買い出しのときに使う ぐらいでよいのだ。

そういうアメリカンライフを楽しみたい人に、300Cツーリングはピッタリのクルマだ。

車両価格はセダンよりも25万2000円高だが、ツーリングのほうが、飽きがこない気がする。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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