BMW M3クーペ M DCT Drivelogic 試乗レポート(2/4)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:原田淳
ブレーキペダルがアピールするMのポリシー
外観上では「それ」を示すものは何も見当たらないDCTを採用のM3も、インテリアでは従来からのMT仕様とは異なる部分を目にする事が出来る。独特のシフトパターンを内部からの照明によって照らし出すシフトノブや、メーターパネル中央小窓に選択されたギアポジションを表示するインジケーター。さらにはその脇のDCTプログラムセグメント表示や、そのプログラムを選択するためにフロアコンソールに設置されたスイッチなどが、DCT仕様車ならではの装備とされている。
足下に目をやるとペダルレイアウトは当然クラッチ・レスの2ペダル。だが、ここで注目したいのは通常のATや他社DCT車のように、ブレーキペダルが“大判化”をされていない事。実は『M』の記号が与えられたBMW車は、「高回転・高出力型エンジンをMTで御す」というポリシーに則ってきたもの。それゆえ、M3のDCTもあくまでも「最新進化型のMT」という扱いなのだ。
後述のように、ブレーキをリリースしただけではクリープ力が発生しないロジックなどにも、そうした考え方が貫かれている。そんなクルマづくりの姿勢を無言の内にアピールするのが、この「小さなブレーキペダル」でもあるのだろう。
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