アウディ R8 V10 plus試乗|フラッグシップスポーツは先端技術の塊(4/4)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:小林 岳夫
快適な日常性の裏にいつでも引き出せる非日常性を併せ持つ
こうしたダイナミックさ、肉食獣的な魅力は欧州勢の真骨頂。ホンダ NSXや日産 GT-Rもかなり近いセンまで行ってるが、日本の国民性がそうしたクルマ本来の魅力というものを心から素直に楽しめず、メーカー側もその雰囲気を忖度してしまうところはまだまだある。
アウディR8はその登場時、アウディTTから続くバウハウス的無機質なデザインテイストによって、「インテリジェンスを持つスポーツカー」という雰囲気を強く放っていた。二代目になってこのデザインは大人しすぎると判断されたのか、やや悪役顔(ダースベイダーのようだ)に方向転換されたが、乗り味は逆に洗練を帯びた。
試乗車はより高次元を狙って足回りを引き締めた「V10 plus」なのだが、その乗り心地はすこぶる快適だ。マグネティックライドダンパーは大径20インチタイヤをしっかりと路面に押しつけながら、どこまでもしなやかに伸縮する。そのロールはゆったりと穏やかだが、フロントにエンジンを持たないミドシップの回頭性がここに切れ味を付け加える。
日本人の私にはちょっとサイドサポートが大きいけれど、しっかり硬めで質感の高いシート。剛直なステアリングシャフトの支持剛性。シックで媚びのない、威厳ある室内空間。それでいて、いやだからこそ癒やされる感覚。
R8には前述した快適な日常があり、そのカードをひっくり返せばいつでも引き出せる非日常を持っている。
税込み3013万円という鼻血が出そうな車両価格なら当たり前だと思うかもしれないが、NSXがあと643万円を足すだけで、この質感を得られるかは別問題だ。
スポーツカーには純粋なスポーツ性能以外に環境適合性能と技術的な先進性、さらに言えばデザイン性が求められる。その総和としてアウディR8とホンダNSXは、この後の行く末を含めた比較が楽しいライバルなのではないかと思う。
アウディ R8 Coupe V10 plus 5.2 FSI quattro 主要スペック | ||
---|---|---|
メーカー希望小売価格(消費税込) | 2915万円 | |
全長 | 4425mm | |
全幅 | 1940mm | |
全高 | 1240mm | |
ホイールベース | 2650mm | |
乗車定員 | 2名 | |
車両重量(車重) | 1670kg | |
エンジン種類 | 直列5気筒DOHC インタークーラー付ターボ | |
駆動方式 | AWD | |
排気量 | 5204cc | |
エンジン最高出力 | 449kW(610PS)/8250rpm | |
エンジン最大トルク | 560N・m(57.1kg・m)/6500rpm | |
トランスミッション | 7速Sトロニック | |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。