アルファロメオ ジュリエッタ 試乗レポート/河口まなぶ(3/4)
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:茂呂幸正
アルファロメオ・メジャー化へのキーは「普通」
では、実際の走りはどうだろうか?
正直な話、3グレードの中で最も驚かされたのが最もベーシックな“スプリント”だった。
このモデル、あらゆる意味で驚きであり、スプリントこそ日本におけるアルファロメオの「メジャー化」のキーになるモデルと思えたのだ。
事実、その走りは良い意味で驚くほど「フツー」に洗練されている。表現がややこしいが、スプリントに乗ると良い意味で「ゴルフと大差ない」と感じるほどだ。
つまり、乗りやすく扱いやすく静粛性も高く乗り心地もまろやかで・・・といった具合だ。だから、日本車やドイツ車から乗り換えても違和感なく「スッ」と入れる、そんな良さがある。
だが、「それでは個性が薄いのでは?」と突っ込みが入りそうだが、確かにこれまでのアルファロメオを知るクルマ好きにとってはそう感じるだろうと僕も思う。
だが、より多くの人を対象にするならば、この辺りの感覚を備えていることが必要と思えるわけだ。つまりスプリントの走りは良い意味で全てが「ほどほど」の良さがある。結果、相当にバランスに優れているのだ。
そして、同じエンジンながら17インチタイヤ&ホイールやスポーツサスペンション、ブレンボ製ブレーキ、パドルシフトを備える中間グレード「コンペティツィオーネ」は、これならかつてからアルファロメオを知るクルマ好きも納得のモデル、といえる。
走り出しから“ゴルフとは異なる”スポーティな乗り味や走り味を感じさせ、街中レベルの走行でもいわゆるアルファロメオのテイストを披露する。それでいて実用性や扱いやすさはスプリントと大差ないから、クルマ好きかつ実用性も、という向きにはピタリとハマる1台といえるだろう。
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