アルファロメオ ジュリエッタ 試乗レポート/河口まなぶ(2/4)
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:茂呂幸正
ジュリエッタの高い完成度に裏付けられた「ゴルフ超え」という命題
実際にジュリエッタの開発においてベンチマークとされたのは、このクラスの王者である「VW ゴルフ」。これを徹底的に研究し、超えるクルマ作りが行われた。
こうして明確にベンチマークを公表して開発を行うということ自体、これまでのイタリア車にはない感覚だ。ボディは軽量・高剛性を徹底し、走りや燃費に貢献させつつ、欧州の衝突テストで最高レベルを確保。
足回りはアルミを多用して軽量かつ強靭に仕上げ、リアにはゴルフ同様このクラスではオーバースペックといえる“マルチリンク式”と呼ばれるサスペンションを奢った。
エクステリア/インテリアはご覧の通り、「日本車やドイツ車じゃ、こうはいかないよね」的な表現がそこかしこにある。
ジュリエッタのデザインは、数年前に送り出したスーパースポーツである“8Cコンペティツィオーネ”からの流れで、ジュリエッタのひとつ下に位置するコンパクトモデル“ミト”からも受け継いだ路線。
ジュリエッタではリアドアのノブをウィンドウ後端に融合させ、大衆ハッチながらクーペ的な豊かな雰囲気を醸し出す。また、ボディを走るキャラクターラインもエモーショナルな表現。こうした演出が、他の実用ハッチとは異なる“艶”を感じさせるのだ。
インテリアも同様で、デザインは遊び心に溢れている上にスポーティ。しかしながら居住性も前席ではしっかり確保されており、後席は正直ゴルフにはやや譲るものの、これまでのアルファロメオの中でも格段の実用性の高さを身につけた。
メカニズムは最新テクノロジーに彩られ、内外装はイタリア車ならではの魅力ある表現と実用性を融合させた・・・と、ここまでで既に商品としてかなり魅力的だ。
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