お待たせ!VW パサートにディーゼルモデル登場。気合いの入った発売記念式にVWの本気を見た!|発表会レポート(1/2)
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:オートックワン編集部
発売と同時に虎ノ門ヒルズで行われた発売記念式は3時間・2部構成!
すでにお知らせの通り、フォルクスワーゲン グループ ジャパンは、パサート/パサートヴァリアントに、最新のディーゼルテクノロジーで日本のポスト新長期排ガス規制をクリアしたディーゼルエンジン(TDIエンジン)搭載車をデビューさせた。
2018年2月14日から各ディーラーで早速発売が開始され、それと同時に東京・港区の虎ノ門ヒルズではパサート/パサートヴァリアントのTDIシリーズ発表記念式が行われ、虎ノ門ヒルズのオーバル広場にパサートヴァリアント TDIが展示された。
新車の発表会はこのように都内の大きめな商業施設を活用することがある。その多くは今回の発表記念式のように、ホールや広場に新型車が展示され、式次第が執り行われるとそのまま解散、もしくは会議室などに場所を移動し、新車の説明が行われる流れになる。
そんな中、今回の発売記念式の式次第を見て少し驚いた。それは、開始14時30分、終了17時30分までの3時間・2部構成で、2部はトークセッション&パネルディスカッションが行われることが記載されていたからだ。しかもトークセッションでは、本国ドイツの本社、フォルクスワーゲンAGから先進ディーセルエンジン開発部長を招くという。
フォルクスワーゲン、満を持してディーゼルエンジンを日本市場に投入
失礼な書き方になってしまうかもしれないが、言うなれば今回の発表はパサートの「エンジンバリエーション追加」の一つだ。その場合、極端なスポーツモデルやシリーズを象徴するようなモデルの追加でない以外、一般的にはこれほどの規模や時間を割いて発表会を行うことは少ないのでは、と思う。
しかし、フォルクスワーゲン グループ ジャパンがこれほどまでに意気込んだ発売記念式を開催したのにはワケがある。それは、フォルクスワーゲンがディーゼルエンジン搭載車を日本に上陸させたという「とても重要なこと」の発表だったからだ。
フォルクスワーゲンのディーゼルエンジンといえば、2015年にアメリカで発覚した「ディーゼルエンジンの排ガス不正問題」が思い出される。この問題により同社の新車販売台数の減少、ブランドイメージへの毀損、CEOの交代などが大きな話題となったことは記憶に新しい。日本には当時まだフォルクスワーゲンのディーゼルエンジン搭載車は正規輸入されていなかったが、日本国内でのフォルクスワーゲンの販売にも大きな影響を与えた。
ご存知のように欧州では乗用車のエンジンはディーゼルエンジンが主流となっている。日本では、1999年に当時の石原慎太郎東京都知事が煤の入ったペットボトルを振って「ディーゼルは環境に悪いエンジン」と槍玉に挙げたことなどからイメージが悪くなっていたが、最新のディーゼルエンジンは排気ガスもクリーンで、そしてディーゼルエンジンがそもそも持つ経済性の高さが注目され、マツダのスカイアクティブD(新世代クリーンディーゼルエンジン)を筆頭に国内・欧州各メーカーのディーゼルエンジン搭載モデルの発売も順調に推移している。
フォルクスワーゲンも、本国や欧州ではディーゼルエンジンの販売比率が高くなっており、日本のディーゼルエンジン輸入車市場でも大きな存在感を得ることができたと思われるが、不正排ガス問題の影響もあってか、日本への導入が他のメーカーに比べて大きく遅れていた。その間、フォルクスワーゲンもディーゼルエンジンの排気ガス浄化システムを最新技術で磨き上げてきたこともあり、ようやくTDIエンジンが正式に日本に上陸することとなった。まさに満を持してのデビューと言えるだろう。
フォルクスワーゲンのディーゼル車と日本の関係
14時30分からスタートした発売記念式では、まずフォルクスワーゲン グループ ジャパン代表取締役社長のティル・シェア氏が登壇し挨拶を行った。その中でフォルクスワーゲンのディーゼルモデルは1977年から1998年まで日本でも販売されていたことが紹介された。古い輸入車ファンなら「懐かしいなあ」と思うかもしれない。1970年代〜1980年代にはプジョー 504や205、シトロエン CX、メルセデス ベンツ ミディアムクラス、そしてフォルクスワーゲンからはゴルフ、ジェッタ、パサートなどにディーゼルモデルが用意されていた。ゴルフのディーゼルはI〜III型まで日本に上陸した。ゴルフD、GLD、CLD Turboなどのグレード名が思い出される。
また、国産乗用車……例えば日産スカイラインにさえもディーゼルモデルがあったりして、ディーゼルは決して珍しい存在ではなかった。フォルクスワーゲンでは20年ぶりにディーゼルモデルが国内投入されたことになるが、質実剛健、出来のいい道具的なイメージが強かったフォルクスワーゲンにはディーゼルエンジンのイメージが当時からぴったりだったこともあり、新たに輸入されるパサートTDIシリーズも、パサートの持つ「高い実用性」というキャラクターによく似合うのではないかと思った。
続いてパサート ヴァリアントTDIハイラインを購入したというユーザーご夫婦が登壇、シェア社長からパサートのミニカーが贈呈された。
ユーザーご夫婦は現行型パサート ヴァリアント1.4TSIを2年前に買ってから北海道に2回、九州にも1回出かけるなどパサートのオールマイティさ、高速道路での安定性に惚れ込んでいるとのこと。今回TDIに乗り換えたことで、『クルーザーのような走りに期待したいです』と納車後が楽しみなご様子だった。
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