新車販売「5ナンバー」人気が顕著、ガラパゴス化の日本市場は負のスパイラル
- 筆者: 国沢 光宏
ガラパゴス化した日本の新車市場
日本の売れ行き上位を見ると、2017年4-9月で軽自動車を除く売れ行きTOP10の中に「いわゆる5ナンバー車」が8車種も入っている。単月だと10月は5ナンバー車が9車種だ。5ナンバー車の多くは日本国内専売車という位置づけ。いわゆる「ガラパゴス化」と言ってよかろう。この傾向、ここにきて日本の自動車産業にマイナスの影響を与え始めたかもしれない。
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売れ行き好調な5ナンバー車を見ると、表のように道具として使われる比較的安価なモデルばかり。もう少し詳細に書けば「単に安価というだけでなくハイブリッド車や少し豪華なスペック」で、ユーザーの多くは安いクルマを買っているというイメージを持っていない。そして自動車に関心が薄い層である。
一方、自動車への関心を強く持っているユーザーの多くは、輸入車に目を向け始めた。なぜか? 輸入車は、クルマとしての楽しさを濃く持つためである。しかもモデルチェンジの度に値上げし高価になる国産車と対照的に、輸入車の多くは価格据え置き&値引きも大きい。結果的に大差ない予算で買えてしまう。
クルマ好きからすれば、魅力的で個性豊かな輸入車と、質実剛健を得意技とする国産車が同じような価格で買えるとなれば前者に惹かて当然。輸入車は販売シェアこそ大きく伸びていないけれど、これまで日本車の収益に貢献してきた300~500万円級のモデルの顧客を奪っている。
もう「日本発」の世界戦略車は出てこないのか
自動車メーカーは販売台数が減ると、当然の如く日本専用のモデルを作っても量産効果が出なくなるため儲からない。すでに300万円以上のモデルはクラウンや一部のミニバンを除き、基本的に海外でも販売されているモデルを日本でも販売しているというイメージ。日本以外の仕向地ではその国のニーズに合わせたモデルを販売しているのと対照的だ。
振り返って見ると、現在世界で販売されている人気車の多くは、日本のニーズから作られたモデル。ホンダの稼ぎ頭になっているCR-Vなどは日本市場向けに企画され、それを海外に出したら売れた。日本市場は今までに存在しない特徴持ったクルマを生み出すポテンシャルがあると思う。
けれど昨今の傾向として「日本市場はガラパゴス化している。高いクルマを作っても売れない」と割り切るメーカーが増えてきた。このままだと「日本発」の新しい価値観を持たせたクルマや、自動車好き向けのクルマに代表される付加価値の高いモデルを出せなくなって行く可能性大。
このあたりで日本市場で売れ、そして世界でも認めて貰えるような新型車を出さないと、中国など手強い新興勢力に市場を奪われてしまうかもしれない。
[Text:国沢光宏]
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