スズキ 新型スイフト ”フル”ハイブリッド試乗レポート|2種類のハイブリッドが併売される理由(1/3)

スズキ 新型スイフト ”フル”ハイブリッド試乗レポート|2種類のハイブリッドが併売される理由
スズキ 新型スイフトHYBRID SL[2WD] スズキ 新型スイフトHYBRID SL[2WD] 走行シーン1 新型スイフトハイブリッドと渡辺陽一郎氏 スズキ 新型スイフトHYBRID SL[2WD] インパネ周り スズキ 新型スイフトHYBRID SL[2WD] フロント周り スズキ 新型スイフトHYBRID SL[2WD] エクステリア スズキ 新型スイフトHYBRID SL[2WD] サイドビュー スズキ 新型スイフトHYBRID SL[2WD] リアビュー スズキ 新型スイフトHYBRID SL[2WD] リア周り スズキ 新型スイフトHYBRID SL[2WD] 走行シーン2 スズキ 新型スイフトHYBRID SL[2WD] 走行シーン3 画像ギャラリーはこちら

小型ハイブリッドカー人気を受け、スイフトが”もうひとつ”のハイブリッドを追加

登録車(小型/普通車)の販売ランキングを見ると、上位に入る車種の大半がハイブリッドを設定する。特に目立つのが1.5リッター以下のエンジンを搭載するコンパクトカーだ。e-POWERを追加して売れ行きを急増させた日産 ノート、ハイブリッド専用車のトヨタ アクア、使いやすさで定番になったホンダ フィットハイブリッドなど、各メーカーが力を入れて販売ランキングの上位に入る。

ボディがコンパクトであれば車両重量も軽く、ハイブリッド化で高水準の燃費性能を得られる。ハイブリッドはモーターや駆動用電池を搭載するからノーマルエンジン車に比べて価格が高いが、コンパクトカーであれば売れ筋グレードを200万円以下に抑えられる。

トヨタの初代プリウスが発売されて20年を経過するが、いまだにハイブリッドを所有した経験のないユーザーは多い。クルマを買い替える周期が長くなり、10年近く前に購入したクルマに乗り続ける人も少なくないからだ。10年前の2007年頃はハイブリッドの車種数も限られ、今でも「一度はハイブリッドに乗りたい」という需要が根強い。

このような事情もあって、続々と登場する求めやすいコンパクトなハイブリッドが堅調に売れている。

そして2017年7月には、スイフトのフルハイブリッドモデル「スイフト HYBRID SL・HYBRID SG」が追加発売された。

>>スズキ 新型スイフト ”フル”ハイブリッドはどこがどう違う!? フォトギャラリーをチェック

わかりづらい! 2種類ある”スイフトハイブリッド”の違いとは

スズキ 新型スイフトHYBRID SL[2WD] リアビュー

今回追加されたスズキ 新型スイフトハイブリッドを、わざわざ”フル”ハイブリッドと記したのには理由がある。ややこしいことに、2017年1月にフルモデルチェンジした従来型のスイフトには既に”ハイブリッド”を名乗ったモデルがあり、そちらは”マイルドハイブリッド”と位置付けられているのだ。

同じスズキのハイトワゴン「ソリオ」も、以前から2種類のハイブリッドを用意しており、同様のメカニズムを今回スイフトに展開させた。以降、便宜上フルハイブリッドとマイルドハイブリッドとして分類していく。

従来から設定されるマイルドハイブリッドでは、ISG(モーター機能付き発電機)が減速時を中心とした発電、モーター駆動によるエンジンの支援、アイドリングストップ後の再始動という3つの役割を受け持つ。モーターの最高出力は3.1馬力で、連続してモーター駆動を行えるのは最長30秒だ。エンジンの支援に限られ、エンジンを停止させてモーターだけで走ることはない。

一方、新しいフルハイブリッドには、小型MGU(駆動用モーター)と高電圧リチウムイオン電池が加わる。MGUはエンジンの駆動系とは別に配置され、トランスミッションを介さずに直接ホイールを駆動する仕組みだ。減速時の発電もMGUが担当する。

こちらもISGが搭載され、アイドリングストップ後の再始動と、エンジンの力を使った発電を行う。マイルドハイブリッドとは異なり、MGUを加えることで役割を分担した。標準/エコモードの切り替え機能も備わり、エンジンを停止させたモーター駆動を積極的に行う。これはマイルドハイブリッドにはない機能だ。

今あえてシングルクラッチ式ミッション”AGS”を採用

スズキ 新型スイフトHYBRID SL[2WD] ハイブリッドシステム

スイフト マイルドハイブリッド/フルハイブリッドのもうひとつの違いはトランスミッションだ。

マイルドハイブリッドはCVT(無段変速AT)だが、フルハイブリッドは1組のクラッチを使う5速AGS(オートギヤシフト)を搭載する。クラッチ方式だから駆動力の伝達効率が優れ、ダイレクトな運転感覚を味わえる。

また2組のクラッチを使うホンダの7速DCTなどに比べると、機能がシンプルでコストが安い。特にスズキの5速AGSは自社製だから、コスト低減の効果が一層強い。

ただし1組のクラッチを使う有段式のAT(AMT)は、変速に少し時間を要する。そのためにアクセルペダルを深く踏み込んで加速した時など、ギヤチェンジの度に速度の上昇が途切れて、乗員の体が前後に揺すられやすい。

このAMT(シングルクラッチ式トランスミッション)が備える欠点を、スズキのフルハイブリッドでは、反応の素早いモーターの特性を利用して補う。ギヤチェンジを行うタイミングを見計らってモーターの駆動力を強め、滑らかな加速が続くようにした。

これらは先行して2016年11月末に発売されたソリオのフルハイブリッドと同じ特徴だが、5速AGSはスイフト専用にセッティングされて変速時間を短縮した。

またハイブリッドSLではハンドルに装着されたパドルシフトによるマニュアル変速も可能で、これを使うと変速時間がさらに短くなる。

そしてハイブリッドと言えばやはり燃費が気になるところ。スズキ 新型スイフトのカタログ燃費(JC08モード)は、マイルドハイブリッドの2WD(前輪駆動)が27.4km/L、フルハイブリッドは32km/Lだ。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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