BMW コンセプト アクティブツアラー アウトドア(新型2シリーズ アクティブツアラー)コミュニケーションマネージャーインタビュー/まるも亜希子(2/2)
- 筆者: まるも 亜希子
- カメラマン:島村栄治
若い子育てファミリーへのアピール
また、これまでBMWではあまり前面に出されることのなかった、若い子育てファミリーへのアピールが強いことも、ひとつの特徴だ。
「今回のコンセプトカーで披露した『バイシクルリフター』はあくまで、“私たちはこういうことも提案できますよ、考えていますよ”ということを理解していただくためのものですが、やはり小さい子供を持つファミリー層は意識しています。子供がいると、いろんなものを運ぶ必要がありますね。また、リアシートがスライドするとか、リクライニングできるといったことや、テーブルを設置してiPadなどエンターテインメントのデバイスを置くことができ、それによって子供たちが快適にドライブできるといったこと。さらに、ヘッドアップディスプレイやオートマチックテールゲートなど、上級車に採用されている機能や装備も多く取り入れています。これは例えば、母親が子供を抱えたままテールゲートを開けなければいけない、などといったシーンを考え、『あったらいいな』と思うオプションの選択肢をたくさん用意したいという思いからです。これも、“BMWはお客様が何に悩み、その解決策はどんなものなのかということをしっかりわかっていますよ、取り組んでいますよ”ということを示したかったのです」。
走りよりもむしろ、デザインに苦心
とはいえ、やはりユーザーがBMWに期待する大きな要素は、『駆け抜ける歓び』の部分でもある。
パワートレーンについて現時点でアナウンスされているのは、先に1.5リッター 3気筒ガソリン、4気筒ディーゼルが搭載され、のちにプラグインハイブリッドが追加されるという情報だ。
それについてシュネック氏は、「エンジンについて、これは100%BMWが開発した1.5リッターエンジンとして、最高のものだと自負しています。またFFの走りについては、私たちはすでにMINIを通じて、スモールカーセグメントのFFでベストであるという評価を受けていますから、その豊富な経験、ノウハウをBMWにも継承してこのアクティブツアラーに注いでいます。ですから、走りについてもまさしくBMWそのものと自信を持っています」と、FFであってもMPVであっても、間違いなくBMWに期待されているプレミアムカーになっていると断言してくれた。
さらに、開発プロセスでは走りよりもむしろ、デザインの方が苦心したのだと明かす。
「BMWでは、いくら機能が優れていても、デザインが美しくなければ条件を満たしません。今回このコンパクトMPVを開発するにあたって、それを追求することが大きな課題でした。私の個人的な感想ですが、競合他社にもMPVはありますが、美しいMPVというのはないように思います(笑)。BMWでは、ドライビングダイナミクスを実現するためにも、メカニズムだけでなく外から見てもそう感じるように創りたかった。それが、デザイナーのこだわりなのです」。シュネック氏はそう言って、コンパクトでありながらプレミアムなこのアクティブツアラーは、日本のお客様のニーズにぴったり応えることができるはずだと、確信しているかのように微笑んでくれた。
いよいよ3月、アクティブツアラーは市販モデルの全貌が明らかになる。日本への早期導入も含めて、期待が高まるばかりだ。
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