autoc-one.jp 記事・レポート 新車情報 試乗レポート YOKOHAMA iceGUARD 6(アイスガードシックス) スタッドレスタイヤ 試乗レポート|雪でも氷でも雨の路面でも・・・横浜ゴム100周年の集大成を試す

試乗レポート 2017/9/4 18:30

YOKOHAMA iceGUARD 6(アイスガードシックス) スタッドレスタイヤ 試乗レポート|雪でも氷でも雨の路面でも・・・横浜ゴム100周年の集大成を試す

Text: 山本 シンヤ Photo: 横浜ゴム・オートックワン編集部
YOKOHAMA iceGUARD 6(アイスガードシックス) スタッドレスタイヤ 試乗レポート|雪でも氷でも雨の路面でも・・・横浜ゴム100周年の集大成を試す

タイヤのテクノロジーが数多く盛り込まれた“ice GUARD 6”

横浜ゴムは今年で創業100周年を迎える。自動車用タイヤは「アドバン」、「ブルーアース」、「ジオランダー」と、同社を象徴する様々なブランドが生まれ鍛えられてきたが、その中でもスタッドレスタイヤ「ice GUARD(アイスガード)」の存在を忘れてはならない。アイスガードはその前身となるガーデックス(1985年)、ガーデックスK2(1993年)を経て、2003年に登場。以降、アイスガード3(2008年)、アイスガード5(2012年)、アイスガード5+(2015年)と進化を遂げてきたが、その最新作が「ice GUARD 6(アイスガードシックス・iG60)」である。

>>YOKOHAMA iceGUARD 6(アイスガードシックス)驚異の性能を画像でもチェック

日本で売られているスタッドレスタイヤのニーズで最も多いのは、やはり「氷上性能」だろう。氷上でのブレーキ、コーナリング、発進、登坂などの性能は、全て“安心/安全”に直結するからである。日本は狭い国土ながらも「凍結路面」や「温度」が地域によって異なるなど世界的に見ても厳しい環境で、それらに対応するために数多くの技術革新が行なわれてきた。アイスガードはこの氷上性能に加えて、「性能の持続性」や「燃費性能」など、ユーザーがスタッドレスタイヤに求めるリアルな声をシッカリとフィードバックさせた開発を行なってきている。

更に昨今、除雪技術の普及や気温上昇による環境変化から「ウエット性能」へのニーズが高まっている。調査では約3割の人が「ウエット路面に不安」を感じ、5割以上の人が「ウエット性能の高い商品を欲しい」と考えているそうだ。実はスタッドレスは溝がたくさん入っているので濡れた路面にも強そうに感じるが、実際はその逆で排水性能が悪いのでウエットは苦手なのだ。

そこでアイスガード6の開発コンセプトは「氷に効く(氷上性能)」、「永く効く(性能の持続性)」、「燃費に効く(転がり抵抗の低減)」に加えて、「ウエットに効く(ウエット性能)」を高い次元でレベルアップさせることだった。その実現のためには、従来のスタッドレス開発の枠を越え、夏用タイヤのテクノロジーを含めた最新技術が数多く盛り込まれた。

従来品よりも性能持続性をアップさせている!

ヨコハマIG6試乗会
ヨコハマIG6試乗会ヨコハマIG6試乗会

まず、タイヤの顔となる「トレッドパターン」は、イン側が氷上性能、アウト側が雪上性能に特化した左右非対称パターンを継承しながらも全面刷新された。イン側は接地面積拡大やエッジ効果向上に寄与する「パワーコンタクトリブ」、アウト側は雪柱せん断力向上に寄与する「トライアングルスポット」やウエット性能に貢献する「ライトニンググルーブ」を採用している。

また路面との接触面を増やし摩擦力を高めるサイプ(細溝)は、「クワトロピラミッドディンプルサイプ」を採用。従来品(アイスガード5+)は3段の立体サイプ(トリプルピラミッドサイプ)だったのに対し、アイスガード6は4段立体サイプを採用。互いに支え合うことでサイプの倒れ込みを抑制することでブロック剛性アップ=操縦安定性にも大きく貢献。また、装着初期の氷上性能を確保するためのマイクログルーブは、斜め方向と横方向を組み合わせ、氷上での排水効果とエッジ効果を両立させる「ダブルマイクログルーブ」に進化している。

一方、タイヤのレシピと言ってもいい「コンパウンド」も刷新され、新開発の「プレミアム吸水ゴム」を採用。路面との更に分散を均一化させた「新マイクロ吸水バルーン」や「エボ吸水ホワイトゲル」といったミクロレベルの技術と、シリカを混ざりやすくし均一分散化を促進させる「シリカ高反応ホワイトポリマー」とアドバンスポーツにも使われる技術である「高配合シリカ」などのナノレベルの技術との相乗効果により、氷上で滑る原因となる氷表面の水膜の吸水効果が大きくレベルアップ。また、路面への接地圧を均一化・拡大により、ウエットグリップもアップ。社内テストでは従来品に比べ、氷上制動は15%、ウエット制動は5%向上しているそうだ。

更にスタッドレス用にモディファイされたしなやかさの持続させる効果のある「オレンジオイルS」の採用で、低温の環境下でもトレッドが硬くなりにくい、年数が経ってもタイヤのしなやかさを持続と、従来品よりも性能持続性をアップ(約4年後も性能をキープ)させている。

ウエット性能と背反する低燃費性能に関しても、新開発の低発熱ベースゴムの採用により従来品よりもエネルギーロスを改善。転がり抵抗は従来品比2%の向上で、夏用低燃費タイヤ(エコス)とほぼ同等だそうだ。更に従来スタッドレスタイヤではあまり考慮されてこなかった静粛性にも配慮され、パターンノイズは33%、ロードノイズは25%低減している。

アイスガード6は縦方向のグリップの高さが印象的

ヨコハマIG6試乗会

このように、日本のスタッドレスタイヤに求められる性能全てをレベルアップさせたアイスガード6だが、実際の性能は?

今回は雪道、氷上、舗装路と通常のテストよりも様々な条件下で試乗を行なってきた。

まず、スタッドレスの最も重要な「氷上性能」のチェックは、超低μ路であるアイススケートリンクでの試乗である。そもそも人が立っているのもやっとの場所で走る/曲がる/止まる事が可能なスタッドレスタイヤの性能は従来品でも驚きの性能と言えるが、アイスガード6は特に縦方向のグリップの高さが印象的。ちなみに筆者の運転で25km/hから完全停止までの距離を数回計測したが、アイスガード6は従来品と比べ平均で約10%短く止まることも確認。

ちなみにテストは現行プリウスで行なったが、横方向もタイヤからの情報がステアリングを通じて感じやすいだけでなく、EV走行時などで周りが静かな時にはタイヤが氷を掴む音が明らかに違うなど、グリップが高い事を聴覚でも確認できた。

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快適性や静粛性の高さにもビックリ

ヨコハマIG6試乗会

ただ、リアルワールドの路面はスケートリンクのように滑ら&一定ではなく、雪、氷、舗装と様々な条件が混在する上に、路面自体も凹凸があり硬さも様々である。そんな条件での性能はどうなのか? 実は冬季に北海道旭川市にある「北海道タイヤテストセンター」で試乗を行なったが、試乗日は予想外の気温上昇による雨の影響で普段は平らな圧雪路は凸凹だらけ。場所によっては雪が解けている……とテストを行なうには最悪な条件下で走らせたのだが、アイスガード6のグリップの高さはもちろん、滑り出した時でも挙動が穏やかだった。コントロール性の高さなどドライビングをする上で安心/安全につながる性能に関しては、逆にアイススケートリンクで感じた差よりも大きく感じたことにビックリ。つまり、アイスガード6は絶対性能だけでなくリアルワールドでの性能も高い……ことを証明している。これはユーザーにとっては非常に嬉しい性能である。様々なモデルで走行を行なったが、マッチングに関しても国産/輸入車やボディタイプを問わない“懐の深さ”も魅力の一つだと感じた。

更に今回はスタッドレスタイヤテストであまりやらない夏場の舗装路面での走行も実施。もちろん急な操作をすればスタッドレス特有の緩さが顔を出すものの、滑らかなGを心がけた丁寧なステアリング操作や発進/制動を心がければ、下手な夏用タイヤよりも普通に走れる上に、快適性や静粛性の高さにもビックリ。恐らく剛性を高めるクワトロピラミッドサイプやオレンジオイルSなども効いているのだろう。

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すべての人に最新の性能を

ヨコハマIG6試乗会

このように様々な条件で乗れば乗るほど、アイスガード6の実力が光った。スタッドレスタイヤも“マルチパフォーマンス”で選ぶ時代なのだ。開発陣自ら「創立100周年の集大成」、「アイスガード史上最高性能」と語る自信作であるのも納得である。

発売サイズは265/35R19 94Q~135/80R13 70Qの全95サイズと主要サイズはほぼカバー、今後も順次サイズ追加も予定しているそうだ。メーカーによってはレアサイズは従来品を併売・・・と言うケースでガッカリする事もあるが、「全ての人に最新の性能を」も嬉しいポイントの一つと言えるかも。

[レポート:山本シンヤ/Photo:横浜ゴム・オートックワン編集部]

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