DUNLOP 新商品タイヤ「SP SPORT MAXX 050 NEO」「エナセーブ NEXT」「エナセーブ100」試乗レポート/マリオ高野(2/3)
- 筆者: マリオ 高野
まずは、転がり抵抗の低減を極めてわかりやすく検証できる実験を実施。トラックの荷台からギアをニュートラルにしたままブレーキを離し、惰性で何メートル進むことができるかを「エナセーブNEXT」と従来品のエナセーブEC201で比較しました。
従来品のEC201では66.5mだったのが、新作「エナセーブNEXT」では、なんと95mまで進みます。トラックの荷台から転がり落ちてからの抵抗感がまるで異なり、新作「エナセーブNEXT」では路面のμが低いのではないかと思えるほど、抵抗が少なくどこまでも転がっていく感触です。
ちなみに、乗員を1名から4名に増やして実験すると、従来品のEC201は71.1m、「エナセーブNEXT」は100mにも達しました。燃費を良くするにはクルマを軽量化することが重要ですが、車重が増えると転がり抵抗の少なさをより活かすことができるのです。もちろん、車重が大きいと発進や加速では燃費に不利となりますが、転がり抵抗の少ないタイヤを履けば、状況次第では車重の大きさによる燃費の悪化を多少は緩和できることが期待できます。
次に、路面に大量の水を撒いたスキッドパッドでウェットグリップをチェック。路面μは3段階設定され、円の内側ほどμが低くなるという状況です。
まず、従来品のEC201で一番外側を走ると、メーター読みで約60km/hほどでグリップの限界に達し、強いアンダーステア状態となって横滑り防止装置のVSCがフル作動しました。
ひとつ内側では約50km/h、もっともμが低い一番内側では約45km/hが限界でしたが、「エナセーブNEXT」ではそれぞれの部分で限界速度が約5km/hほどアップ。
ウェットグリップの高さは数字でも明らかになりましたが、グリップが限界に達する瞬間の粘り強さと、滑ってからもなお、辛うじてグリップを保とうとする感触にはかなりの差があることを実感しました。VSCが作動するタイミングも明らかに遅く、作動する時間が短めだったことも確認しております。
転がり抵抗の低さとウェットグリップの高さの両立ぶりは感動的です。サイズは日本の実用車にもっとも広く採用されている195/65R15ということで、個人的な話で恐縮ながら、自分の愛車であるスバル・インプレッサG4 1.6iに履かせる次のタイヤはコレに決定。それだけ気に入りました。
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