アルファロメオ アルファ8Cコンペティツィオーネ 海外試乗レポート(2/3)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:フィアット・グループ・オートモービルズ・ジャパン
どれにも似ない、けれどもすべてにおいていかにもアルファらしい
8Cコンペティツィオーネは、マセラティ系のスチールシャシーをベースとしている。最大の特徴は、そこにカーボンモノコックとカーボンパネルボディをボルト&接着で組み合わせたこと。つまり、内外装で目に見える部分のほとんどがカーボンということになる。いぶし銀に光るパートはすべてアルミニウム削り出しという本格派だ。ちなみにカーボン製品は、小型ジェット機の生産で有名で、エンツォフェラーリやランボルギーニディアブロGTなど、スーパーカーのカーボンパーツ生産でも名を馳せるATR社製だ。
50年代のクーペに良く見受けられた普遍的な美しさを取り入れたスタイリングは、アルファロメオチェントロスティーレのヴォルフガング・エッガー(現在はアウディに移籍)の手になるもの。過去のアルファロメオ名スタイリングのどれにも似ない、けれどもすべてにおいていかにもアルファらしい、そんなスタイリングだと言えよう。
ボディカラーは全4色。アルファレッドのみが標準で、赤黄黒のそれぞれマイカ塗装はオプション設定となる。望めばスペシャルカラーのオーダーも可能だが、165万円のエクストラコストがかかる。
実にアルファロメオらしいデザインの20インチホイールが、流麗なスタイリングに良く映える。オプションで、20%減量の鍛造アルミホイールも用意されている。ホイールの向こうに見えるブレンボ製ブレーキは、いかにも強力な効きを想像させる大きさを誇っている。
落ち着きのあるドライバーズオリエンテッドデザイン
インテリアは古典的なドライバーズオリエンテッドデザインだ。ダッシュボードなどはカーボン剥き出しでそっけないが、効果的に配されたアルミ削り出しパネル&パーツと上質なレザートリムによって、まずは上々な仕立てとなった。カーボン骨格のレザーシートは3種類のパターン地が用意されており、カラーも赤、黒、グレー、タンの4色が揃う。
骨太なレザーステアリングホイールの向こうに小さなナセルがあり、向かって左に速度計(330キロ)、右に回転計が置かれる。ごついアルミニウム台に囲まれカーボンが貼られたセンターコンソールに、エンジンスタートや2ペダルミッションのモード切り替え、VDCオフといったボタンがシンプルに並ぶ。望めば、ステアリングの一部やパドルシフトをカーボンに換えることも可能だ。ハイパフォーマンスオーディオとして、BOSE社の8スピーカー&専用パワーアンプシステムの用意もある。
また、フェラーリのシートや鞄で有名なスケドーニ社製の専用ラゲッジバッッグセット(大型×2、小型×1)もオプションで用意されている。大型のものはシート背後のシェルフに、小型はトランク内スペースに、それぞれきっちり収まるもの。インテリアトリムと同じカラー、柄になるというこだわりようだ。
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