シボレー、新型「オーランド」をパリで世界初公開

シボレー

「シボレー・オーランド」の生産モデルがパリモーターショーで世界デビューを果たす。「オーランド」は、同ショーでワールドプレミアを果たす4つのシボレーモデルの1つとなる。

「シボレー・オーランド」は、2008年のパリモーターショーに出品されたショーカーコンセプトを原型として、現代のファミリーカーとして設計された。クロスオーバースタイルのデザインに、7シートの実用性とフレキシブルなインテリアデザインを併せ持つ。

新型コンパクトMPV(多目的車両)「オーランド」は、低いルーフラインとクロスオーバーを思わせるシルエットを持つ大胆なデザインを特徴としつつ、シボレー特有の“顔”として世界的に知られるスプリット・グリルとボウタイのバッジも継承している。

低めの流線型のルーフラインに、16、17または18インチのホイールを収納することができるマスキュラーな、張り出したホイールアーチを組み合わせた。

シボレー・ヨーロッパの社長兼常務取締役であるウェイン・ブラノンは、この新型MPV「オーランド」について、ヨーロッパで展開中のシボレーの積極的な商品戦略の要的な役割を担うことになるモデルであると説明した。そして、「我々は、『オーランド』がMPVクラスの中でも非常にコストパフォーマンスの高いモデルとなるばかりか、目新しさをも兼ね備えたモデルになると確信している。機能性と個性を併せ持ったクルマと言ってもいい。また、シボレーが今後もヨーロッパ全域で生産を続けていけるチャンスが開けるとも信じている。更に、シボレーブランドに新規顧客を呼び込むことも間違いない」と話した。

新型「オーランド」のエクステリアが多くの注目を集めることは間違いないが、インテリアもまた注目に値する。コルベットを思わせるデュアルコックピット、センターコンソールのブルーのアンビエント照明によるバックライトなど、シボレーの象徴的なデザインが施されている。しかし、ファミリーカーとしてクルマを利用する人にとっての更なる魅力は、何と言っても、3列のシアタースタイルのシート配列、広々としたカーゴエリア、そして収納スペースの多さだろう。

流線型のルーフライン設計にもかかわらず、デザイナーチームは、2列目、3列目シートの高さを上げることに成功した。つまり、後部席乗員の前方と側方に、より良い視界を確保したのである。また、シート構成は様々な変更が可能で、荷物を運ぶ際には、クラストップレベルの広いスペースを持つバンへと瞬時に姿を変えることができる。

使用頻度の高いファミリーカーには、何かと“モノ”が蓄積されていくものだが、そういったあらゆるグッズをしまう多数の収納スペースが室内には必要だ。「オーランド」コンセプトカーと同様、新型「オーランド」も、形や大きさの異なる様々なコンパートメントを、センターコンソール、フロントおよびリアドア、リアカーゴエリア、そしてルーフにまで用意した。

中でも最も独創的と言えるのが、ダッシュボードのオーディオの裏に隠された収納エリアで、これはドライバーからも助手席乗員からも簡単に手が届く位置にある。元々、「オーランド」コンセプトカーに採用されていたものだが、デザイナーチームは、有益な広いエリアを、オーディオのカバーを開いたときに出現させる仕組みを実現させることができた。大きさは、MP3プレーヤーとサングラス、財布などが入れられるほど余裕があり、中にはUSBポートも完備。移動中にMP3やiPodを充電するのにうってつけだ。

新型オーランドは、成功を収め、賞も受賞しているシボレーのセダン車「クルーズ」を原型としていることから、その抜群の乗り心地やハンドル操作性は証明済みだ。ボンネットの下には、シボレーの最新の低燃費エンジン3種のいずれかが搭載される。141馬力の1.8リッターガソリンエンジンか、131馬力(低出力)または163馬力(高出力)の2.0リッターディーゼルエンジンだ。

また、3つのトリムレベルを用意し、全モデルに対して、電子サスペンション制御、エアバッグ6個、エアコン、電動ミラーなどが標準搭載される。

「シボレー・オーランド」のフル生産は10月にスタートし、2011年初めにヨーロッパ全域で販売開始となる。その後、販売市場を世界に広げていく。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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