GMとSAIC、低燃費小型エンジンと次世代トランスミッションの共同開発を発表
米ゼネラルモーターズ(GM)および上海汽車工業総公司(SAIC)は、これまでの提携関係をさらに拡大し、新型の低燃費小型エンジン・シリーズと次世代トランスミッションの共同開発を行うこととなった。GMグローバル・プロダクト・オペレーションズ担当副会長のトム・スティーブンスと、SAIC社長の陳虹両氏の署名により成立したこの契約は、GMとSAICの関係をパワートレイン開発の分野にまで拡大する大きな節目であるとともに、世界最高のクルマづくりを可能にする駆動装置を供給するための重要なステップとなる。
トム・スティーブンスは、「新型エンジンおよびトランスミッションの共同開発は、GMとSAICの間で着実に培ってきたイノベーションとコラボレーションの歴史を基盤としている。我々は共に協力しながら、クルマの燃料効率を向上させ、力強いパフォーマンスを実現する最先端の技術を、お客様に早期に提供していく」と述べた。
新しい小型ガソリンエンジンは、世界の自動車市場からの需要が最も伸びている1.0リッターから1.5リッターの小排気量で提供される予定だ。直噴システムとターボチャージャーを組み合わせた小型かつ軽量な設計で、比類なき燃料効率性とパフォーマンスを提供する。エンジンは、中国のGMおよびSAICで生産されている現行モデル、ならびに将来世界で生産されるモデルに使用される予定で、従来の技術を超えた燃料効率機能を提供する。
GMとSAICのエンジニアは、デトロイトだけでなく、上海のパン・アジア・テクニカル・オートモーティブ・センター(PATAC)にて、新型エンジンの設計と開発を共同で行う。同センターはGMとSAICが合弁で設立した技術開発センターである。
新型FWDトランスミッションには、燃料効率とパフォーマンスを向上させるための最新技術を盛り込む。これにより、トランスミッションだけでも、従来型6速オートマチック・トランスミッションと比較して、燃費を10%以上向上できる。さらにドライ式デュアルクラッチ技術を採用することで、従来の完全オートマチック・トランスミッションと同等の質の高い滑らかなシフト性能を維持しながら、二酸化炭素の排出量を低減できる。
これらの技術が相まって、現在中国で生産されているエンジンおよびオートマチック・トランスミッションと比較して、排出ガスが最大20%減少する見込みだ。
SAICの胡茂元会長は、「このたびの共同開発計画は、SAICとGMのパートナーシップにおける新たなページの始まりを告げるものとなる。これにより、当社の次世代車に重要なグリーン技術が加わるだけでなく、GMおよびSAICの共同責任として構築してきた強力なエンジニアリング能力を、さらに発展させるものになるだろう」と語った。
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