【スーパーGT 第6戦】チャンピオンへのサバイバル!最大関門のSUGO決戦!
第6戦 スポーツランドSUGO : プレビュー
2015年も9月となり、AUTOBACS SUPER GTも終盤戦へ突入する。その最初の戦いは第6戦「SUGO GT 300km RACE」(9月19、20日)、舞台はスポーツランドSUGO。宮城県の山間にあるこのサーキットは“魔物が棲む”と言われ、観る側からは“ドラマチックな展開”になると注目される。それだけに、チャンピオンを狙うチームにとっては、この戦いが最大の難関になりそうだ。無難に乗り越えるか。ギャンブルを当てるか。それとも魔物に出遭うのか……。シリーズの転換点になるかもしれないこの一戦、観る者にとっても要注目の戦いとなるだろう。
RC F勢、NSX CONCEPT-GT勢の反攻が開始される
昨年もシーズンの終盤戦になってRC Fが連勝し、チャンピオンシップがにわかに活性化したGT500クラス。今季も折り返しの第5戦鈴鹿1000kmでNo.36 PETRONAS TOM'S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター)が予選9位から大逆転で優勝。No.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)も2位と鈴鹿でワン・ツーを決めたことで、この38号車、36号車がドライバーズ・ランキングでも2、3番手に浮上し、ここまで優位に見えたGT-R勢に“待った”を掛けた形となった。
当然36号車は昨年同様に連勝し、このSUGO終了後にランキングトップを奪いたいだろうし、38号車にしてもまだ未勝利だけにここで勝利が欲しいところ。共にウェイトハンディが80kg台後半となっただけに簡単ではないだろうが、何としても意地を見せたい。また、ウェイトハンディが軽いRC FとしてはNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平/ヘイキ・コバライネン)、No.6 ENEOS SUSTINA EC F(大嶋和也/国本雄資)に注目したい。
第5戦鈴鹿ではウェットコンディション時に快走を見せてホームコースを沸かせたNSX CONCEPT-GT勢。このSUGOはレイアウト的にミドシップ車に向いており、アップダウンのきつさもハイブリッドにはプラスとなるのではないか。No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/武藤英紀)としては、ここで勝利してタイトル争いに名乗りを挙げたいところだろう。
チャンピオンになるためにウェイトハンディと戦う
現在、ランキングトップのNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、76kgのウェイトハンディを背負いながらも第5戦鈴鹿で3位に入賞。トップの座をキープしたが、第6戦SUGOはついに累積ハンディは102kgとなり、実質は燃料流量リストリクターのワンランクダウンと50kgのウェイトを積むことになる(100kgを上限として、50kgを超えた場合は50kg分をリストリクターで相殺し、残りを実ウェイトとして積む)。No.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)も68kgのウェイトでポールポジションを獲得。決勝では、コースアウトもあって7位に留まったが、それでもこの第6戦のウェイトハンディは78kg。No.46 S Road MOLA GT-R(本山哲/柳田真孝)も60kgとなる。この3チームに関してはこの一戦の勝ち負けより、チャンピオンを掴むため1ポイントでも多く獲る戦いをすることになるだろう。
だが、第4戦富士で勝利したNo.24 D'station ADVAN GT-R(佐々木大樹/ミハエル・クルム)はウェイトハンディ40kg。彼らとしては、タイトル争いに食い込むためにももう1勝を狙いたい。とは言え、基本的な戦闘力は高いGT-R勢だけに、荒れたレースになればウェイトハンディの大きなチームも遠慮なく上位を狙ってくるはずだ。
クイックなコースで第3勢力が登場しそうなGT300
ここまでの5戦、ハイブリッドのNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)とNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)がそれぞれ1勝、日産GT-RのNo.10 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正)、No.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)で3勝と、2つの勢力が主役を務めている。だが、これらのランキング上位勢はウェイトハンディもきつくなり、チャンピオンシップを考慮した戦いにシフトしてくるかもしれない。
しかも、スポーツランドSUGOは中高速のコーナーが多く、クイックなハンドリングのマシンが本領を発揮するコースでもある。となると車種の豊富さが特長のGT300クラスだけに、第3勢力のマシンが優勝争いに登場する可能性も大だ。
そこで気になるのが、今季初登場して熟成も進んできたマザーシャシーを使用したマシンだろう。第3戦タイではポールポジションを獲っているNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允)や第5戦鈴鹿でポールポジションだったNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規)といったところが決勝でも上位を争ってきているだけに、初優勝の瞬間が見られるかも。また、ここまで良い走りをしていながら結果に結びついていないメルセデスベンツSLSのNo.11 GAINER TANAX SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)、No.0 グッドスマイル初音ミクSLS(谷口信輝/片岡龍也)、アウディR8のNo.21 Audi R8 LMS ultra(リチャード・ライアン/藤井誠暢)、No.86 Racing Tech Audi R8(クリスチャン・マメロウ/細川慎弥)なども気になる存在。また、一昨年のSUGO戦、荒れた展開を制したNo.88 マネパランボルギーニGT3(織戸学/平峰一貴)も注目の1台であろう。
今季2勝を挙げ、ドライバーズ・ランキングで頭ひとつ抜け出た感のあるNo.10 GAINER TANAX GT-Rのクートだが、このSUGOではリミットいっぱい100kgのウェイトハンディを背負うことになる。SUGO以降の2戦を精神的にも優位に戦うため、ここでポイントを1つでも多く獲得することが大事だ。ライバルとの直接対決だけでなく、彼らのこの厳しいレースにも注目してほしい。
そこに待つのは、“魔物”か“女神”か?第6戦は9月19、20日に開催。
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