【新旧比較】「マツダ デミオ」の新型と旧型を比較してみた/渡辺陽一郎(3/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
乗り心地
新型デミオはボディとサスペンションを刷新したことで、走行安定性と同様に乗り心地も向上した。タイヤの指定空気圧は、15/16インチともに前輪が260kPa、後輪が230kPaと高めの設定になる。そのために少し硬く感じるが、路面上をタイヤが細かく跳ねる動きは抑えられ、しっかりと接地させたから旧型に比べて重厚感が増した。前席の座面を柔軟に仕上げたことも、乗り心地に良い影響を与えている。
特に上質なのは、16インチタイヤを装着したディーゼルモデル「XDツーリング」と「XD Lパッケージ」だ。タイヤの扁平率は15インチの65%に対して60%に下がるが、接地性がさらに向上して乗り心地を骨太に仕上げている。フォルクスワーゲン「ポロ」などの欧州車に迫る水準となった。
進化度数:7点/10点(大幅に進化した)
快適&安全装備
旧型に比べると、快適&安全装備ともにバランス良く充実させている。
安全面では、衝突の回避を支援するスマートシティブレーキサポートを13Cを除く全グレードに標準装着した。赤外線レーザーを使った低価格のタイプだから、作動速度は時速30km以下。市街地走行で追突事故を回避するのが主な目的になる。今後はミリ波レーダーやカメラを使った高速域まで対応できるタイプも設定して欲しい。
また、13Cを除いた全グレードに、7インチディスプレイを備えたマツダコネクトを装着(レス仕様も設定)。SDカードを挿入することで、簡易型のカーナビとしても機能する。
なお、13Cとレス仕様については、マツダスマートナビをディーラーオプションで装着することも可能だ。
これらの快適&安全装備は、旧型には設定がなかったので、新型になって大幅に進歩した。
進化度数:7点/10点(大幅に進化した)
燃費性能
1300ccのガソリンエンジンは、JC08モード燃費が24.6km/L。旧型のスカイアクティブは25km/Lだったので、数値上は0.4km/L悪化した。旧型のATは無段変速のCVT、新型が有段式の6速ATになることも影響している。その代わり、先の項目で触れたように動力性能は向上した。
一方、1.5リッターのクリーンディーゼルターボは、6速ATのJC08モード燃費が26.4km/L、6速MTは30km/Lに達する。軽油の価格はレギュラーガソリンよりも1リッター当たり20円ほど安いから、燃料代はフィットハイブリッド並みだ。
そして動力性能をノーマルタイプのガソリンエンジンに当てはめると、フィットハイブリッドは1.7リッタークラス、デミオのクリーンディーゼルターボは2.5リッターに匹敵する。なので「動力性能と燃料代のバランス」でいえばデミオのディーゼルは効率が高い。
進化度数:
1.3リッター 1点/10点(もう少し頑張りましょう)
ディーゼル 6点/10点(順当に進化した)
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