[試乗]超個性派<シトロエン C4カクタス>は四の五の言わず惚れるが勝ちだぜっ!(1/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:島村英二
欧州に行って実感した、想像を超えるC4カクタスの人気っぷり
自動車稼業に就いていて、世界を旅するひとつの醍醐味は、各国の自動車事情を知ることにある。
数字で表される販売台数はやはり数字上のソレであって、実際に空港から街へ、街からホテルへと移動する間に目にする事実はもっと真に迫ってリアル。圧倒的な台数ではなくとも、存在感をアピールするクルマが多々あるのだから面白いのだ。
今年の秋、仕事も絡めて10日間、ヨーロッパ3カ国を旅した。
フランス、イタリア、スペインと街を巡る中で、「わ、このクルマほんまにヨーロッパで売れてるんやな」と感激した一台がある。
それが今回ご紹介するシトロエン C4カクタスだ。
>>シトロエン C4カクタス フォトギャラリー【大量画像でチェック】
※試乗・撮影車はプロトタイプにつき、実際の日本導入モデルとは一部仕様が異なる
デザインの常識を覆す、魔訶不思議な出で立ち
曲線で構成されたコロンとしたフォルムを持つのに、むき出しの樹脂を多用するなど細部のディテイルは意外なほどにそっけない。その絶妙のさじ加減で、単に甘い面構成をシトロエンらしい毒でまとめた、不思議な出で立ちだ。
フロントライト回りはシュっと細目で目つきが悪くてシャープ、さらにエアバンプと呼ばれるソフトな素材の緩衝パッドを左右のサイドパネルに貼り付けた、現代のカーデザインを大きく裏切る仕上げ。だけどやっぱり全体的な印象は「カワイイ」んだからどないなってるのん。
一回見たら忘れない、ただでさえアイコニックで個性的なルックスだから、石造りのシックな町並みに決して溶け込まず、それでいて悪目立ちしすぎず、とにかくよく見かけた。こういうクルマを、保守的一辺倒だったジャーマンモノに飽きた顧客層は、渇望していたのかもしれない。
日本には初回限定200台という世知辛い(涙)割り振りで導入され、速攻で売れたC4カクタスだが、ここにきて年始に100台ほど追加導入されるという嬉しいリークが入ってきたので、さっそく試乗記をお届けしたいと思う。
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