ボルボ V60 試乗レポート/小沢コージ(3/4)

ボルボ V60 試乗レポート/小沢コージ
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今までからすれば驚くほどスポーティでダイレクトな手ごたえ

ボルボ V60

乗ってもビックリだ。「妥協無き本物のスポーツワゴン」をうたうV60は、座るシートからしてそれなりにサイドサポートが膨らんだスポーツタイプで気分を高揚させる。

ステアリングフィールだが、意外なほど軽くスポーティで、手応えもダイレクト。今までのダルさを強調したボルボしかしらない人にとっては驚きだろう。

エンジンもメインは最近流行のダウンサイジングタイプで、排気量わずか2リッターの直4ターボ。

しかし、燃料関係は効率のいい直噴式で、最大出力こそ203psと普通だが、最大トルクは30.6kg-mと巨大で、1,750rpmの低回転から発揮する。

この特性を利用し、エンジンを回さずほどよいパワーを取り出し、低燃費と両立させるのが今の欧州流エコカーで、このV60もその例に漏れずギアボックスに最新式の6速デュアルクラッチを採用。効率と速さの両方を兼ね備えたタイプだ。

ところが元々はフォード製をベースとするこのエンジン、効率だけでなくフィーリングも良く、渇いた排気音と共に小気味よく回るし、デュアルクラッチギアボックスもVW製などと比べ絶妙にダルで、極端な神経質さがない。

この直噴小排気量ターボによる省燃費運転は、実はVWグループが先鞭をつけたものだが、あまりに先進的な制御をし過ぎて、発進などでトルクが出過ぎるところがある。

それはそれで楽しいのだが、ボルボ流はほどよくそれが抑えられているのだ。

 走りの質に関しても、確かにボルボV60は、今までのボルボにはないスポーティさを持つが、長く走り込むと同クラスのドイツ製セダンなどと比べ、微妙に安定方向にふっているのがわかる。

どんなにハイスピードでコーナーに入っても普通じゃリアタイヤは出ないし、ステアリングフィールも過剰なほどダイレクトでもない。

ブレーキも良く効くが、コンマ数ミリ単位の動きに付いてくるほどのカッチリ感はない。 スポーティになったが、最後のさじ加減はボルボ。そういう感じだ。

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小沢 コージ
筆者小沢 コージ

横浜市出身。バラエティ自動車ジャーナリスト。自動車メーカー、「NAVI」編集部員を経てフリーに。現在、雑誌やネットに多数連載。記事一覧を見る

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