ボルボ 新型V60が登場|正面衝突対策や車幅縮小で日本のワゴン市場を攻める!

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  1. 販売絶好調のボルボ、新記録達成か
  2. 新型V60の3つの魅力。安全、安心、エコパワートレイン
  3. V60より小さなモデルにはディーゼルは見合わせ、電動化に方針転換
  4. ボルボ車の関わる死亡・重症事故を0に! Vision2020実現に向けて
  5. 新型V60の素晴らしいデザインはプロポーションがキー
  6. ボルボ 新型V60 主要スペック
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ボルボ・カー・ジャパンは、2代目となるプレミアム・ミッドサイズステーションワゴン「V60」を9月25日、全面改良し発表した。当日開催された報道陣向け発表会には、本国からセーフティセンターのディレクターやデザイナーも来日したので、その模様をお届けしよう。

◆細部にまでこだわり抜いた新型 V60のデザインをもっと見る

販売絶好調のボルボ、新記録達成か

日本でのボルボの販売状況についてボルボ・カー・ジャパン代表取締役社長の木村隆之氏は、発表会の冒頭で、次のように説明する。

「9月24日時点での販売登録実績は対前年比107%、注文実績はバックオーダーが少し増えてしまっていますが対前年比149%と非常に好調な状況が継続しています。そこにさらに今回発表する新型V60が加わることで、今年の見込みとしては年間受注で2万台を超えることは確実です」とコメントし、好調さをアピール。

この2万台という数字は、1996年に記録した過去最高台数以来、22年ぶりだという。木村氏は昨年「ボルボブランドの復活」を宣言していたが、まさにそれを証明した形になった。

ボルボ=ワゴンのイメージが特に強い日本市場を担う重要モデル

V60はご存知の通りそのボディタイプはステーションワゴンで、ボルボを代表するボディタイプともいえる。日本でもボルボのワゴンは累計23万台を販売してきており、木村氏は「ボルボのユニークなブランドのイメージやポジショニングの屋台骨になっています」と述べ「プレミアムカーというと、私のクルマ、俺のクルマ、me carという要素が強くなります。しかしボルボはこのワゴンの存在があるからこそ、プレミアムであると同時にファミリーとしても受け入れられやすい独自のユニークなポジショニングが作れましたし、今後ともそのポジショニングは維持強化していきたい。そういう意味でもワゴンというのは本当に大事なボディタイプだと考えています」と、同社にとってこのボディタイプが重要であることを語る。

新型V60の3つの魅力。安全、安心、エコパワートレイン

死亡率の高い正面衝突事故への対策を強化

さて、木村氏によるとこのV60のアピールポイントは安全、そして安全を超えてさらなる安心、エコパワートレインの3つがあるという。

まず安全だが、V60では新たに先進安全装備がひとつ追加された。それはCity Safety(衝突回避・軽減フルオートブレーキシステム)に、新たに、正面衝突対策の対向車対応が追加されたのだ。具体的には対向車との衝突が避けられない場合、衝突警告、前席左右の電動シートベルトおよび自動ブレーキの作動を同時に開始し、対向車との衝突速度を最大10km/h低下させ、衝突エネルギーを減少させることで乗員へのダメージを軽減するものだ。

特に日本国内においては、死亡につながる事故の中で一番構成比が多いのが正面衝突である。それに対する追加、有効なアクションとなるものだ。これまでのインターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)、オンカミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)との協調により、その効果が最大に発揮される。木村氏も、「速度が落ちることによって衝突のポイントが変わり、そうすると相手にも時間的余裕ができ、何らかのアクションやさらなるブレーキングも期待できます」と説明した。

つぎに、最良の安全の上にさらなる安心をという考えでは、このV60から新車の5年保証を走行距離無制限で全車に標準装備され、これは輸入車では初だという。

V60より小さなモデルにはディーゼルは見合わせ、電動化に方針転換

そして最後のポイントはエコパワートレインの展開として、プラグインハイブリッドモデルのラインナップが拡大される。具体的には従来から他のモデルに設定があるT8ツインエンジンプラグインハイブリッドに加えて、T6ツインエンジンプラグインハイブリッドを、「よりアフォーダブルな戦略的な価格で設定していきます」と木村氏。

これは、「プラグインハイブリッドは将来のエコパワートレインの本命といわれながらまだまだ普及率が低いので、そこを少しでも変えていこう。戦略的な価格設定により一人でも多くのお客様に触れていただこう、体験していただこう、乗っていただこうという戦略に一歩踏み出したいという思いからです」という。

実は、この戦略を取るにあたり、ディーゼルがラインナップから落とされた。「V60より小さなクルマにはディーゼルの導入を見合わせていく方針です。一方でXC60や90シリーズなどは大きくて重く、同じエンジンを乗せると燃費が不利になってしまうクルマについてはディーゼルを継続投入していきます」とし、「将来の電動化をさらに急ぐということです」と話す。

背景にはディーゼル車を取り巻く市場の変化

その背景は、ディーゼル市場にある。アメリカ、中国、ヨーロッパの三大市場で、米中ではほとんどディーゼルの市場はなく、ホームマーケットのヨーロッパが一番大きな市場となる。しかし、「ピークの時の2011年には全体の半分を超えていたディーゼル比率が、直近では37%(2018年4~6月期)くらいに落ち込んでいるのです。2017年4~6月期と比較をしても、8%ほど縮小しています。特にボルボセグメントでは45%ほどがプライベートカー(残りはカンパニーカー)のお客様の縮小程度が大きくなっています」という現状を踏まえ、「これは何年か乗った後の再販価格に懸念を持たれていることが考えられます」とその要因を分析。

ただし、「日本ではディーゼルの縮小は始まっておらず、まだまだディーゼルの支持は高いのですが、モデルライフの最後の方にディーゼルを買われたお客様の再販も考えました。そこで、5年後10年後のオーナー様のバリュー、価値を守るために、V60あたりのセグメントについては実際の走り方、使われ方、年間の走行距離等々を考えて設定しないことにしたのです」とこの決断の背景を語った。

ボルボ車の関わる死亡・重症事故を0に! Vision2020実現に向けて

セーフティとボルボの関係は、1927年にボルボを創設したアッサル・ガブリエルソンとグスタフ・ラーソンの2人のコメントからも伺える。それは、「クルマは人が運転するもの、使用するものです。従ってボルボの設計の基本には常に安全というものがなければなりません。これが我々の取り組みの屋台骨になっているのです」とは今回来日し、プレゼンテーションを行ったボルボ・カーズ・セーフティ・センターディレクター/シニアセーフティテクニカルアドバイザーのヤン・イヴァーソン氏の弁。

そういった思想を持つボルボは2007年に将来に向けての大胆なステートメント、Vision2020を発表した。

これは新たなボルボ車が関わる事故による死亡及び重症事故を2020年までに0にするというもの。「現在社内では日々CEOからこのことを伝えられており、それぞれのエンジニア一人ひとりが仕様を決め、その図面を書くときに常に念頭においているものです」と話す。

安全対策の裏に膨大なデータあり。ボルボの誇る事故調査隊とは

こういった取り組みに至るには、1970年代から行われている事故調査隊の存在が大きい。

この調査隊は、スウェーデン国内で衝突事故のデータを大手保険会社と協力して収集するもので、常に衝突事故が発生すればその場に24時間365日すぐに出動し、事故調査に当たる。「これまでスウェーデンにおいて4万7000台もの事故データが入手できており、そこに関与する3万7000人以上のデータが集められています」とイヴァーソン氏。

また、衝突事故の中で怪我をした人がいれば、同意を得た上で、そのカルテにアクセスしそれをデータベース化。こういった現場での調査データやカメラやログデータなども収集することで、まさに何が衝突の原因であるのかを深掘りして調査をしているのだ。「このようなデータを得ることにより我々の将来の取り組みを設定しているのです。

その結果、出来る限り高いレベルの安全性を持つ車両を市場に出していきたいと思っています」と語る。

交通事故において正面衝突の割合が最も多い

今回、新型V60から採用された正面衝突対策としての対向車対応機能にも触れ、「日本の警察庁が発表している2017年の国内類別型の死亡事故の件数割合では、正面衝突が最も大きな割合を占めています。ここをまさに解決する必要があるのです」と述べる。

ここでイヴァーソン氏は、大きく3つの段階に分けてこの問題への取り組みを解説する。そのひとつは衝突時の負傷マネージメント。その次に衝突する直前だ。「衝突直前になったときの脅威マネージメントで、運転者の決断や判断を強化できるようにし、それによってリスクを最大限回避できるようにしなければいけません」という。

そしてさらにその前の段階も重要だとし、「通常運転の状況でのリスクマネージメントとして、例えばもしドライバーが疲れてきていたら、止まって休憩するようにとドライバーにその情報を与えなければいけませんし、スピードを出しすぎているのであればその情報をフィードバックする必要があるのです」と、それぞれの段階での重要性を挙げ、これらをトータルマネージメントすることが不可欠であることを強調した。

新型V60の素晴らしいデザインはプロポーションがキー

さて、次に登壇したのはボルボ・カーズ・USAデザイン部シニアディレクターのT.ジョン・メイヤー氏だ。「素晴らしいデザインとはどういうものでしょうか。その全てはプロポーションから始まるのです。これはクルマのデザインであっても、椅子であっても、フォークであっても基本的には何でも同じで、プロポーションがキーとなるのです」と語り始めた。

そして、先代V60のプロポーションは“典型的な”フロントホイールドライブのものだとし、「オーバーハングが非常に長く、そしてダッシュtoアクスル(フロントホイールの中心からAピラーの付け根までの距離)の短さがその特徴です」と説明。それに対しSPAプラットフォームを手に入れた新型V90は、“理想的な”フロントホイールドライブのプロポーションを実現。

「フロントホイールを前方に配することで短いフロントオーバーハングを実現し、ダッシュtoアクスルを長くとることができたのです。これによりラグジュアリーな雰囲気を表現し、長いホイールベースと共にダイナミックなプロポーションをも実現しているのです」と述べる。

日本市場を意識し1850mmの全幅ありきでデザイン

フロント周りではヘッドライトのトールハンマーを少しグリル側につき出させることで、目つきの鋭さを強調。よりシャープで精悍なイメージを持たせるとともに、アンダーグリルをハの字にすることで、スタンスの良さと低重心を表現している。

また、全幅は1850mmと先代比-15mmを実現。これは「日本のマーケットを考慮した数値です」とし、木村氏も、「ヨーロッパではこういう要件は全くないのですが、立体駐車場に入るかどうか、仮に入ってもマンションなどで車庫証明が下りるかどうかなど日本独特の事情を考慮して1850mmと決めた上でこのデザインを作り込んでいます。まさに日本に置けるワゴンのポジショニングを考えた上で大英断をしてくれたのです」と本社が日本市場を重要視していることを評価する。

サイドを走るキャラクターラインのうち、「ヘッドライトから出ているものと、リアハッチから出ているものは、途中でどちらも消えています。特にリア側はリアホイール周りの豊かな面を強調しアスリートの肉体美を表現しているのです。また同時にこの2本のラインは1800ESとコンセプトエステートをモチーフにしており、ボルボのヘリテージも持たせているのです」と話す。

またV60は非常に豊かな表情を持つドア断面が与えられた。これは、ドアヒンジの位置をXC60などより下に配することで実現したもので、製造工程等の調整の結果実現できたという。

もう一つ特徴的なのは、テールゲート部分の角度だ。V90ではエレガントさを強調するためにかなり寝かせていたのだが、V60では実用性も考慮され若干立たせた。これは、「単に現行のモデルのモデルチェンジだけではなくV70後継にもあたるためです。その結果、ダイナミックさと実用性を共に増したクルマになっているのです」とした。

採光を重視した明るいインテリア

インテリアにおいては、ドリフトウッド、あるいはシルバーのフレームを用いたインストルメントパネルが特徴で、これがアクセントになり、「インテリアスペースにスッキリ感を与えています」という。また、「太陽光も非常に重要です。スウェーデンではたくさん太陽光があるわけではありません。太陽光があった場合には日光浴をしたいという気持ちが強くなるのです。そこでこのクルマにはパノラミックルーフがあり、非常に多くの太陽光を取り入れることができます。これはXC90から受け継いだものなのです」と述べた。

新型V60は、T5モメンタムの499万円と、T5インスクリプションの599万円から導入がスタートし、T6ツインエンジンインスクリプション(749万円)とT8ツインエンジンインスクリプション(819万円)は少しデリバリーが遅れ来年の3月頃に届く予定。そして来年の7月頃を目処にT6ツインエンジンのモメンタム(価格未定)が導入される予定である。

[text&photo:内田 俊一]

ボルボ 新型V60 主要スペック

ボルボ 新型V60 主要スペック
グレードT5 InscriptionT6 Twin Engine AWD InscriptionT8 Twin Engine AWD Inscription

価格(消費税込)

599万円

749万円

819万円

全長

4760mm

全幅

1850mm

全高

1435mm

ホイールベース

2870mm

車両重量

1700kg

乗車定員

5名

エンジン

水冷直列4気筒 DOHC ターボ

水冷直列4気筒 DOHC ターボ+スーパーチャージャー

排気量

1968cc

エンジン最高出力

187kW(254PS)/5500rpm

186kW(253PS)/5500rpm

233kW(318PS)/6000rpm

エンジン最大トルク

350N・m(35.7kgf・m)/1500-4800rpm

350N・m(35.7kgf・m)/1700-5000rpm

400N・m(40.8kgf・m)/2200-5400rpm

モーター最高出力

34kW/2500rpm(前)65kW/7000rpm(後)

モーター最大トルク

160N・m/0-2500rpm(前)240N・m/0-3000rpm(後)

燃費(JC08モード)

12.9km/L

駆動方式

2WD(FF)

電子制御AWD(エンジン+モーター)

トランスミッション

8速AT(ギヤトロニック)

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内田 俊一
筆者内田 俊一

1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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