"四角いボルボ"を日本法人が完全再生|あの頃のまんまなクラシックボルボに試乗(2/3)

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1950年代設計、1970年式のアマゾンに乗って、耐久性の高さを実感!

そして今回、このクラシックガレージでレストアされたボルボ車を体感できる「VOLVO KLASSISK GARAGE試乗会」が行われることになった。

この日用意されたボルボは、クラシックガレージで再生した122S“アマゾン”と240ワゴンTACK、P1800ESと940エステートである。

レアすぎる!? ワンオーナーで走行距離35万キロの122S“アマゾン”

あいにくの雨だったが、まずは撮影場所まで1970年式122S“アマゾン”に乗り込むことにした。この個体、「京」ナンバーが物語るように、古くから日本にいた由緒ある正規輸入車だ。

しかもワンオーナーで、さらに御年90歳を迎えて運転免許を返納した際に手放したとのことで、走行距離はなんと35万キロ! 履歴も全て残っているという。一部を除いて塗装もオリジナル、内装も未再生というのだからすごい。

クラシックガレージ入庫後はエンジンとトランスミッションをオーバーホールしてあり、普段使いで使用できる状態になっている。

50年経っても「高い安全性、高品質」は健在

それを実証するように、ドアを開けてみたら、そのスムーズな開閉とガタがないことに驚いた。50年近く前のクルマなのにボディの頑丈さが伺える。エンジンは暖まっているようで、チョークを引かなくてもSUツインキャブのエンジンはイグニッションオンで難なく始動した。

湿度が高い中でもエンジンは咳き込むこともなく、各ギアも全く問題なく気持ち良く入り、何事もなかったように走る。これなら、確かに日常で乗ってもストレスがないだろう。内外装の部品類も見るからに頑丈そうで、品質の高さを伺い知ることができる。

なお、アマゾンは1956年に登場。アメリカ市場で成功し、ボルボの一時代を築いたモデルである。実はアマゾンという名前は、ドイツのクライドラーがすでに登録していたことが分かったため、スウェーデン国内だけで使われた。海外での正式名は120系で、1963年には122Sを発表。

そうそう、当時こんな感じだった!「新車状態」の240にオドロキ

帰りは240ワゴンのステアリングを握る。1993年型は240としては最終モデルで、エアバックとABSを装備した「TACK(スウェーデン語で、ありがとう)」だ。

新車当時の乗り味に近づけるべく、足回りは全て交換。ボディはリペアと全塗装で美しい輝きを取り戻している。また灯火類が新品なのは嬉しい。

エンジンは115psを発生する2.3リッターのB230F型OHCで、こちらは大きく手を入れていない。ボルボ クラシックガレージ 責任者の阿部氏曰く、「さらに20年は乗って欲しい」とのことだ。

敢えて今240を買うのもアリ?

アクセルを踏むとエンジンの快調ぶりがわかるようだ。感激したのは、乗り心地と全体のコンディションの良さ。ハンドルの遊びもガタもなく、静かにまっすぐ、しなやかにアクアラインを渡っていく。

筆者は1990年代の初期にクルマを運ぶ仕事をしていたので、当時240の新車に乗ったことがあるが、確かにこんな感じだった! 内外装も新車に近いコンディションなので、低年式車とは思えない。タイムスリップしたかのような気持ちになった。

もちろんクラシックガレージの技術力と丁寧な作業による再生だが、ここまで新車のように復元できるのも、元来240が持つ高品質と丈夫なボディ、エンジンがあってこそ。新車に戻ったような素晴らしい状態の240を買って、ずっと乗り続けるのもカッコいいクルマ選びだと感じた。

>>クラシックボルボの700/900系もオススメ[次ページへ続く]

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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