フォルクスワーゲン シャラン 試乗レポート／金子浩久(3/3)
- 筆者： 金子 浩久
- カメラマン：オートックワン編集部
ミニバンとは思えない快適で上質な走りっ振り
それも杞憂に終わった。助手席に座った編集Yさんは初めてシャランに乗るのだが、「ミニバンとは思えないほど静かですね。その上、乗り心地がいい」と驚いている。そう、シャランはミニバンと但し書きを添えなくても、快適で上質な走りっ振りを示すのだ。
他にも美点を挙げてみれば、しっかりと身体をホールドしてくれるシート、ガッシリとしたボディ、容量が十分な頼り甲斐があるブレーキ等々。
レバーひとつの操作で簡単に折り畳みできるシートやBピラーに設けられた電動ドア開閉スイッチなどもミニバンならではの使い勝手を向上させている。
コンフォートラインとハイラインの違いは、タイヤサイズと装備の違いによるものだが、コンフォートラインの379万円（ハイラインは438万円）は買い得だと思う。
ポロやゴルフ、パサートなどから乗り換える人には、最新のVWとしての共通感覚が得られて安心できるだろうし、日本のミニバンから乗り換えるのならば、驚きとともに新しい価値を得ることができるはずだ。
弱点らしきものが見当たらないが、最大のウイークポイントは両グレードともに黒一色のインテリアしか用意されていないことだ。家族で乗るクルマだから、家庭のインテリアのようなカラーリングや造形が望ましいのではないだろうか。
エクステリアも、5色からしか選べないのも商品力を削ぐことにつながっている。そこが惜しい。
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モータリングライター 1961年東京生まれ。 自動車と自動車に関わる人間について執筆活動を行う。主な著書に、『10年10万キロストーリー』（１～４）、『セナと日本人』、『地球自動車旅行』、『ニッポン・ミニ・ストーリー』、『レクサスのジレンマ』、『力説自動車』など。記事一覧を見る
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