VW 新型ゴルフ ディーゼル(TDI)試乗|遂に上陸したディーゼルモデルの実力は?
- 筆者: 橋本 洋平
- カメラマン:木村博道/フォルクス ワーゲン グループ ジャパン
新型のウワサもある中ディーゼルが上陸
2019年9月のフランクフルトモーターショーでは次期型が公開されると噂されるゴルフ。日本に導入されるのはおそらく来年後半。すなわち、いよいよ現行型であるゴルフ7もモデル末期ということになる。
ミニバンのシャランにもディーゼルを追加!
だが、この段階にきてフォルクスワーゲン グループ ジャパンは、ゴルフファミリーに対してディーゼルモデルのTDIモデルを10月1日から日本に導入すると発表した。ハッチバックのゴルフ、ステーションワゴンのヴァリアント、そしてミニバンのシャランに対してもディーゼルエンジンを搭載するという。
2013年に日本導入(欧州では2012年)となったゴルフ7は、ガソリン、プラグインハイブリッド(PHEV)、そして電気自動車(EV)をこれまでに日本で打ち出してきたが、ディーゼルの導入により更なるユーザーニーズ応えようというわけだ。ちなみに欧州に目を向ければ天然ガスやサトウキビなどの植物由来のバイオエタノールをベースに走るハイブリッドも存在する。改めてゴルフ7はマルチ燃料対策を行い、次世代を見据えてきたクルマだということが解るだろう。
搭載するディーゼルエンジンはティグアンと同じユニットを搭載
さて、そんな最後のゴルフ7を締めくくるかのように登場するTDIは、実はSUVのティグアンに搭載されていたユニットと同様のものだ。ティグアンではそのTDI+7速DSGが組み合わされ4輪駆動となっていたが、ゴルフに搭載されるものはミッションこそ同様の7速DSGだが、駆動方式は前輪駆動となるところが異なる。エンジンは2.0Lターボとなり、最高出力110kW(150PS)/3500-4000rpm、最大トルクは340Nm(34.7kgm)/1750-3000rpmというスペックだが、重量はディーゼル化に従い1430kgとやや増している。
ゴルフディーゼルは実用重視のスペック
ちなみに今回引き合いに出す1.4Lターボのガソリンエンジン・TSIは最大出力103kW(140PS)/4500-6000rpm、最大トルク250Nm(25.5kgm)/1500-3500rpmとなり車重は1320kg。出力はあるが重い車体か、おとなしいが軽量が良いのか? 乗り比べてその差はどうなのかは気になるところだ。
ちなみにシャランに搭載されるTDIのみがハイパワーバージョンとなり、最大トルクは380Nmを発揮している。これは多人数乗車や荷物を積載する機会が多いことなどを見越してのこと。ハッチバックやワゴンでは必要ないとの判断のようだ。
ゴルフ ガソリンモデルは未だ走り・質感全てにおいてバランス良し
まずはディーゼルの実力を知る前にガソリンエンジンのTSIから試乗を開始する。すると、発進加速から軽快に立ち上がり、高回転へ向けてストレスなく吹け上がるTSIの実力が見えてきた。決してパワフルとかトルクフルという種のものではないが、全てが過不足なく動くところにバランスの良さを感じた。それはフットワーク系においても同様で、しなやかな乗り味と、ワインディングロードにおける一体感溢れる軽快な動きとしなやかな乗り味が際立っていた。改めてゴルフ7の実力の高さを思い知らされた。
それを確認した後にTDIモデルに乗り換える。すると、まず感じられたのはドッシリとした安定感の高さだった。重量が増したことによるこの感覚は明らかに違うクルマだと感じられるもの。 だが、例えばスタンディングスタートでは重くなったことを感じさせないトルク感があり、不満を抱えるようなことがないところが◎。TSIと同様の立ち振る舞いが得られるところは好感触だ。 ただし、ディーゼルだから極端にトルクフルだとか、そういうタイプではないことも明らか。あくまでスタンダードなディーゼルといった感覚が正直なところだ。 また、ディーゼルではどうしても気になってくる車室内の振動や音に関しては不快な感覚もなく、滑らかな吹け上がりが続くところは好感触。TSIのように回転を高めずして巡行できるスマートなところもディーゼルのメリットといっていいだろう。 しかし、ワインディングロードにおける軽快さや、しなやかな乗り味といったTSIで感じた乗り味は若干異なる。フロント軸重で90kg、リア軸重で20kg、TSIよりも重くなるTDIは、ややユッタリとした乗り味になることも事実。そしてこの重さをカバーするために足を変更せずにタイヤのエア圧を40kPa引き上げることで対応したことにより、やや突っ張った乗り味になっていることはたしかだ。ワインディングよりも高速クルーズで真価を発揮するタイプのようだ。軽快さはないが、ゆったり走れるのがディーゼルの魅力
ランニングコストを考えるとディーゼルが圧倒的有利だ
燃料消費率はWLTCモード18.9km/L。TSIの18.1km/Lよりも上回っている。今回の試乗では郊外路とわずかな高速道路走行しか出来なかったので、そこまでは行かなかったが、TSIよりもTDIのほうが常に平均燃費は1割ほど高い値を示していたことはたしかだった。郊外路やロングドライブが主な使い方のユーザーであれば、メリットはより高まるだろう。
一度は試乗してもらいたいほどの完成度!
いずれにしても今回のTDIのデビューは、ゴルフ7を締めくくるに相応しい一台。第4コーナーを駆け抜け、最後の直線に入ったゴルフ7に鞭を入れ、ゴールまでに再びトップを奪取しようというディープインパクト的な存在だ。最後まで諦めずに戦い続けるその姿勢が美しい。まさに完熟の仕上がりは要チェックだ。
[筆者:橋本 洋平/撮影:木村 博道]
主要スペック | |||
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グレード名 | |||
価格[消費税込] | |||
全長 | |||
全幅 | |||
全高 | |||
ホイールベース | |||
駆動方式 | |||
車両重量 | |||
乗車定員 | |||
エンジン種類 | 4バルブDOHC ディーゼルターボ横置 | 4バルブDOHC インタークーラーターボ横置 | |
総排気量 | |||
エンジン最高出力 | |||
エンジン最大トルク | |||
トランスミッション | |||
使用燃料 | |||
JC08モード燃費 | |||
WLTCモード燃費 | |||
WLTC | |||
WLTC | |||
WLTC |
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