トヨタ ヴァンガード 試乗レポート(3/3)

登場から時間は経っているが実力は未だ一線級

今回のマイナーチェンジにおける、走りに関する変更はない。燃費は向上しているものの、動力性能についての制御面での変更はないとのこと。

性能に関する部分を落とすことはしておらず、無駄だった部分を省いただけとのことで、たしかに走った印象でも、従来に比べて違いは感じられず、大きな不満はない。

しいていえば、2.4リッター車に18インチタイヤ＆ホイールというのは、これまでなかった組み合わせだが、走りはいたって軽快で快適だ。アイポイントこそSUVゆえ高めながら、運転感覚は乗用車とイコールに近い。

RAV4に対しては、ボディが大きくなっているぶん、小回り性はあまりよろしくない面もあるものの、乗り心地の快適性や操縦安定性などドライバビリティ全般は上。

コーナリング姿勢も、RAV4ではややつっぱった印象があったところ、ロングホイールベースのヴァンガードは、安定性に余裕があるせいか、ボディのしっかり感も高く、後発ゆえチューニングがこなれたせいか、こちらのほうが無理していない印象だ。

また、RAV4ともども横開き式のバックドアを持つ点もヴァンガードならでは。

使い勝手においては、跳ね上げ式と比べてお互い一長一短はあるものの、少数派の横開き式を選べるもの特徴だ。開閉時にあまり大きな力を必要としない点は、とくに女性ユーザーにはありがたい。

サイドシルの出っ張りが低いので乗降性もよく、7人乗りを選んでおけば、いざとなれば3列シートが使えるのも頼もしい。

現在はミニバンを愛用するも、3列目の使用頻度が低いという人は、乗り換えの選択肢に挙げてもいいのではないかと思う。ミニバンとは一味違ったカーライフを楽しませてくれることだろう。

登場からそれなりに時間が経過しているが、ヴァンガードの実力はいまだ一線級。今回こうして新鮮味を挽回すべくマイナーチェンジが行なわれ、より魅力度を増したことを歓迎したいと思う。